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2021年01月13日 13:46 更新

【医師監修】妊婦のカラオケ、赤ちゃんへの影響は? 注意したい4つのこと

妊娠すると、それまで当たり前にやっていたことも「やっていいのかな?」と不安になることが多いもの。カラオケもそのひとつかもしれません。大きな声を出したり、力んで歌ったりすることは、お腹の赤ちゃんに影響しないのでしょうか。

妊娠中のカラオケは大丈夫?

妊娠中にカラオケで歌う女性
Lazy dummy

「趣味はカラオケでストレス発散!」という人もいるでしょう。妊娠中もそうしたいけれど……本当に行っても大丈夫なのでしょうか。

体調が良ければ問題なし

音楽を聴いたり、歌ったりすることには心を癒やす効果があるといわれています。何かと制限が多い妊娠中、「カラオケで歌ってスッキリしたい」と思うのは、自然なことです。

妊娠中のカラオケについては、経過が順調で、医師から安静にするような指導を特に受けていなければ、基本的に差し支えありません。体調が良く、歌って元気になりたい場合は、カラオケに行って楽しんでもとくに問題はないでしょう。

ただし、非妊娠時と比べて声が出しづらいと感じるかも

ただし妊娠中は、いつもと比べて歌いづらさを感じることがあるかもしれません。じつは妊娠中の身体の変化は、声の出し方にも影響を与える可能性があるようなのです。

個人差は大きいのですが、妊娠中の女性は非妊娠時と比べて、エストロゲンなどのホルモンの分泌量が大きく増えることで、声を出す声帯が腫れて振動しにくくなることがあるといいます。つまり、同じ音域を発声するのにも、より力を入れて息を吐く必要があるのだそう。

そのうえ、妊娠中は腹部で子宮がふくらんでいくので腹式呼吸は困難になり胸式呼吸をすることになりますが、赤ちゃんに横隔膜が押し上げられ、肺の大きさは通常時より小さくなるので、息切れなどが起こりやすくなります。

そのため、中には「あれ? なんだか歌いづらい……私、歌がへたになったのかも」と落ち込む人がいるかもしれませんが、妊娠による一時的な変化の可能性が考えられます。あまり気にしないようにしましょう。

妊娠中、カラオケをすることによるリスクはある?

お腹を押さえる妊娠中の女性
Lazy dummy

カラオケは大きな声を出したり、力んだり、大音量で音楽を聴いたりするので、身体への影響が心配になることもあります。リスクはあるのでしょうか?

お腹に力が入るのが心配

大きな声で歌おうとすると、どうしてもお腹に力が入ってしまいます。その時にかかる腹圧が、流産や早産を引き起こさないか心配する妊婦さんもいるでしょう。しかし赤ちゃんは子宮と羊水によって守られており、普通に歌う程度の腹圧の上昇であれば心配はないでしょう。

胎教によくない!?

一方、カラオケボックスでは大きな音で音楽がかかります。妊娠中に聴く音楽……というと、胎教でよく勧められるような、クラシック音楽や川のせせらぎなどを穏やかに聴く場面を想像することが多いかもしれません。カラオケで歌われる曲は、そういったものとはだいぶ異なるので、赤ちゃんへの影響を心配する人もいるでしょう。

ですが、そもそもお腹のなかの赤ちゃんにクラシック音楽や川のせせらぎを聴かせると良い効果があるのかどうか、ということ自体が定かではありません。それよりも、妊娠中はママがリラックスできることのほうが大切です。なぜなら、妊婦さんがストレスを受けると、お腹の赤ちゃんにさまざまな影響があると言われているからです。

カラオケによってママがリラックスし、ストレスを発散することができるのであれば、音楽の種類について気にする必要はありません。

妊娠中にカラオケに行く際の注意点

カラオケでマイクを持つ女性
Lazy dummy

いろいろな面でいつもと違う妊娠中、カラオケに行く際はどんなことに注意しておけばよいのでしょうか。

【1】音量は控えめに

先ほど音楽の種類はあまり気にしなくて良いという話をしましたが、妊娠中、大音量で音楽を聴くことはあまりおすすめできません。

胎児の聴力は妊娠24週までに完成すると言われており、お腹のなかに音はよく伝わっています[*1]。そして、あまりに強烈な音の刺激が長時間続くと、赤ちゃんの血管や脳の発達になんらかの影響を及ぼす可能性があるといわれているからです[*2]。

過度な心配はいりませんが、「つい音を大きくしてしまう」という傾向のある人は、妊娠中は意識して音を控えめにしたほうがよいかもしれません。

【2】時間を決める

妊娠中の身体は思った以上に疲れやすいもの。いくら楽しくてリラックスできても、あまり長時間になると身体に負担がかかります。

あらかじめ時間を決め、長時間になりすぎないよう、適度に楽しみましょう。

【3】人との衝突や転倒には十分注意を

またカラオケ店の廊下は狭いことが多く、人との接触が起きることもしばしばあります。特に夜間は、酔っている人も多く出入りしますので、衝突してしまうこともありますし、こぼした飲み物に滑ってしまうこともあります。また、暗い照明で足元が見えにくくなり衝突や転倒をしてしまうおそれも。

妊婦さんはお腹が大きくなるにつれ、上半身を反るような姿勢に変わり、重心も変化します。バランスを崩しやすくもなるため、じゅうぶんに注意しましょう。

【4】体調の変化にも気を付けて

元気だと思っていても、妊娠中は体調が急変することも少なくありません。体調の変化に注意し、気分が悪くなったら我慢せずに休憩する、予定より早めに切り上げるなどの対応を。保険証と診察券、母子手帳も携帯しておきましょう。

そのほかタバコの影響も心配です。2020年4月1日以降、飲食店は原則禁煙になりますが、その前であっても部屋は禁煙ルームを指定するようにしましょう。

「おうちカラオケ」という方法も

外出せず、自宅でカラオケが楽しめるサービスを利用するという方法もあります。騒音で近所迷惑にならないよう配慮は必要ですが、こうしたツールを使って、おうちカラオケを楽しんでもいいかもしれませんね。人気のサービスをいくつかご紹介しましょう。

カラオケ@DAM

人気の通信カラオケ「DAM」が自宅でも、スマホやPCなどのさまざまな機器で楽しめます。登録曲数は13万曲以上。テレビ番組でおなじみの採点機能も搭載されています。

カラオケJOYSOUND for Nintendo Switch

Nintendo Switch専用のカラオケソフト。一人カラオケからみんなでワイワイ楽しむパーティーまで、楽しみ方はいろいろです。14万曲以上からの選曲はスマホアプリからも可能で、誰かが歌っている間に次の選曲をしておくこともできます。まさに自宅がカラオケボックスになったような気持ちで楽しめそう。

カラオケ! 好きなだけ歌いましょう

100万曲以上のなかから選曲できる、カラオケ練習用のスマホアプリです。音声の録音はもちろん、ビデオ付きの録音ができたり、エコーやミックス、歌声の調整ができたりなど、機能も盛りだくさん。ユーザー同士の歌声が聞けるSNS機能もあります。

まとめ

妊娠中でも医師から安静の指示が出ていなければ、カラオケを楽しむことは可能です。体調の変化に注意しながら、たまには思いっきりストレスを発散するのもよいですね。

(文:山本尚恵/監修:浅野仁覚先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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