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2026年06月27日 10:01 更新

「週末にまとめて」は逆効果? 子どもの脳に疲れをためこむNG習慣とは

「共働きで夜が遅い」「習い事や宿題、空いた時間はゲームや動画」「週末に生活リズムが崩れがち」。こうした何気ない日常の背景が、実は子どもの脳疲労を引き起こす大きな要因になっています。日々忙しく過ごすなかで、子どもを脳疲労から守るために、親としては一体どのようなことに気をつけてあげれば良いのでしょうか。

書籍『子ども脳疲労』(著:成田奈緒子/日本文芸社)は、小児科専門医である著者が、現代の子どもに起きているその“見えにくい変化”と、回復に必要な生活習慣を解説した一冊です。

今回は、夜型化のループや平日と週末のリズム差など、子どもの脳疲労の原因となる生活習慣について、一部抜粋してお届けします。

子ども脳疲労,日本文芸社

夜型化すると、子どもの脳は回復できない

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※画像はイメージです

遅寝のリズムは脳疲労をためる

子どもの生活リズムは、思っている以上に家庭の影響を受けています。何時に夕食を取るか、何時にお風呂に入るか、何時に眠りにつくか。こうした流れは、子どもひとりで決められるものではありません。多くの場合、親の生活リズムに合わせて形づくられていきます。

たとえば、仕事で親の帰宅が遅くなると、どうしても夜の時間が後ろにズレ込みます。家族そろって食事をしたい、顔を合わせて話をしたい。そう思うと、就寝時刻はどうしても遅くなります。こうした日々が続くと、知らないうちに夜型の生活が定着していきます

夜型の生活が続くと、脳の回復がなかなか追いつきません。単に睡眠時間が短くなるだけでなく、体内のリズムが整いにくくなるからです。朝は何とか起きられていても、日中の余力が少ない状態が長く続き、「いつも疲れている状態」が当たり前になってしまいます。

夜は、脳にとって大切な回復の時間帯です。この時間帯にしっかり休めない状態が続けば、疲れは翌日に持ち越されます。一日で回復しきれない疲れが、少しずつ積み重なっていってしまうのです。

夜型化に気づいたとき、いきなり早寝させようとする必要はありません。普段遅くに寝ている子どもを無理に早く寝かせようとしても、うまく眠れずかえって負担になります。まずは、朝に早起きさせることからはじめてみてください。最初はなかなか寝覚めがよくないかもしれませんが、習慣化していくうちにスッキリと起きられるようになります。早く起きれば、その分、眠くなる時間帯も早まるため、無理なく朝型化していくことができます。

帰宅後が本来の「回復の時間」になっていない

一番疲れている時間にやることを詰め込んでいないか

学校から帰ったあとの時間は、本来、その日に使った力を回復させるための時間です。体を動かし、頭を使い、周囲に気を配りながら過ごしてきた一日をいったんゆるめ、ここで体と脳が回復に向かえるかどうかがその日の終わり方を左右します。

ところが最近は、この帰宅後の時間が子どもにとってもっとも忙しい時間になっている家庭が増えています。家に着くとすぐに宿題に取りかかり、終わったら習い事へと向かい、それが終われば夕食や入浴、明日の準備と、次々に予定が続いていきます。少し空いた時間には動画を見たりゲームをしたりすることもあります。

一見すると、やるべきことをきちんとこなし、遊びの時間も確保されているため、無理はしていないように思えます。しかし実際には、体も脳も、回復に入る一歩手前で止まってしまっているケースが多く見られます。活動の内容は移り変わっていても、緊張や刺激が途切れず、ずっと動き続けている状態なのです。

とくに動画やゲームは、休んでいるように見えやすいため注意が必要です。本人は気分転換をしているつもりでも、脳は強い刺激を受けています。映像から次々に入ってくる情報や反応を求められる展開は、脳を働かせ続ける要因となりうるものです。座って静かに過ごしていても、内側では切り替えが止まらず、休んでいる実感が得られにくくなります。

大切なのは、帰宅後の限られた時間でどれだけ効率的に物事をこなしたかではありません。やるべきことを早く終わらせることよりも、回復するためのゆとりが、帰宅後の時間に用意されているかどうかが重要です。家に帰ってすぐに何かに取り組みはじめるのではなく、荷物を置いて少しだけ横になったり、ソファでくつろいだりする何気ない時間が、脳を健康な状態へと戻していきます。

詰め込みスケジュールによって、夜型化のループに入ってしまう

回復できなければ、疲れはたまっていく一方

帰宅後を慌ただしく過ごし、体と脳が回復に向かえないまま夜を迎えると、その日の疲れは十分に解消されません。これは特別に忙しい日だけに起こることではなく、日常的に生じやすい現象だといえます。

帰宅後にやることを詰め込めば、入眠に向けた準備も整いにくくなります。それではたとえ睡眠時間を確保したとしても、深く休めたことにはならないのです。その結果、朝を迎えた時点ですでに疲れが残っており、目は覚めていても体が重く感じられたり、起きるまでに時間がかかったりします。こうして回復しきれないまま一日がはじまると、朝から活動するだけで消耗してしまいます。

学校生活では、登校するだけでも体力と気力が必要です。授業中は集中し、休み時間は周囲に気を配り、次々にモードを切り替えながら過ごしています。夕方には、余力がほとんど残っていない状態になります。

夕方に余力がなくなると、踏ん張りがきかなくなり、些細なことで集中が切れたり、感情が揺れやすくなったりします。いうことを聞かなくなる、急に不機嫌になるといった様子が見られることもあります。しかしこれは、性格や態度の問題ではありません。その時点で使える力が、すでに残っていないだけなのです。

そしてその日も同じように慌ただしく夜を迎えると、また回復に入れないまま一日が終わります。この流れが繰り返されることで、疲れは一時的なものではなく、抜けにくい状態として定着していきます

だるさが残るのは、回復が追いついていないことによる自然な反応です。回復できずに一日が終わり、疲れを抱えたまま次の日がはじまる。まずは、この流れに陥っているかもしれないと気づくことが、改善の第一歩になります。

平日と週末のリズム差が疲れをためてしまう

回復はまとめて行えるものではない

疲れを回復するというと、週末にゆっくり休めば取り戻せるものだと考えがちです。平日は忙しいのだから、休日にまとめて休めばいい、という発想はよくあります。しかし実際には、回復はまとめて行えるものではありません。脳は、日々の生活のなかで少しずつ回復し、整っていくものです。週末だけ特別に休もうとしても、十分な回復にはつながりにくいといえます。

ここで注目したいのが、平日と週末の生活リズムの差です。平日、子どもは決まった時間に起き、学校や習い事に向かい、時間に追われながら過ごします。起床、登校、授業、帰宅と、一定のリズムのなかで一日が進んでいきます。一方で週末は、起きる時刻も寝る時刻もズレ、予定が入ったり入らなかったりと、流れが大きく変わります。この差が大きいほど、脳はどこで休めばよいのかわからなくなり、落ち着きどころを失いやすくなるのです。

一見すると、週末は自由で楽な期間のように思えます。時間に縛られず、好きなことができるため、気分転換にもなりそうです。しかし、平日とはまったく違うリズムで過ごすこと自体が、体と脳にとっては大きな負担になりかねません。

毎日ほぼ同じ時刻に起き、同じような流れで一日を終えるという生活が続くことで、脳は「この時間になれば力を抜いていいんだ」と学習していきます。ところが平日と週末で生活リズムが大きく異なると、つくり上げた流れが毎週のように途切れ、また最初から整え直すことになってしまいます

とくに注意したいのは、週末に生活リズムが大きく後ろへズレ込む場合です。明日は土曜日で休みだからと夜更かしをして朝遅く起きれば、体内のリズムは平日とは違う状態になります。日曜日の夜になっても気持ちが切り替わらず、月曜日の朝に再び早起きをすると、脳は急な活動を求められます。この切り替えそのものが負担となり、回復よりも調整に力を使うことになるのです

そして、週末になって活動量が極端に増える場合にも、同じことが起こります。平日は疲れを抱えながら学校に通い、週末には習い事に多くの時間を費やすという過ごし方では、回復に向かう時間が入り込みません。平日と週末のどちらにも、しっかりと力を抜けるようなタイミングがなく、結果として疲れはそのまま残り、次の平日へと持ち越されてしまいます。

平日と週末のリズム差が、疲れをためる

疲れは週末にまとめて回復できるものではありません。平日と週末の差が大きいほど、体と脳は整いにくくなります。

子ども脳疲労,日本文芸社
イラスト:しゅんぶん

楽しい予定が逆に疲れを増やすこともある

また、平日が忙しいほど、「週末にはせめて子どもと一緒に過ごしたい」と考える親御さんは多いです。しかし、週末に予定が詰まり、外出やイベントが続くと、平日の忙しさによって崩れかけていた回復の流れがさらに悪化してしまいます。

もちろん、週末の外出は家族の楽しい時間です。しかし同時に、実は子どもにとっては気を使う時間でもあります。外出そのものが悪いわけではありませんが、予定が続きすぎると平日と同じ忙しい日常が繰り返されてしまいます。周囲に合わせる、指示を聞く、先の予定を意識する。そうした状態が続くと、脳は休まりません。

とはいえ、平日と週末をまったく同じように過ごす必要はありません。ただ、生活リズムの差が大きくなりすぎないように意識しましょう。たとえば、いつも同じくらいの時間に起きる、夜の過ごし方を極端に変えない、何もしない時間を確保する。そうした小さな工夫が、脳に過度な刺激を与えることなく、安定をもたらします。

続きはぜひ書籍でご覧ください。

子ども脳疲労
(2026/06/27時点)

※本記事は、『子ども脳疲労』<著:成田 奈緒子/日本文芸社>より抜粋・再編集して作成しました。

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