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2022年12月02日 13:50 更新

妊娠中のコーヒーは何杯まで? コーヒー好き妊婦さんにおすすめ飲み物【助産師監修】

妊娠中は、カフェインを控えるためコーヒー好きな人も控えなければなりません。今回は、妊娠中に飲めるコーヒーの量や、ノンカフェイン・カフェインレスのおいしい飲み物をご紹介します。

妊娠中のコーヒー、どのぐらいまでなら飲んでもいい?

外でコーヒーを飲む妊婦
Lazy dummy

1日2杯程度ならば問題ない

妊娠中のカフェインを含む飲料は「絶対飲んではいけない」というものではなく「飲む量に気をつけて」という扱いです。

妊娠前に習慣的に多く飲んでいたという人は、ついついくせで飲みすぎないように気をつけましょうね。

「妊婦さんはコーヒーが絶対NG!」と思っている人もいるようですが、量を調整すれば飲んでも大丈夫とされています。しかし、妊婦さんが1日にどのくらいのコーヒーを飲んでも大丈夫かについては、国際的な共通基準はありません。以下、WHOや各国機関の発表から「妊婦さんの1日のコーヒー摂取量目安」[*1]を見てみましょう。

・WHO(世界保健機関)

カフェインの胎児への影響についてはまだ確立していないものの、1日3~4杯までにすべきとしています。

・カナダ保健省

子供、妊婦、授乳婦へ、カフェインの摂り過ぎを注意する喚起を行っています。妊娠適齢の女性は、生殖にリスクが及ぶ可能性が高いとも指摘しています。

これらの女性は、1日のカフェイン摂取量は300mg(200mlカップのコーヒー換算:2.5杯程度)までとしています。

・英国食品基準庁

1日当たりのカフェイン摂取量は200mg(200mlカップのコーヒー換算:1.7杯程度)にするようにアナウンスしています。

このように、国や機関によって多少差がありますが、妊娠中の1日のカフェイン摂取は200〜300mg未満に抑えるようにするといいでしょう。

コーヒーの量でいうと、200mlマグカップで2杯前後程度が一つの目安になりますね。

飲み合わせに注意|コーヒー以外のカフェインを含む飲み物

コーヒーを飲む量を控えても、カフェインを含む他の飲み物・食べ物を多く摂っていては意味がありません。普段口にするものの中にも、カフェインを多く含む飲み物・食べ物は多いのです。以下で、カフェインを多く食品と、カフェイン含有量[*2]を知っていきましょう。



飲物に含まれるカフェイン量

・コーヒー:120mg
・紅茶:60mg
・せん茶:40mg
・緑茶:平均28mg
ほうじ茶:平均24mg
・ウーロン茶:平均24mg
・ジャスミン茶:平均18mg
ココア:平均18.6mg
・コーラ: 36〜46mg(1缶355ml)
・チョコレート:平均61mg(100g)
※カップ一杯=200ml

なお、エナジードリンクなどのカフェインが多く添加された飲料は、製品によって差が大きいので、個別に確認しましょう。

1日のカフェイン摂取の目安

コーヒーを飲む量に気をつけていても、他のカフェイン含有量の多い飲食物を多く口にしていれば意味がありません。ここでは、カフェイン含有量の多い飲食物の「妊婦が1日に摂取しても問題がない量」(1日のカフェイン摂取量を200mg、1杯200mlとした場合)をご紹介します[*2]。

・紅茶:およそ3.3杯
・せん茶:およそ6.7杯
・コーラ:およそ4本(計2L)
・チョコレート:板チョコ6枚


カフェイン含有量としては、紅茶はコーヒーに次ぐ多さです。コーヒーを飲む量を控えめにしても、紅茶をさらに3杯飲めば、妊婦さんの1日のカフェイン摂取目安量を超えてしまいます。

また「コーヒーを我慢すれば、コーラやチョコレートがたくさん口にできる!」と考えるのは間違いです。これらには砂糖が多く含まれる場合が多く、妊娠中でなくても過剰に摂ることを避けたいものです。カフェインの取りすぎとともに、糖分の取りすぎにも気をつけてください。

妊娠中のカフェインの摂りすぎ、どんな影響がある?

赤ちゃんとママとコーヒーを飲む妊婦
Lazy dummy
WHO(世界保健機関)は、胎児の発育や健康にカフェインがどう影響するかについて「まだ確定的ではないが、控えるように」という通達を出しています。しかし、各国の研究機関などのレベルでは、カフェインには血管収縮作用があり、カフェインの過剰摂取によって起こる、胎児の発育・健康への悪影響が指摘されています。さらに、妊娠中のママの健康に及ぼすとも言われていますので、以下で確認しましょう。

・妊娠初期末~中期にかけての自然流産のきっかけとなる可能性が指摘されています
・カフェインは胎盤の血流を減少させ、発育障害(低体重出産)につながる可能性が指摘されています
・カフェインは胎盤を通過し、胎児に移行します。胎児にはカフェインを自分自身で分解排出できず、カフェイン代謝物質が胎児の脳に蓄積することが分かっています

コーヒー好きのママにおすすめ飲み物

妊娠中でも安心して常飲できる、ノンカフェインの飲み物を確認してみましょう。

1. たんぽぽコーヒー(たんぽぽ茶)

コーヒーは避けてカフェインレスの飲むものをとる妊婦
Lazy dummy

乾燥させた西洋タンポポの根の飲み物です。香ばしいかおりがコーヒーに似ており、コーヒー好きのママにも人気が高いようです。「たんぽぽコーヒー」「たんぽぽ茶」など様々な名で呼ばれますが、基本的には同じ飲み物と考えてよいでしょう。

2. デカフェ(ノンカフェイン/カフェインレスコーヒー)

ノンカフェイン・カフェインレスのコーヒーは「デカフェ」という名前で広く浸透しています。普通に市販されていますし、喫茶店でも用意しているところがあります。お気に入りのデカフェが見つかれば、コーヒーをたくさん飲みたいママの強い味方となるでしょう。

3. 麦茶やそば茶など香ばしいお茶

世界には、数多くのお茶があります。紅茶、せん茶のようにカフェイン含有量の多いお茶もある反面、ノンカフェインで美味しく飲めるお茶も数多く存在します。妊娠というせっかくの機会を利用して、お茶の世界を知るのも楽しいのではないでしょうか。妊婦さんにおすすめしたいノンカフェインのお茶としては、麦茶、そば茶などがあります。これらは香りもよく、ホットで飲むと冷やした時とはまた違った香ばしさが楽しめます。

まとめ

ストレスになる人は、無理にコーヒーを禁止する必要はありません。ただし、妊娠中は量を控える必要があります。コーヒーのような味のお茶をはじめ、ノンカフェインで楽しめる飲み物もたくさんあるので、うまく取り入れるようにしましょう。

なお、出産後に授乳をしている期間もカフェインには注意が必要です。これを機会にカフェインとの上手な付き合い方を考えられるといいですね。
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授乳中のカフェインについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎授乳中のカフェインはどれぐらいまでOK?コーヒー、緑茶の量は?摂取基準と注意点

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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