クラスに2人は不登校の生徒がいる時代、不登校傾向にある中学生は約33万人。支援者が伝えたいこと【不登校をチャンスに変える】
新しい年度が始まるこの時期。周りが動き出すなかで、「このままで大丈夫なのかな」と不安を感じていませんか? いま、不登校の子どもは増え続けており、決して特別なことではありません。それでも、わが子のこととなると、焦りや戸惑いは消えないものですよね。
\不登校は、子どもが自信を取り戻すチャンスです/
「このまま不登校が続くのかな」「この子の将来は大丈夫……?」そんな不安や迷いを抱える方へ、不登校を新たな可能性へとつなげる視点をお伝えします。
書籍『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』(著:福田 遼/KADOKAWA)は、元小学校教師であり、オンラインフリースクール「コンコン」代表の福田 遼さんが、これまで培ってきた教育現場での経験や学び、実績をもとに、子どもが自信を取り戻し、幸せに生きていくためのメソッドを具体的かつわかりやすく伝えている一冊です。
今回はその中から、子どもの不登校と向き合うために、まず知ってもらいたい現在の不登校の状況や基本的な情報について、一部抜粋してお届けします。
クラスに2人、不登校生徒がいる時代
どうにかまた学校に行ってほしくて、あれこれ子どもに働きかけている方。
いろいろやり尽くして、子どもの再登校はもう諦めたという方。
「学校に行きたくない」と訴える朝が増えて、不登校を間近に感じている方。
この本を手に取ってくださったみなさんには、それぞれの事情や背景があると思います。それでも不登校という状況に直面し、切実な思いでいるのは、全員に共通していることでしょう。
不登校という現実に、どう立ち向かえばいいのか。自分はなにをすべきなのか。それを考えるために、この第1章ではまず、不登校の現状や、基本的な情報を確認していきましょう。課題解決は、情報の収集と整理から。いろんな角度から情報をながめてみると、必ず活路が見つかるはずです。
「不登校」という言葉は、1990年代頃から世間に広く浸透しました。それまでは、「登校拒否」や「学校恐怖症」などと呼ばれていたそうです。
今では広く知られている「不登校」ですが、その定義をご存知でしょうか? 文部科学省は、「不登校児童生徒」について、次のように定義しています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
これをふまえて、下のグラフを見てみましょう。
不登校児童生徒数の推移
これは、2014年以降の不登校児童生徒の人数の推移を示したグラフです(文部科学省調査※1)。右肩上がりに増えているのがはっきりわかりますよね。
2014年の不登校児童生徒数は12・3万人でした。そして、令和5年、不登校状態の小中学生は、全国で34万人を超えています(文部科学省調査※2)。その数は3倍近くに膨れ上がっているわけです。
現在の不登校者の数を見ると、小学校では48人に1人、中学校では15人に1人の割合で、不登校の子どもがいることになります。
とくに中学校では、40人クラスで2人以上という数ですから、ちょっと想像以上の多さに思われたかもしれませんね。
でも、これは氷山の一角でしかありません。文部科学省の定義に当てはまる不登校だけではなく、実際はもっとさまざまな不登校の形があるからです。
たとえば、「別室登校」。学校には登校しているけれど、教室に入ることができず、保健室や図書室などで過ごす子どもたちを指します。1日中保健室にいる子もいれば、毎日1時間だけ保健室に登校する子など、一口に「別室」と言っても、いろんなパターンがあります。あるいは、給食だけ食べて帰っている子もいますし、特定の授業だけ受けている「部分登校」の子もいます。また、今は学校に行っているけれど、頻繁に「行きたくない」と訴える「行き渋り」のお子さんも多いです。
こんな子どもたちを指して、「不登校傾向がある」と言ったりします。
この本を読んでくださっている方の中でも、むしろこうした不登校傾向の状態に悩んでいる人のほうが多いくらいかもしれませんね。けれど、不登校傾向の子たちは、学校へ「出席」はしているので、年間30日以上の欠席という文部科学省の定義には当てはまりません。つまり、先述した34万人の中には含まれていないんです。
「不登校傾向」の定義は難しいため正確な数字とは言えませんが、ある調査によると、不登校傾向にある中学生は、約33万人にものぼるそう(日本財団調査※3)。長期間学校を休んでいる子に加えて、「隠れ不登校」に悩む子が多く存在しているのです。
では、以上のデータを知ったからといって、「うちの子が不登校になるのも仕方がない」と思えるでしょうか?
きっと難しいですよね。めずらしくないことだとわかっていても、それがわが子のこととなれば話は別ですし、不安に駆られるのも当然のことだと思います。
そして、周囲からの批判の声が、そんな不安を増幅させます。
「学校に行かないなんて、怠けている」
「親の責任なんじゃないのか」
「不登校だなんて、この先どうするんだ」
これだけ不登校の児童生徒が増加した今もなお、理解のない声が止むことはありません。
けれど、ここではっきりお伝えさせてください。
不登校はもう、だれにとっても身近な問題です。いつ、どんな子が、どんなきっかけで不登校になってもおかしくない。それくらい、今は登校をつづけること自体が難しくなっているんです。
従来的な考えにとらわれずに、学校や子どもたちを取り巻く今の実情をしっかり見据えたうえで、不登校と向き合っていく必要があると思っています。
※1 文部科学省『令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』令和6年
※2 文部科学省『令和5年 度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』令和6年
※3 日本財団『不登校傾向にある子どもの実態調査』2018年
※本記事は、『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』<著:福田 遼/KADOKAWA>より抜粋・再編集して作成しました。
続きはぜひ書籍でご覧ください。
