【医師監修】子供のギャン泣きの理由や対処法、イライラ解決策を紹介
子育てに慣れていないママのなかには、赤ちゃんのギャン泣きに戸惑っている方もいるでしょう。赤ちゃんが何を訴えているのかわからず、オロオロするばかりのママもいると思います。ギャン泣きの理由を知っておけば、ママのストレスも解消しやすいでしょう。どんな理由で泣くのか紹介します。
赤ちゃんのギャン泣き、いつからいつまで?
赤ちゃんの泣き方にもいろいろありますが、火が付いたようにギャーッと泣くことを、その様子から「ギャン泣き」と言ったりします。医学用語ではないのですが、乳幼児期にはよくあることです。赤ちゃんにギャン泣きされると、ママも困ってしまいます。このまま赤ちゃんがいつまでもギャン泣きし続けたらどうしようと、ストレスが溜まってしまうこともありますよね。一体いつまで続くのでしょうか?
ギャン泣きはいつ始まりいつ終わる?
赤ちゃんのギャン泣きは、生後1~2ヶ月ごろがピークというケースが多いようです。その後徐々に落ち着いてきて、生後5~6ヶ月ごろにはだいぶおさまるものです。
ギャン泣きする理由は?
赤ちゃんがギャン泣きするのは、何か訴えているから、とは限りません。
もちろん、お腹が空いた、おむつが汚れている、眠い、暑い、寒いなどの問題がある場合もあります。不快な問題を赤ちゃんは泣いて訴えるため、生後2~3週くらいからギャン泣き始まったりします。この場合、ママが赤ちゃんの対応に対処し、赤ちゃんの欲求を満たすことができれば、ギャン泣きは終わることが多いでしょう。
しかし、何をしてもギャン泣きし続けることもよくあります。そんな時は、「赤ちゃんは泣くのが仕事」と割り切り、赤ちゃんが悪いわけでも、ママが悪いわけでもなく、赤ちゃんはときにギャン泣きするものだということを、まずは知っておきましょう。
抱っこ、授乳、おむつ交換、汗をかいたり冷えたりしていないかの確認など、ある程度対処してもギャン泣きが続くようなら、赤ちゃんが単に呼吸の練習をしているのかもしれません。泣く行為は胸郭を広げ肺に空気を入れる練習のようなもので、胎内にいたときに肺呼吸をしていなかった赤ちゃんにとって、練習が必要なのです。
ギャン泣きを放置したら?
最近のママは赤ちゃんが泣くことに過敏になりすぎて、泣いたら必ずあやさないといけないと考えている方が増えているようです。赤ちゃんは泣くのが仕事で、絶対に泣かせないと神経質になる必要はありません。
赤ちゃんのギャン泣きにイライラしてしまいそうになったら、たとえばベビーベッドの中などの安全な場所に赤ちゃんを置き、隣の部屋や廊下に出るなど、その場を少し離れてリラックスしましょう。少し経って自分の気持ちが落ち着いてから赤ちゃんのそばへ戻って、もう一度問題がないか確認するとよいでしょう。
月齢・年齢別のギャン泣き、特徴と原因
赤ちゃんのギャン泣きは、生後何ヶ月なのかによっても、多少意味合いが異なります。個人差もありますが、目安をお知らせしましょう。
生後1ヶ月までの新生児のギャン泣き
新生児から生後1ヶ月目ぐらいの赤ちゃんは、肺呼吸の練習をしている段階です。胎内では胎盤を通して酸素をもらっていたのですが、生まれると同時に肺呼吸をしなければならず、まだ練習が必要なため、生後しばらくしてからギャン泣きは始まります。
また、このころの赤ちゃんは、泣くことで生理的要求を訴えます。お腹が空いた、おむつが汚れている、暑い、寒いなどと伝えているのです。なかなか赤ちゃんが泣きやまないときには、体調の変化に注意しましょう。風邪の前兆やお腹が痛いなど、どこか不調があるのかもしれません。
生後2~3ヶ月のギャン泣き
生後2~3ヶ月くらいの赤ちゃんは、生理的要求以外の原因でギャン泣きするようになります。「黄昏泣き」「夕暮れ泣き」などといって、夕方に衝動的に大声で泣きわめき、なにをしても泣き止まない、といった状態はこの時期以降徐々に落ち着くことが多いようです。
また、泣けばいろいろな不快なものを解消してくれる人の存在に気が付き、泣くことで助けを求めていることもあります。眠たくても眠れないときや、抱っこされて安心したいときなど、生後2~3ヶ月ころの赤ちゃんの欲求は広がっていくのです。
2歳児のギャン泣き
赤ちゃんの成長とともに、ギャン泣きは減ってくることが多いでしょう。しかし、いったんなくなった激しいギャン泣きが、自我が芽生え始める2歳ごろになって、再びみられることがあります。2歳になるころには言葉が出てきていますが、まだ全てのことを言葉で伝えられるわけではありません。そんなもどかしさからギャン泣きすることもあります。ほかに、弟や妹が生まれたことをきっかけに、一時的に赤ちゃん返りしている可能性があります。
子供のギャン泣き、対処法とイライラ解決策
赤ちゃんは泣くのが仕事だとわかっていても、実際にギャン泣きされてしまえば、ママのイライラも溜まってしまうでしょう。対処法とイライラ解決の方法をいろいろと試してみてください。
ギャン泣きは「抱っこ!」の合図
赤ちゃんがギャン泣きする理由のひとつに、抱っこして欲しい欲求があります。泣いたら必ず抱っこしなければならないとまで思わなくても大丈夫ですが、赤ちゃんが泣いたら、まずは抱っこしてみるだけで、赤ちゃんは安心して泣きやむことがあります。必ずしもママが抱っこする必要はなく、パパやほかの家族が抱っこすることでも、愛情はじゅうぶん伝わっています。ママじゃないと泣きやまないからと毎回ママが手を出さずに、パパに任せる回数を増やしていくことで、赤ちゃんはパパの抱っこにも慣れていってくれますよ。
抱っこ以外のギャン泣き対処法
やさしく揺らしてあげる
スイングラックやバウンサーなどやさしく揺れるものに乗せると、赤ちゃんが安心してギャン泣きが治まることがあります。ただし、とくに首がすわる前の赤ちゃんを激しくゆさぶることは危険ですから避け、あくまでやさしく揺らしてあげましょう。
おなかの中の環境を再現
授乳、おむつ交換、汗をかいたり冷えたりしていないかを確認をしてもギャン泣きするときには、生まれる前、おなかの中にいたころの環境を思い出させてあげるといいことがあります。たとえば、おくるみでくるんであげる、血管を血が流れるときの音に近い「シー」という音を聞かせてあげる、などを試してみてください。ビニールをくしゃくしゃさせる音や、掃除機の音で泣きやむという赤ちゃんもいます[*1]。
環境を変えてみる
環境を変えるのもひとつの方法です。入浴してみる、マッサージする、外に出てお散歩してみる、ドライブに連れ出すなどの対処法があります。赤ちゃんの気をそらすガラガラなど、おもちゃを使ってみるのもよいでしょう。
大声を出す前に! ママのイライラ解決法
赤ちゃんのギャン泣きでママが疲れてしまったら、一緒にお散歩に出かけましょう。外に出ればママの気分転換にもなり、赤ちゃんは周囲の様子を見ながら一緒に楽しめるようになります。赤ちゃんとの散歩がおすすめできるのは、1ヶ月健診を無事に終えるころからです。いきなり長い散歩に連れ出すのは避け、徐々に時間や距離を伸ばしていきましょう。
また、もし、ギャン泣きしている赤ちゃんにイライラして、大声を出しそうになったり、出してしまったときには、安全な場所に赤ちゃんを寝かせ、一度赤ちゃんから離れましょう。深呼吸をし、音楽を流すなどして、気分転換をしてリラックスすると効果的です。短い時間であれば、赤ちゃんを置いて隣の部屋に行くなどしてもいいとされています[*1]。また、家族などにお願いできるようであれば、散歩に連れ出してもらったり、赤ちゃんのお世話は任せて一人で外出するのもいいでしょう。
まとめ
赤ちゃんのギャン泣きは5ヶ月過ぎには落ち着いてくると知り、安心したママも多いでしょう。生まれてすぐはどうしても赤ちゃんもギャン泣きしやすいのですが、次第にママも赤ちゃんの欲求にこたえられるようになり、何より赤ちゃん自身が成長して、ギャン泣きは解消されていくはずです。一緒に上手く気分転換しながら、乗り越えましょう。
[*1]厚生労働省「赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~」 (参照2018-6-21)
※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.25)
※記事の修正を行いました(2019.06.07)