
【医師監修】妊婦健診ってどんな服装で行けばいいの? はじめての方も必見!
標準的に、妊娠初期には計3回、中期前半と半ばは4週間に1度、中期終わり~後期は2週間に1度、そして臨月~出産予定日までは毎週、合計14回ほど通うこととなるのが「妊婦健診(検診。正しくは健診)」です。ここでは、健診にふさわしい身だしなみについてまとめます。
妊婦健診の服装のイロハ


妊婦健診に行くときの服装や身だしなみの注意の基本をまず確認しましょう。
基本は着脱しやすい服装!
さまざまな理由を総合的に考慮して、「妊婦健診に適した服装」についてひと言で言うなら「着脱しやすい服装」となります。
「着慣れている服を選ぶこともポイントかもしれません。買ったばかりの服だと脱ぎ着しにくいことがありますよね。新調した服は、受診前に何度か着てみてから選ぶといいかもしれません」
検査内容によって服装を変えるのがベスト
着脱しやすい服装をおすすめするのは、妊婦健診では服を脱いで受ける検査があるからです。
医療機関で妊娠が確認されたら、以降の妊婦健診についての説明の際、いつ、どのような検査や診察を行うのかを教えてもらえます。そのスケジュールに合わせて服装を選びましょう。選ぶ際のポイントは次項で紹介します。
「細かいスケジュールは病院によって異なるかもしれません。たとえば妊娠中期になると経腟エコーから経腹エコーに切り替えますが、私が勤務する東峯婦人クリニックの場合、妊娠中期にも何度か経腟エコーをはさみます。病院のスケジュールをよく確認してお洋服のコーデをしてください」
内容別・妊婦健診の服装

検査や診察の種類ごとに、服装を考える際のポイントをまとめます。
内診の日の服装
内診がある日のボトムスは、下着をとって診察台にのぼりやすい「フレアースカート&くつ下」が着脱の回数が少なくてすんでスムーズです。くつ下ならそのまま診察台にのぼれますが、タイツの場合は脱いで上がる必要があります。
マタニティウェアを買うとき、内診があるとき用に、診察台にのぼりやすそうなデザインのものを1枚、選んでおくといいかもしれません。
なお、妊娠15週までは必要があるとき、16週以降は毎回、「むくみ(浮腫)」のチェックがあります。脚のすねで診るので、タイツやハイソックスを履いていると脱ぐ必要があります。
「浮腫のチェックはゆるゆるのマタニティレギンスとくつ下の組み合わせならOKの場合もあります。無理なくたくし上げて、すねを診れるようならOKです」
エコーの日の服装

腟内に棒状のプローブ(超音波を出す器具)を挿入して、赤ちゃんの状態や子宮や卵巣の状態をモニターでチェックするのが「経腟エコー」で、お腹の上にプローブを当ててチェックするのが「経腹エコー」です。
妊娠20週(妊娠中期)前後に経腟エコーから経腹エコーに切り替わるのが一般的ですが、妊婦さんや赤ちゃんの状態などによっては、中期以降に経腟エコーで診察する場合もあります。
経腟エコーがある場合は、内診の日と同様の服装が便利です。
経腹エコーの際は、お腹が出しやすい服がよく、その他に「子宮底長のチェック(16週以後の健診では毎回)」「腹囲の測定(必要に応じて)」もお腹を出して行うので、ウエストが外しやすい(腰下まで下ろしやすい)スカートなどが便利です。
子宮底長とは?
胎児の大きさや羊水量の目安となるのが「子宮底長」です。あお向けに寝て脚を伸ばした姿勢でお腹を出し、恥骨の上から子宮の最上部(子宮底)までの長さを、お腹の曲線に沿って測ります。
腹囲とは?
おへその位置で、お腹の周囲をメジャーで計測します。必須検査項目ではないので、省略されることもあります。
血圧測定や採血の日の服装
血圧測定は毎回
採血の日は?
採血は毎回ではありませんが、ひじの内側近くに注射針を刺して血をとることが多いので、採血がある日も腕まくりがしやすいトップスが向いています。
季節ごとのコーデのポイント
季節に応じて、自分自身が快適だと思う温度調整ができる服装を選ぶことが基本です。
ただ、最近の室内は空調が行き届いていることがほとんどなので、戸外と室内の温度差や、空調の効きすぎ(夏の冷え、冬の暖め過ぎ)に対応して調節できる服装がベストです。
なお、妊娠すると基礎代謝が上がるので、暑さを感じやすくなることもあります。病院で待つ時間や移動の車内などでこまめに脱ぎ着ができるようにしておくとよいでしょう。
妊婦健診の服装|その他の注意点

妊婦健診での服装や身だしなみについて、その他にも注意したいことをまとめます。
ネイルやメイクについて
妊婦健診では、顔色などとともに爪の状態も診察し、貧血や脱水のチェックなどを行うこともあります。そのため、顔色が確認しづらいメイクやネイルは薄目にするか、しないほうがいいでしょう。
ネイルについては、医療機関によっては、妊婦健診の際だけでなく妊娠期間を通してしないよう、指導されることもあるようです。
そこまで求められていない場合でも、とくにお腹が大きくなっていき、健診間隔も短くなる妊娠中期の終わり以降は、ネイルしていると健診ごとに落とさねばならず、ママ自身の負担になってしまうかもしれません。
妊娠中は落とすのに手間がかかるジェルネイルはとくに避け、通常のマニキュアをするにしても健診には落として行きましょう。また、メイクもナチュラルメイクに留めておいたほうが無難です。
すその長い洋服に注意
妊娠中はただでさえ転倒しやすいので、すその長いスカートなどのボトムスは踏んで転ばないよう気を付けましょう。
ブーツやサンダルは避けた方が良いかも
ブーツは脱着が面倒?
臨月など、お腹が大きくなる時期は、着脱時に不安定な姿勢になるブーツなどの履物にも注意が必要です。とくに内診などのために脱ぐことがある健診の日は、避けたほうがよいかもしれません。
「ブーツは暖かく、むくみがあっても履きやすいと思うママもいらっしゃるようですが、脱着はママが大変そうでおすすめできません。履くならムートンブーツや内側にファーなどがついたモカシンシューズなどが脱ぎやすいかもしれませんね」
脱げる・滑るサンダルはNG
健診の際は、履いたり、脱いだりしやすい履物を選ぶことが大切ですが、歩いているだけで脱げやすかったり、滑りやすいサンダルは転倒のリスクがあるので避けましょう。
「妊娠中はヒールNGと思う人が多いですが、3cmを超えない程度の低いヒールがある靴のほうがかえって歩きやすく、滑ったり、転んだりしにくいというママもいます。普段から履き慣れていて、安全に歩ける履物を選んでください」
まとめ


検査や診察の際は、「腕が出しやすいトップス」、下着を外して診察台に上がる際、手間取らない「セパレートのフレアスカート、くつ下」が向いています。履物選びのポイントは履き慣れていて、履いたり脱いだりしやすいこと。もちろん「歩きやすい」のも大切です。妊娠中は服装以外にもいろいろと制約が多くうっとうしく思うことが多いかもしれませんが、赤ちゃんが生まれるまでの期間限定のこと。妊婦健診の際は、検査を受けやすいことを第一に考えつつ、おしゃれを楽しんでくださいね。
(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)
※画像はイメージです
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厚生労働省 妊婦健診を受けましょう 妊婦健診Q&A
「病気がみえるvol.10 産科」(メディックメディア),p47〜49
※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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