「感染症にかかった後、いつから登園・登校できる? 早められない?」小児科医がズバリ回答!
子供は繰り返し感染症にかかるものですが、普通の風邪ならまだしも「学校感染症」になると出席停止になることがあり、子供の行事や保護者の仕事にも差し支えて大変! そこで出席停止の基準、どう対応したらいいのかについて森戸先生に聞きました。
「学校保健安全法」で出席停止となる感染症とは
子供が通常の風邪(上気道炎、胃腸炎)をひいた場合は、熱や下痢などの急性期の症状が治まり、本人が元気であれば、すぐに登園・登校できます。ただし、咳がある場合は、飛沫によって周囲に感染を広げてしまうリスクがあるため、可能な年齢(2歳以上)ならマスクをしましょう。
一方、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの特定の感染症の場合は、症状が治ったからといってすぐに通園・通学を再開できるとは限りません。児童生徒および職員の健康の保持と増進をはかるための法律「学校保健安全法」で出席停止の基準が決まっているためです。
「学校保健安全法」では、出席停止になる「学校感染症」を指定していて、これには第1種から第3種まであります。第1種はエボラ出血熱やペスト、ポリオ、ジフテリアなどの感染頻度は非常に低いものの重篤な病気です。治癒するまで外出を控えることになり、もちろん出席停止となります。
一方、第2種にはインフルエンザや風疹、みずぼうそうなど、第3種には手足口病やヘルパンギーナ、マイコプラズマなどがあり、それぞれ出席停止の基準が決められています。なお新型コロナウイルス感染症は現在、発症後5日が経過し(発症日を0日目とし、翌日から5日間)、かつ症状が軽快した後1日が経過するまで出席停止です。その他の基準についてはこちらの表を確認してください。
どうして出席を停止しないといけないかというと、学校などの集団生活においては感染症が爆発的に広まりやすいからです。そういった事態を防ぐために、臨床研究などによりウイルスや細菌が大量に排出されると考えられる期間ーーつまり周囲を感染させやすい期間は出席しないよう決められています。
ワクチン接種や病児保育を決めておくなどの対策を
お子さんが学校感染症にかかって出席停止になると、ただ心配なだけでなく、いつから通園・通学を再開できるのかとハラハラしますね。お子さん自身の行事やイベントがあるときはもちろん、親のほうも仕事などがあるとずっとみておくのは困難だからです。
以前、診察室で出席停止中のお子さんの保護者の方に「明日は発表会なので、2日早いんですが出させてあげたいんです」と相談されたことがあります。また別の保護者の方に「職場に迷惑をかけていて、もう仕事を休めないんです」と相談されたこともあります。
私自身にも子供がいますし、仕事も休みづらく、どちらの気持ちもとてもよくわかります。なんとかならないかと思いますよね。でも、やはり他のお子さんを感染させてはいけませんし、本人もしっかり治さないといけませんから、出席停止期間は必ず守りましょう。
そして、平時にワクチンで予防できる病気はきちんと予防しておくことが大切です。おたふく風邪、みずぼうそうなどはワクチンを接種しておけば、ほぼかかることはありません。インフルエンザなども感染をしないで済む可能性が高くなります。
また、お子さんが病気のときは誰でも気兼ねなく仕事を休めるといいのですが、なかなか難しいですよね。そんなときのために病児保育や病児専門のベビーシッターを調べておく(事前登録が必要なので当日慌てないように)、夫婦交代で休むよう話し合っておくなどの工夫をするのはどうでしょうか。
子供は急に、そして何度も繰り返し感染症にかかることがありますから、本当に大変ですよね。普段からしっかり手洗いや早寝早起き、ワクチン接種などの対策をし、それでも出席停止になったときにはどうするのかを考えて備えておきましょう!