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2026年04月12日 17:31 更新

「お子さんの体が震えて動かなくなった」ーー怠けや甘えではなく、「なぜ行けないのかわからない」“令和型不登校”のリアル

「学校に行きたくない」——その一言に、思わず「どうして? 何があったの?」と原因を探してしまう。そんな親御さんは少なくないでしょう。しかし実は、子ども自身も“なぜ行けないのかわからない”というケースが増えているのです。

\不登校は、子どもが自信を取り戻すチャンスです/
「このまま不登校が続くのかな」「この子の将来は大丈夫……?」そんな不安や迷いを抱える方へ、不登校を新たな可能性へとつなげる視点をお伝えします。

書籍『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』(著:福田 遼/KADOKAWA)は、元小学校教師であり、オンラインフリースクール「コンコン」代表の福田 遼さんが、これまで培ってきた教育現場での経験や学び、実績をもとに、子どもが自信を取り戻し、幸せに生きていくためのメソッドを具体的かつわかりやすく伝えている一冊です。

今回はその中から、現代の“不登校の特徴”について、一部抜粋してお届けします。

不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方,KADOKAWA

原因のない「令和型不登校」が巻き起こす大混乱

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不登校の現状について、もうひとつ、特筆しておきたいことがあります。それは、令和になって、不登校の増え方が変わっていることです。前回の記事で示したグラフをふり返ってみてください。令和に入ってからのグラフの傾きの大きさは、過去のどの時期と比べてもケタ外れです。

長年不登校問題に取り組まれている新潟大学の神村栄一教授は、極端な増加をみせるこの現象を、「令和型不登校」と名付け、著書※1で考察されています。

神村教授が、令和型不登校の特徴のひとつとして挙げているのが、「決定的な困難につながる要因がないこと」。家庭の中にも、学校の中にも、強いストレスや嫌なことがあったとは言えないし、まったくなかったとも言えない。本人の口からも原因らしきものは出てこない。そんな事例が増えているというのです。

ふつう、子どもが「学校に行きたくない」と訴えてきたら、なにか原因があるはずだ、と考えますよね。だから多くの親御さんは「なんで行きたくないの?」「なにか嫌なことがあった?」と尋ねる。あるいは、「もしもいじめられているのなら、解決してあげたい」と考える人も多いでしょう。

でも、神村教授の指摘の通り、実は今、「不登校になるのに別に原因はなかった」という子が増えているんです。たくさんの不登校児童生徒と接している僕の感覚としても、「なんとなく行きたくなくなった」という子は本当に多いです。

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感覚レベルの話だけではなく、データも紹介しておきましょう。

たとえば、文部科学省の調査※2では、小・中学校の不登校の主な要因のうち、もっとも多い51・8%が「無気力・不安」でした。また、認定NPO法人カタリバの調査※3によると、学校に行きたくない理由として、「自分でもよくわからない」「学校に行く意味がわからない」といった声も多く挙がっていました。

そんな子どもたちの声を受けて、「ただの甘えだろう」「怠けているだけなんじゃないか」といった意見が出ることもあります。

けれど、みなさんには決して甘えや怠けではないことを知ってほしいと思います。その証拠に「親御さんが無理やり引っ張るようにして学校に連れて行こうとしたら、お子さんの体が震えて動かなくなった」といった例をたくさん知っています。つまり、言葉にはできないけれど、その子の中には、体が動かなくなるほどのつらさが本当に“ある”のです。

僕は、「自分でもよくわからない」の言葉は、子どもたちの素直な訴えだと思っています。

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加えて、神村教授は、「学校を休むってアリなんだ」と気づいた子が増えた、とも指摘されています。

今は、SNSなどを通して、「学校に行かなくても大丈夫だよ!」と発信する人もたくさんいますよね。先ほど僕が示したような「不登校が増えている」という情報が子どもたちの耳に入ることもあるでしょう。また、コロナ禍で長期間の休校を経験した子どもたちも多いです。あるいは、きょうだいやクラスの友だちなど、不登校の子が身近にいる子もたくさんいます。

つまり、今の子どもたちにとって、「学校を休む」ことはすごく身近で手を伸ばしやすい選択肢になっているんです。

自分の手札に「休む」のカードを持っている状態。その状態で、学校でちょっと嫌なことがあったり、なんとなく気持ちが沈んでしまったとき、パッと「休む」というカードを切ってしまうのは、無理もないことに思えます。子どもたちの中では「我慢してでも学校に行くべきだ」というマインドが薄れてきているのかもしれません。

不登校を選ぶ子が増えて、周りの子どもたちにとっても不登校が身近な存在になった。原因がはっきりしないから、対策を打つのも難しい。じわじわと学校を休むことへのハードルが下がり、学校やクラスの中で不登校が連鎖していく……。

令和という時代の価値観が定着してきた今、そんな「不登校が増える」サイクルができてしまっているのです。

そう考えると、これまでのように「なにか原因があるんだろう」「原因を解決したらまた学校に行けるだろう」と単純に考えるのは、望ましくありません。子どもたちのリアルな声に耳を傾け、新しい視点で、不登校の子どもたちに向き合わなくてはならないのです。言い換えれば、不登校へのサポートは、これまで以上に難易度が上がっていると言えるでしょう。

※1『教師と支援者のための“令和型不登校”対応クイックマニュアル』神村栄一著・ぎょうせい

※2 文部科学省『令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』令和5年

※3 認定NPO法人カタリバ『不登校に関する子どもと保護者向けの実態調査』2023年

※本記事は、『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』<著:福田 遼/KADOKAWA>より抜粋・再編集して作成しました。

続きはぜひ書籍でご覧ください。

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