焼きそばの離乳食はいつから?食べやすくするポイントと赤ちゃんにおすすめのレシピ【管理栄養士監修】
使う具材や味付けによってさまざまな楽しみ方ができる焼きそばは、各家庭の味があったりしますよね。「一緒に食べたいけれど赤ちゃんにいつから食べていいの?」「味付けはどうしたらいいの?」と思ったことはありませんか。離乳期の赤ちゃんに焼きそばを与えるときに押さえるべきポイントと、赤ちゃんでも食べられるレシピをご紹介します。
焼きそばの離乳食はいつからOK?
野菜と麺を炒めれば完成する焼きそばは家庭でも作りやすいメニューの1つですよね。赤ちゃんと一緒に食べられるのはいつごろなのでしょうか?
焼きそばは完了期から
赤ちゃんにとって焼きそばの麺は硬く噛み切るのが難しいです。離乳完了期を過ぎてからにすると安心でしょう。
また、麺には中華麺特有の風味やコシを生む「かんすい」や、その他の添加物が使われています。食品添加物の安全性や使用については国の規格があるので食べても大きな問題にはなりませんが、離乳完了期である1歳を過ぎてからにしましょう。
参考▶厚生労働省:食品添加物
1回量の目安
焼きそばの麺は1回あたり80gを目安に、お子さんの状態を見ながら調整してください。
関連記事▶離乳食で中華麺は食べさせていい?完了期レシピ
焼きそば以外の麺類の開始時期は?
うどん、そうめん |
中期から使いましょう。乾麺は塩分が多いのでゆでてからよく水洗いを。 ▶うどんの記事 ▶そうめんの記事 |
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スパゲッティ、マカロニ | 中期からでも可能ですが、後期になってからがおすすめ。弾力があるので長めによくゆでて軟らかくします。つるっと喉に入りやすいので、あげるときはお子さんをよく見てあげてください。 ▶スパゲッティ・マカロニの記事 |
そば |
アレルギーの心配があるのであげる時期は1歳半過ぎを目安にするといいでしょう。 ▶そばの記事 |
はるさめ、ビーフン | 中期から使えますが、軟らかくなりにくいので後期からがおすすめ。 |
なお、麺をゆでるときの軟らかさ(硬さ)の目安ですが、中期は豆腐、後期はバナナ、完了期は肉だんごくらいです。それぞれの時期に見合った軟らかさにしてあげましょう。
離乳食の焼きそばのポイント
大人と同じ味付けや硬さの焼きそばは、まだ赤ちゃんには食べられません。完了期には取り分けをしたりもすると思いますが、赤ちゃん用には少し手間をかけてあげましょう。
下ごしらえ|麺は軽くゆでてから使う
市販されている焼きそば用の麺は、蒸し麺が主流です。蒸し麺は表面に油が使われているので、下ごしらえとして軽くゆでて余分な油を取り除いてあげましょう。
食べやすさ|硬さ・長さ・とろみの工夫
食材が硬い場合、赤ちゃんはよく噛めずに丸呑みしてしまう危険があります。麺に弾力があったり硬い場合、下ごしらえで油を落とすときに、ゆで時間を長めにして軟らかくしてあげましょう。麺の長さもそのままでは赤ちゃんには長いので、2cmくらいの長さに。また、あんでとろみをつけると口当たりがよくなり食べやすくなります。
味付け|大人の半分以下が基本
焼きそばは味付けの濃い料理なので、赤ちゃん向けには薄くする必要があります。離乳完了期には主な調味料が使えますが、それでもまだ薄味が基本です。
ソースは離乳食に使ってもよい?
焼きそばといえばなんといってもソース味ですが、ソースには香辛料なども入っているため赤ちゃんには刺激があります。また、味も濃いので避けられるとよいでしょう。
味付けをしたい場合には塩味や醤油味の焼きそばの方がおすすめです。その場合も塩や醤油は大人の半分以下、なるべく少量の使用に留めてください。あるいは、1歳から使えるソースも売られているので、そうしたものを活用してもよいですね。
焼きそばの離乳食レシピ|完了期
1歳からの離乳完了期向きレシピのご紹介です。食べられる量や硬さ、大きさは子どもによって違いますので、様子を見ながらお子さんのペースに合わせて進めてくださいね。
とろみで食べやすい!あんかけ焼きそば
・焼きそば用麺 80g(2/3袋)
・鶏ささみ 20g
・白菜(芯を取り除いて) 30g
・にんじん 10g
<あんかけ>
・だし汁★ 大さじ3
・醤油 2滴
・水溶き片栗粉(片栗粉1:水1) 少々
■作り方
① 焼きそば用麺は2cm長さに切って湯通しをしてから皿に盛り付ける
② 白菜とにんじんは1cm大に切る。鶏ささみは1cm大の薄切りにする
③ 鍋でだし汁を温め、②と醤油を加え、食材に火が通るまで煮る
④ 水溶き片栗粉でとろみをつける。①にかけたら出来上がり
★簡単なだしのとり方
あんかけに使うだし汁は市販のものでは塩分が多いので手作りしてあげましょう。とても簡単にできます。
【方法1】
コーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットして鰹節を入れ、コーヒーをドリップする要領で熱湯を回しかける。
【方法2】(少量のだし汁を作りたいとき)
熱湯1カップ(200cc)にかつお節5gをふり入れ1~2分おき、かつお節が沈んだら茶こしでこす。
あんかけにすると、ささみなどもそもそした食感の食材も食べやすくなります。
だし汁は多めに作って製氷皿タイプの冷凍容器などで冷凍しておくと、使いたいときにすぐに使うことができて便利です。
レンジ調理で簡単!焼きそば
■材料(1回量)
・焼きそば用麺 80g(2/3袋)
・豚ロース肉(赤身)の薄切り 20g
・キャベツ 20g
・にんじん 10g
・玉ねぎ 5g
・もやし 5g
■作り方
① ボウルのような深めの耐熱容器に、それぞれ1cm大に切った野菜を入れ、ひたひたになる程度の水(分量外)を入れてラップをし、電子レンジ(600W)で5分加熱する
② 豚肉は1cm大に、焼きそば用麺は2cmの長さに切る
③ ①に豚肉、麺の順番で②を加えてラップをし、電子レンジ(600W)で2分加熱する
④ 容器の中で全体を混ぜてからざるにあげて水気を切れば出来上がり
加熱と麺のゆでこぼしが同時にできるだけでなく、野菜の甘みと香りが麺に移り、味付けをしなくてもおいしく食べられます。
手づかみ食べに!焼きそばのおやき風
■材料(1回量)
・焼きそば用麺 70g(1/2袋)
・お好みの野菜 40g
・かつお節 2つまみ
・小麦粉 大さじ1
・溶き卵 1/2個
・ごま油 少々
① 焼きそばは2cm長さに切ってゆでこぼす。野菜は1cm大に切ってゆでたあと、水気を切っておく
*野菜をゆでて軟らかくしておくと、あとの作業が楽になります
② ①、かつお節、小麦粉、溶き卵を混ぜ合わせる
③ フライパンにごま油をひき、生地を6~8等分に分けて小さな丸形にして焼く
手に持って口に運ぶことで自分で食べる楽しみを覚えていきます。「自分で食べられた」という体験が、お子さんの自信になりますよ。生地を焼き固めることで手で持ちやすくなります。
大人の焼きそばを取り分けるとき
大人の焼きそばから赤ちゃん用を取り分けるときは、味付けをする前に赤ちゃんの分を取り出しましょう。焼きそばめんは2cm長さに、野菜や肉などの具材は1cm大に切り鍋で湯がきます。水気を切ったら味付けをしてあげてもかまいません。醤油なら2滴くらいでいいですよ 。
まとめ
1歳ごろの赤ちゃんは、まだ食べ物を口に入れて噛む練習中です。焼きそばを与える場合は月齢にあった硬さや長さにし、薄味を心がけるなど、赤ちゃんの食べやすい状態にしてあげましょう。離乳食の進み具合はそれぞれ違いますので、赤ちゃんのペースで進めてください。焼きそばは、いろいろな具材を盛り込むことができ、さまざまな味を楽しんで経験できるメニューです。ぜひ家族で食卓を囲み、赤ちゃんの顔を見ながらパパやママも一緒に食事を楽しんでくださいね。
(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです