子どもが偏食、食わず嫌い。何でも食べてもらうには、どうしたらいい? #古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.34
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
パークさん(30歳/学校・教育関連/事務系専門職)
子どもの偏食、食わず嫌いに困っています。基本的にバナナ、りんご、白米、パンなどの果物か炭水化物にしか手をつけず、タンパク質の豊富な肉や大豆などは食べてくれません。私が口に入れても吐き出してしまいます。どうしたら何でも食べてくれるでしょうか?
古坂さんの回答
世界中の親が悩んでいること
「子どもが食事をバランスよく、しっかり食べてくれない」ーーこれはきっと世界中の親が悩んでいることですよね。大人に比べて子どもは好き嫌いがあったり、食わず嫌いをしたり、食べられる量が少なすぎたり、食に興味がなかったりしがちです。
じつは、うちの子も以前は好き嫌いが多く、僕も悩みました。だけど、よく考えたら、僕自身もピーマンは高校生になるまで食べられなかったし、セロリは今でも嫌いだし、キウイはアレルギーがあって食べられません。大人も意外と食べられないものがあったりします。
しかも、今なんか忙しい日は外食ばかりで、牛丼、そば、カレー、ラーメンで暮らしているようなもの。大人とはいえ、あまり体によくないですね。そう考えると、とりあえず果物やご飯を食べてたらいいか……とも思うので、あまり焦りすぎないようにしましょう。
でも、子どもの場合は健康や成長がかかっていますから、大人と同じではダメですよね。ですから、今回はうちの子の好き嫌いを減らすために非常に役に立った画期的な方法をご紹介します。それは食事を「ビュッフェ形式」にすること!
じつは、うちの子の保育園では、給食がビュッフェ形式で出ます。すると子どもたちは全種類を取りたくなるらしく、苦手なものも取って食べていることに気づいたんです。その後、旅行に行ったときのホテルのビュッフェでも同様に、今まで食べなかった料理をおいしそうに食べていることに気がつき、「これだ!」と思いました。
自宅でもビュッフェパーティを!
そこで、うちでは自宅でもビュッフェをすることに。やり方は簡単です。さまざまな料理を、それぞれ別の皿に盛り付け、子ども用の小さなトングを添えるだけ。そして区切りのついたプレートを用意し、自分の食べたいものを取って食べます。
すると、やはりうちの子はいろいろな料理をよく食べたんです。ビュッフェ形式だとよく食べるのは「自分で選んだ」という意識が生じるからだと思います。自分の選んだものだとおいしく感じるし、残してはいけないと思うのではないでしょうか。
さらに子どもが苦手な料理は、好きなキャラクターや色の皿に盛り付けると、より食べやすくなることに気づきました。「プリキュアの皿のも食べよう!」「大好きなブルーの皿のも食べなきゃ!」ってなるんです。
このビュッフェ形式のいいところは、親も楽しめるところ。別に品数が多くなくてもいいし、手作りじゃなくてもいいんです。コストコやスーパー、コンビニで買ってきてもいいし、Uber Eatsで注文してもいい。お皿だって紙皿でもなんでもいいんです。
フライドポテトにカレーやコンソメ、チーズなどの粉をかけるだけでも立派に3種類の料理ができます。冷凍のチキンライスやチャーハン、白米を並べてもいい。うちは薄切りハムをくるくる巻いただけのものにミニトマトを添えて、オリーブオイルをかけたメニューを並べたりします。たったこれだけで楽しそうに、おいしそうになるから不思議です。
ほかにもある! 子どもに食べさせる工夫
そのほか、子どもがよく食べるよう工夫していることのひとつが薄味にすること。子どもは大人に比べて塩分許容量が少ないので、大人と同じ味付けだと濃く感じます。濃い味付けだと、子どもは「濃い!」ではなく、「からい!」と言うんです。ですから「からい!」と言われたことがあれば、少し薄味にするだけでパクパク食べるようになることもあると思います。
次に一緒に野菜を育てて収穫したり、一緒に献立を考えてスーパーで買い物をしたり、一緒に料理をしたりするのもおすすめです。うちの子はサラダスピナーで野菜の水気を切るお手伝いをしてから、サラダを食べるようになりました。自分が少しでも関わると、おいしく感じるようです。
あと、洗濯の手間はかかってしまいますが、そのときの食事に合わせた洋服に着替えるのもおすすめです。たとえば、オムライスなら黄色いワンピースやTシャツに着替えるなどするとテンションが上がって、よく食べることがあります。
一方、外食時には小さなハサミと扇風機を持参しましょう。というのも、まだ口も歯も小さく咀嚼力の弱い子どもは硬いものや大きなものを食べるのが難しいため。それに熱いものは苦手だからです。ハサミで切ったり、扇風機で冷ましたりすると食べることがあります。
こうして手がかかるのも今だけ。本当に大変ですが、割り切ってなるべくラクをしながら、いろいろな料理を食べるよう工夫してみてくださいね。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使、国連環境計画「UNEP」アンバサダーを務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』では5年間MCを務めた。現在は、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」のYouTubeチャンネルを開設。
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(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)