店の商品を触る子に「やめなさい!」と叱るだけでは不十分。どう伝える?『「親のひとこと」言い換え辞典』vol.5
3~6歳児の現役パパママ300人が太鼓判を押した「親のひとこと」ベスト50が一冊に!『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)から、つい子どもに言いがちな言葉のベストな言い換えを紹介。今日からぜひ使ってみてくださいね。
お店の商品を面白がって触る
子どもとのお出かけ、楽しいですよね。でも、子どもがまだ買ってもいないお店のものをペタペタと触ってしまった時はどうしましょうか。
ジロウくんはパパとスーパーで買い物。ママは洋服を見に行っているため、パパだけでジロウくんを見なくてはなりません。
パパがカートを押して買い物をしていると、横にいたジロウくんは鮮魚コーナーで魚の目を押して遊び始めました。
「パパ、これみて、ぶよぶよしてて面白い」
ジロウくんが指で押すので、魚の目がつぶれてしまいそうです。
「同じことされたらどう思う?」と考えさせよう
好奇心が旺盛なのは、子どもの成長過程において非常に大切なこと。いろいろなものに興味を持ち、学んで、生きる力、そして素養を身につけていきます。
でも、お店のものにむやみに触ったり、いたずらしてしまうのは困り物です。
そこで、試してみたいのが、おすすめフレーズのような言い方。もし、自分が同じようなことをされた場合に、どういう気持ちになるか考えさせる方法です。
この言葉の「自分の大切なもの」を、「おもちゃ」のように、普段から子どもが遊び慣れているものに言い換えて伝えると、さらに効果が上がります。
ただ、そういう考え方ができるようになるためには、5、6歳くらいにはなっていないと難しいようです。それまでは、根気強く、何度もくりかえし教えていく必要があります。
それに、子どもは、大人たちが品定めのために商品に触っている姿を見ています。なぜ、自分だけが触ってはいけないのか、なかなか理解できません。
親も精算前の商品には必要最小限しか触らない努力をすることも大切です。
お母さん、お父さんへのアドバイス
購入していないものは、自分たちのものではないことを、まだ理解できない子どもがほとんど。そんな時は、なぜ触ってはいけないのかを言葉にしたい。自分のものではないこと、それと同時に、ほかの人にとっては大事なものだと、教えてあげると効果的!
「自分の大切なもの」という言葉を、子どもの具体的なおもちゃの名前に置き換えて言うと、未就学児でもわかってくれやすいです。うちは、「自分の大事なものを壊されたらどう思う?」で、たいてい納得してくれる。
子どもは好奇心旺盛なので、気長に何度も伝えていきたい。
もっとやる気にさせる応用フレーズ
●ジロウだってお気に入りのおもちゃ、壊されたくないよね
●それは誰かの大事な食べ物だよ
(子どもの声かけ検討委員会・著、堀田秀吾・監修『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典 』(三笠書房)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
>>『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』の
ほかの言い換えフレーズも見る
<関連リンク>
・お出かけ中に騒ぐ子どもがピタッと静かになる"魔法のあそび"『カリスマ保育士てぃ先生の子育て〇×図鑑』
・イヤイヤ期にも効果バツグン! 言うことを聞く子に変わる魔法の言葉『カリスマ保育士てぃ先生の子育て〇×図鑑』
・【駄々こねないで~!(泣)】 子連れ買い物中の「困った…」を解決する方法はこれだった
書籍『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』について
3~6歳までの子どものパパ、ママ300人にアンケートを行い、「どのような声かけをすれば、子どもがやる気になるのか」を徹底調査。
現役のパパ&ママが太鼓判を押したベスト50の声かけが掲載されています。
「ありがとうが、言えない」「嫌いな野菜が、食べられない」「できるのに、やりたがらない」……など、誰もが経験する育児シーンで、言いがちな言葉を効果的な言葉に言い換えて、お悩みを解決。親子のコミュニケーションを楽しめるようになります。
言いがち 「早く起きないと、遅れちゃうでしょ!」
おすすめ 「10数えるうちに起きないと、くすぐっちゃうぞ」
言いがち 「静かにしなさい!」
おすすめ 「ママにだけお話聞かせて?」
言いがち 「ほら、眠いんでしょ」
おすすめ 「じゃあ1分、とりあえず目をつぶってみよう?」
などなど、具体的な声がけの例と先輩パパ&ママのアドバイスが満載です。
堀田秀吾先生のプロフィール
明治大学法学部教授。法と言語科学研究所代表。
専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学など様々な学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。執筆活動においては、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行している。アイドルのプロデュースから全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターなど、研究以外においても多岐に渡る活動を見せている。