
【助産師解説】ココアのカフェイン 含有量は?妊娠中は飲んでもOK?
ココアにはどれぐらいのカフェインが入ってるの? 妊娠中や子供は飲んでも大丈夫? という疑問に、助産師がお答えします。糖質量の注意点と、妊婦におすすめの飲み方もアドバイス!ぜひチェックしてください。
ココアにもカフェインは含まれるの?

ココアにもカフェインが含まれるという話を聞いたことがある方もいると思いますが、本当にカフェインは入っているのでしょうか?また、どれぐらいの含有量なのでしょうか?妊娠中は飲めるのかという内容もあわせ、詳しく見ていきましょう。
ココアはコーヒーの1/12ほどのカフェイン量
まず結論から言うと、ココアにもカフェインは含まれます。ただ、どれぐらい含まれるのか?という点に関しては、ココアのタイプによって変わってきます。
市販されているココアには、原料(カカオマス)から油脂分を取り除き粉末状にした「ピュアココア(純ココア)」と、ピュアココアに砂糖や乳成分などを加えて飲みやすくした「ミルクココア(調整ココア。以下ミルクココア)」の2つのタイプがあります。それぞれにカフェインの含有量が異なるのですが、具体的には以下のようになります[*1]。
・ピュアココア(純ココア)
粉末100gあたりのカフェイン含有量は、およそ200mg。
(一般的に1杯分に使用する粉末5gあたりに換算すると、およそ10mg)
・ミルクココア
粉末100gあたりのカフェイン含有量は、微量。
(一般的に1杯分に使用する粉末は12g程度。カフェインは微量しか含まれない)
このように、カフェインはピュアココアの方が多く、ミルクココアにはほとんど含まれません。カフェインをより多く含むピュアココアでも、コーヒー1杯*と比較すると1/12程度。紅茶と比較*しても1/6程度と、他の主なカフェイン飲料に比べるとかなり少ない部類に入ります。
*1杯200mlとして計算
ちなみに、主なカフェイン飲料のおおよそのカフェイン含有量は以下のようになります[*2]。
<主なカフェイン含有飲料の、おおよそのカフェイン濃度>
飲料名 | カフェイン含有量 | 浸出方法 |
---|---|---|
ウーロン茶 | 20mg/100ml | 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで0.5分 |
コーヒー | 60mg/100ml | コーヒー粉末10gを、熱湯150mlで |
紅茶 | 30mg/100ml | 茶葉5gを、熱湯360 mlで1.5~4分 |
緑茶(せん茶) | 20mg/100ml | 茶葉10gを、90℃のお湯430mlで1分 |
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ココアのカフェイン量は妊娠中でも特に心配なし
妊娠中にカフェインを過剰に摂取すると、胎児の発育の阻害、出生児の低体重、早産・死産と関連する可能性があります。また、妊娠中は血液からカフェインが消失するまでの時間が通常より遅くなるため、通常より人体への影響も大きくなりやすいと考えられています[*2]。
このような理由から、海外の各機関では妊娠中のカフェイン摂取は1日に200~300mgを上限とし、これを超えないようにすることを勧告しています[*2]。つまり、妊娠中でもカフェインの摂取が完全NGというわけではないのですが、摂取量と頻度には注意が必要ということです。ココアで考えた場合、1日の摂取基準とココアに含まれるカフェインの量を踏まえると、妊娠中でも特に気にすることなく飲めると言えますね。市販のミルクココアであれば、なおさらです。
ただし、ココアは初めから砂糖が添加されていたり、甘くして飲むことが多い飲み物です。カフェインの影響という観点では特に意識する必要はないかもしれませんが、糖質量という意味においては飲みすぎには注意が必要と言えるでしょう。また、ココアに含まれるポリフェノールについては、妊娠後期に過剰摂取すると新生児の動脈管早期収縮の原因になる可能性があるとされています[*3]。「ココアばかりをがぶ飲みする」といったことは避けたほうがいいでしょう。
ココアの糖質量とは?妊娠中の飲み方のコツと注意点


妊娠中に糖質を過剰に摂取してしまうと、妊娠中に体重が増えすぎる可能性はあります。
また、胎盤から分泌されるホルモンの影響で、妊娠中は糖代謝異常が起こりやすくなっています。血糖値が高くなった時に正常値まで下げる能力が低下しているので、血糖値が下がりにくくなります。なので、糖質の過剰な摂取には気をつけたいですね。
では、ココアにはどれぐらいの糖質が含まれ、1日に何杯程度が理想なのでしょうか?
ミルクココアは1杯で3gの糖質
ココアに含まれる糖質量は、カフェイン同様でタイプにより異なります。具体的には、おおよそ以下のようになります[*1]。
・ピュアココア(純ココア)
粉末100gあたり、18.5g。
ティースプーン山盛り1杯(約4g)にすると、0.74g程度。
・ミルクココア
粉末100gあたり、74.9g。
ティースプーン山盛り1杯(約4g)にすると、3g程度。
このように、ピュアココアとミルクココアでは糖質量が4倍くらい変わります。ミルクココア=ピュアココアに砂糖や乳成分などがプラスされているもの、ということを考えれば、当然のことですね。
上の数字だけを見ると、ピュアココアなら糖質をほとんど気にせずに飲めるのでは?と思うかもしれませんが、ピュアココアの粉末だけでは苦くて、とてもではありませんが飲むことは困難です。砂糖や牛乳などを足してカスタマイズすることになるので、何をどれぐらい入れるかによって総合的な糖質量は変わってきます。
また、ミルクココアの場合も、ティースプーン1杯ではほんの少量しか作れませんね。美味しいココアを作るには、少なくともティースプーン3~4杯は必要でしょう。そうすると、総合的な糖質量は9~12gと、市販のコーラ100ml近い糖質量(12.2g/100ml)になってしまいます。人によっては濃い味を好むこともあり、その場合はティースプーン3~4杯でも足りないかもしれませんね。
このように、飲み方(ココアの種類や溶かす粉末の量)と飲む量、頻度によっては糖質の過剰摂取につながる可能性もあるので、注意が必要でしょう。
妊娠中にココアを飲みたいときは?
普段以上に糖質の摂取量に注意が必要な妊娠中は、ココアが飲みたいのであれば、できれば市販のミルクココアではなく、ピュアココアの粉末を用いての手作りがおすすめです。すでに加糖済みのミルクココアだと調整ができませんが、ピュアココアならそれができるので、作り方に気をつければ糖質とカロリーを抑えることが可能だからです。
市販のミルクココアは糖質量が多めになるので、飲みたいときはその量と頻度に十分気をつけ、例えば、1日1~2杯程度、毎日飲むのではなく週に何回かの楽しみとして取り入れる分にはいいでしょう。
<体験談>みんなはどうしてた?妊娠中のココア
※マイナビ子育て調べ 調査日時:2020年2月21日~2月27日
まとめ
ココアのカフェイン含有量は、他のカフェイン飲料に比べても少ないです。ミルクココアに関してはほとんど含まれないので、カフェインの影響という意味では妊娠中でも安心して飲める飲料と言えるでしょう。ただし、市販のミルクココアには糖質が多く含まれるので、カフェインよりもこちらを気にする必要があります。体重の急激な増加や妊娠糖尿病などのリスクを避けるためにも、飲み方と飲む量、頻度には十分注意し、できれば砂糖やミルクを含まないピュアココアの粉末を用いての手作りで、糖質量を調整しながら飲むようにしたいですね。
(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
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