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2026年09月04日 07:01

妊娠中にRSウイルスワクチンは接種したほうがいい? 産婦人科医が語る現場のリアル

ファイザーが8月24日に開催した報道関係者向けセッション「Expert Dialogue」に、丸の内の森レディースクリニック理事長で産婦人科医の宋美玄先生が登壇。妊婦健診の現場で見えてきたRSウイルスワクチンへの不安や疑問、接種率向上の背景、そして妊婦が接種を納得して選べる環境づくりについて語りました。

「赤ちゃんにかかってほしくない」が接種の後押しに

丸の内の森レディースクリニック理事長で産婦人科医の宋美玄(ソン ミヒョン)先生
丸の内の森レディースクリニック理事長で産婦人科医の宋美玄(ソン ミヒョン)先生

宋先生によると、RSウイルスワクチンが2026年4月から定期接種となったことで、妊婦の接種率は大きく上昇。ファイザー社が実施したインターネット調査(※1)では、ワクチンの接種時期を終えている妊娠37~40週の妊婦の接種率は、2026年7月時点で85%に達したといいます。

37~40週の妊婦における、RSウイルスワクチン定期接種化前後の接種率の推移(週次)
37~40週の妊婦における、RSウイルスワクチン定期接種化前後の接種率の推移(週次)

では、妊婦さんたちはどのような思いで接種を選んでいるのでしょうか。

調査(※2)で多かった理由は、「出産した子どもにはRSウイルス感染症にかかってほしくないから」「新生児や乳幼児はRSウイルスに感染する子どもが多いから」「重症化すると入院につながる可能性があるから」「健常児でも重症化することがあるから」といったものでした。

RSウイルスワクチンを接種した妊婦さんの主な接種理由
RSウイルスワクチンを接種した妊婦さんの主な接種理由

宋先生は、日々診察する妊婦さんについて「赤ちゃんを守りたいという気持ちは皆さん共通しています」とし、「きちんと情報を知ると、『少しでも赤ちゃんがつらい思いをするリスクを減らしたい』と考えて接種を選ぶ方が多い印象です」とコメントしました。

ママたちが抱える一番大きな不安は「お腹の赤ちゃんへの影響」

一方で、接種を見送った人もいます。

その理由として最も多かったのは、「お腹の赤ちゃんへの影響(安全性)が心配だから」。続いて「母体(自分)への副反応が心配だから」「RSウイルスワクチンが世に出て日が浅く怖いから」といった声が挙がっています(※3)。

RSウイルスワクチンを接種しなかった妊婦さんの主な理由
RSウイルスワクチンを接種しなかった妊婦さんの主な理由

妊婦さんにとって、自分だけでなくお腹の赤ちゃんにも関わる選択だからこそ、不安になるのは自然なこと。

宋先生も、妊婦さんへの診察の中で、「妊娠中にワクチンを打って大丈夫?」「赤ちゃんに影響はない?」という質問を受けることが少なくないといいます。そうした際には、妊婦を対象に行われた臨床試験で安全性が確認されていることや、現時点で母体や赤ちゃんへの大きな影響は認められていないことを説明しているそうです。

丸の内の森レディースクリニックで妊婦さんに配布されている案内用紙
丸の内の森レディースクリニックで妊婦さんに配布されている案内用紙

SNSの情報に迷う前に、まずは主治医へ相談を

また、診療現場では、初産婦と経産婦で反応の違いも感じるといいます。初産婦からは「RSウイルスって初めて聞きました」という反応が多い一方で、経産婦からは「上の子がRSウイルスにかかって本当に大変だった」という声が聞かれることもあるそうです。実際に子どもの感染を経験した家庭ほど、RSウイルス感染症の大変さを実感しているケースが少なくありません。

宋先生がXでRSウイルスワクチンに関する情報を発信したところ、「下の子がかかって入院した」「次男と三男が生後3ヶ月のときにかかり、肺炎になって即入院した」「最近子どもがかかったばかりで大変だった」といった声が寄せられた
宋先生がXでRSウイルスワクチンに関する情報を発信したところ、「下の子がかかって入院した」「次男と三男が生後3ヶ月のときにかかり、肺炎になって即入院した」「最近子どもがかかったばかりで大変だった」といった声が寄せられた

だからこそ宋先生は、「経験したことがないから知らない」のは当然だとしながらも、「妊娠中の段階から正しい情報を届けることが重要」だと話しました。

その背景にあるのが、SNSやインターネットの存在です。

育児や妊娠に関する情報収集でSNSを活用する妊婦さんやパパ・ママも多いと思いますが、宋先生はワクチンについては不確かな情報も少なくないと指摘します。宋先生がSNSで情報発信をすると、今でも「妊娠中に打つなんて怖い」「ただの風邪のワクチンでしょ?」「ワクチンを強制するのか」といった声のほか、「不妊になる」「人口削減計画だ」「遺伝子を変えられる」といった科学的根拠のないコメントが寄せられることもあるのだそうです。

※イメージ
※イメージ

そのため、「インターネット上の情報だけで判断するのではなく、まずは主治医に相談してほしい」と呼びかけます。

特に妊娠中は、家族構成や体調、妊娠経過によって気になるポイントも異なるため、一人ひとりに合った情報を得ることが大切だといいます。

「赤ちゃんを守りたい」という気持ちに寄り添える環境を

講演の最後に宋先生は、「接種という選択肢を知らなかったという人をなくしたい」と語りました。

「赤ちゃんを守りたいと思わない妊婦さんはいません。だからこそ、安全性を含めた情報を分かりやすく伝え、納得して選べる環境をつくることが大切です」(宋先生)

妊娠中のママだけでなく、これから赤ちゃんを迎えるパパにとっても、RSウイルス感染症や予防の選択肢について知ることは、家族で赤ちゃんを守る第一歩になりそうです。

調査概要

※1
調査期間:2026年2月〜7月
調査機関:ファイザー
調査対象:妊娠37~40週の妊婦
有効回答数:1,000名
調査方法:インターネット調査

※2
調査期間:2026年6月
調査機関:ファイザー
調査対象:RSウイルスワクチン接種済みの妊婦
有効回答数:120名
調査方法:インターネット調査

※3
調査期間:2026年4月
調査機関:ファイザー
調査対象:RSウイルスワクチン未接種の妊婦
有効回答数:158名
調査方法:インターネット調査

(取材・文:マイナビ子育て編集部)

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