兄弟喧嘩がひどい家庭必見!最低限守らせる4つのルールと親介入タイミング【教えて保育士さん】
兄弟姉妹の子育てをしている親御さんと話していると、必ずといっていいほど口から出てくる「喧嘩ばかりしている」という言葉。朝から晩まで一日中兄弟喧嘩をしていてもううんざり……というママパパもいますよね。兄弟喧嘩のメリットや子どもの成長の機会にするコツ、これは逆効果という親のNG行動を紹介します。
兄弟喧嘩、止める?見守る?
アンケート調査で、兄弟喧嘩があったとき親がどう対応しているかを聞いたところ、7割の「まずは何もしないで様子を見る」と答えました。ほかにも「言い分を聞く」「叱る」「すぐに止める」などの選択肢がありますが、介入する・しないはどちらが良いのでしょうか。
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※この記事では姉妹も含め「兄弟」と表記します。
■調査対象:2人以上の1〜15歳の子供がいるママ・パパ ■調査期間:2022年7月7日~7月9日 ■調査人数:113人 ■調査方法:インターネットアンケート
※2人以上の兄弟姉妹がいる場合は、もっとも接触の多い2人について回答
親は「できるだけ介入しない」のがおすすめ
“兄弟喧嘩をすぐに止めに入る“
”親が間に入って、大人中心で解決する“
というかかわり方は、子育てをする中で、親が子どもをコントロールしようとしていることにもなります。自分の子どもとはいえ、親とは別の人間で、それぞれが個として尊重されるために、できるだけ兄弟同士で解決できるといいですね。
しかし、兄弟喧嘩がヒートアップしてくると、激しい罵り合いになって聞いている親のストレスになることや、軽く叩く程度から始まり気づいたら殴り合いになっている……なんていうことも。子どもは未熟ですから、そのようなときは保護者の介入も必要でしょう。
我が家の兄弟喧嘩ルール<11例紹介>
暴力や言葉、そして仲直りまで、ご家庭ごとにルールを設定しているようですね。
(mamaco)
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▶︎こんなに兄弟仲が悪いのはなぜ?4大原因と親ができる7つの対処法【教えて保育士さん】
激しい兄弟喧嘩……最低限守るべき4ヶ条
できるだけ子どもたちで解決できるようにするために、最低限のルールを兄弟間や家族の中で決めておくことをおすすめします。
その1. 首から上は攻撃しない
喧嘩がエスカレートしてくると、どうしても手が出てしまうこともあるでしょう。
幼稚園教諭をしているとき、臨床心理士さんから
「首から上は人間の大切な機能がつまっている場所であるため、親と”先生”と呼ばれる人(教師、医師など)以外触ってはダメと子どもに伝えましょう」
と指導されました。
目に何か入って視力に影響が出たり、首の神経を傷つけたり、脳に障害を負ったりという危険があり、これは絶対に避けたいですよね。兄弟なので「触らない」とまでは言わなくてもいいでしょうが、攻撃するのは禁止しておくと安心です。また、首から上を禁止することで、”首を絞める”という危険な行為も避けることができます。
首から上以外にも「お腹はダメ」などと具体的に決めているご家庭もあるようですね。
(mamaco)
その2. 蹴るのはサッカーボールだけ
これも、臨床心理士さんから教えてもらったことです。”蹴る”という行為、子どもは何の気なしにやってしまいがち。臨床心理士さん曰く、蹴るという行為はとても危険で非道なこと。蹴られると、当たり所が悪ければ大けがや死に繋がることもあります。
また、床に寝転んだりうずくまったりしている人を蹴るのも、絶対に避けたいこと。無抵抗の人を蹴るのは最低の行為と、しっかり認識してもらいましょう。
(mamaco)
その3. 道具は使わない
家の中にはいろいろな物があり、素手で敵わないと感じるとついつい物を使って攻撃してしまうかもしれません。しかし、物を使うことで、重大な怪我に繋がるリスクも上がりますし、片方だけ物を使っているとしたらとても卑怯です。また、本来の役割以外の用途で物が使われることも、できれば避けたいところです。
道具を使うのはNGというルールにすることで、物を投げる行動も制限できます。物を大切にするということも伝えていきたいですね。
(mamaco)
その4. 一方的に攻撃しない
アンケートでは、「暴力はダメ」というルールを設けている家庭が半数以上で、暴言を禁止している家庭も少なくありませんでした。
言葉であれ暴力であれ、一方的に攻撃するのはもう喧嘩ではありません。相手の言い分を聞くことの大切さも伝えていけるといいですよね。
ただし、相手を無視するという攻撃方法もあるので、このような場合は喧嘩の後のルール(ルーティン)まで考えておけるといいかもしれませんね。
子育てに正解はないので、それぞれの兄弟関係、年齢差などご家庭に合ったルールを決めていくといいでしょう。
(mamaco)
子ども同士でルールをつくらせるのもおすすめ!
親は、命にかかわるような最低限のルールのみ決めて、あとは子ども同士で決めさせるのもおすすめです。たとえば、「叩くのは3回まで」「握手したら仲直りの合図」など、子どもなり一生懸命考えたルールだと、親が決めたルールよりも守ろうとする気持ちが強くなる場合もあります。
子どもに自治をさせるというのも、子育てのコツにひとつですよ!
(mamaco)
子どもの成長に良い!? 兄弟喧嘩の4つのメリット
親としてはうんざりかもしれませんが、実は、兄弟だからこそ学べることもたくさんあります。そんな兄弟喧嘩のメリットや、どうしたら上手く成長につなげられるかという子育てのコツを紹介します。学びにつなげることで、兄弟喧嘩が減ることにもつながりますよ。
① 我慢を学べる
兄弟だから、遠慮なしに言い合うこともあるでしょう。しかし、言いたい放題言っていると相手を傷つけてしまうこともありますよね。喧嘩を繰り返すことで、「これは言っては良くない」だとか「ここは相手の気持ちを優先しよう」などと自主的に我慢することを学んでいくことができるかもしれません。
② 手加減を知れる
幼稚園や保育園だと、他人のお子さん同士を好き放題に喧嘩させるわけにはいきません。特に、手が出ることは絶対にダメなので、すぐに止めなければいけません。しかし、兄弟間だと、口調が悪くても多少手が出ても、ある程度親が見守ることができますよね。言われたら嫌な言葉や、叩かれる痛みも経験することができます。
手加減を知らないまま成長すると、身体が大きくなった分、一殴りで命に関わるような大怪我に繋がることもあります。
(mamaco)
③ コミュニケーション能力が伸びる
兄弟同士であれば、喧嘩してもそれっきりになることはなく、どうしても顔を合わせますよね。そうなると、自然と仲直りしたいなと思えたり、相手を許す気持ちになったり、自分の非を認めることができたりします。
「嫌なときはこうやって伝えればいいんだ」
「これをすると相手を傷つけてしまうんだ」
「言い方一つで感じ方が違ってくるんだ」
などなど、喧嘩から学ぶことも多いですし、経験しないとわからないことってたくさんあります。喧嘩して仲直りして……という経験を繰り返すことは、人とのかかわり方を学べる絶好の機会ですよ。
④ 自分を知れる
本音でぶつかり合う経験を繰り返すと、
「これをされたら自分は嫌だな」
「こんな状況だとうまく話せない」
「こういう言い方させると意地を張っちゃうな」
「こういうときは、こうすると落ち着くな」
などなど、自分の性格やパターンがわかってきます。自分を知ることで、自分がキレそうになる一歩手前で回避できたり、違う方法を考えたりなど、人とのかかわりの中で生かせる、自分なりの解決法を見つけることできるかもしれません。
親ができる「いい兄弟喧嘩」への導き方
兄弟喧嘩、できれば減らしていきたいですよね。兄弟喧嘩うまく活用し成長することができれば、喧嘩の回数が減ったり、激しい喧嘩にならずに済んだりしますよ。
✅ 子ども同士で解決させる
まずは子ども同士で解決できるよう見守るのがいちばんでしょう。子ども同士で解決することができれば、譲り合ったり、喧嘩になる前に話し合ったりと自分たちで考えて行動することができるようになるでしょう。
らちが明かないなというときはもちろん親の介入も必要ですが、親が解決するのではなく、子ども同士で解決できるようにサポートするという姿勢が大切です。
ママやパパが兄弟の話をなんとなく聞いて判断し、「弟くんがよくないね。謝ろう。はい、仲直り」と解決してしまうのは避けましょう。
(mamaco)
子ども同士で解決できるようにするための対処法
子どもたち同士で解決するためには、お互いに気持ちが言い合えるようにサポートすることが大切です。「お姉ちゃんはどんな気持ち?」と気持ちを引き出したり、「妹ちゃんはこんな気持ちだったみたい」と、うまく言葉で言えない子の気持ちを代弁して伝えたりして、お互いの気持ちを理解できるようにしていくといですよ。
あくまでもサポート役なので、親は自分を通訳のように思っておくといいかもしれませんね。
(mamaco)
✅ 話し合いの機会を設ける
兄弟喧嘩など、問題が起きたことについて、話し合う機会を設けることもおすすめです。これは、幼稚園ではよくやることですが
・仲間に入れてくれなかったことに対して、どうしていくか
・おもちゃを独り占めすることについて、どう思うか
・喧嘩のルール決め
などなど、子どもたち同士で知恵を出し合い考えて歩み寄ることで、子どもは驚くほど成長します。もちろん、司会進行役として親のサポートは不可欠ですが、あくまでも子ども主体で、親ではなく子どもたち自身で決めたという気持ちがもてるようにしていきましょう。
上手な話し合いのポイント
起きたことを事実としてあげ、それについて一人ずつ、気持ちや意見、解決法などを話します。紙に絵をかきながら話を進めていくと、幼い子でも理解しやすいですよ。
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喧嘩がこじれる原因に! 親がしがちが4つのNG行動
兄弟喧嘩を親がこじらせてしまったり、普段の親のかかわりが原因で兄弟喧嘩をしやすくなったりしている場合も。やめてほしい親のNG行動を紹介します。
【1】どちらかの味方をする
兄弟喧嘩でありがちなのが、親がどちらかの肩をもってしまうということ。特に、お兄ちゃんお姉ちゃんなど、上の子が責められる場合が多いです。どちらか一方の言い分のみを聞くことで、もう片方の不満は溜まる一方で、兄弟仲が余計にこじれてしまう場合があります。
特に、上の子にとって「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」という言葉は禁句。年子や2歳差、5歳差などいろいろありますが、どんな差であれ、子どもであることには変わりません。生まれて3年しか経っていないのにいきなり「お姉ちゃんだから我慢して」という理由を付けられても、納得いくはずがありません。もちろん、下の子に対して、相応の理由なく「弟だからダメ」と我慢させるのもよくありません。
わたし自身、幼い頃に妹と喧嘩をすると自分ばかり怒られたり我慢させられたりしたことがとても嫌だったのを、今でも覚えています。上の子だからという理由で自分を尊重してもらえないと、下の子に優しくすることなんてできませんよ~。
(mamaco)
【2】どちらが悪いなど決めつけて話を聞く
端から聞いていて、明らかにお兄ちゃんが悪いな……と思うこともあるかもしれません。しかし、お兄ちゃんにはお兄ちゃんなりの気持ちがあり、言い分があります。決めつけて話を聞くのではなく、まっさらな気持ちでお互いの言い分をしっかりと聞き、受け止めましょう。
【3】親の判断で解決する
親は裁判官ではなく、ただのサポート役。言い分を平等に聞き、受け止める、共感する、それだけ。当事者ではないのに、どちらが悪いと判断したり勝ち負けを決めたりするのはやめましょう。
【4】仲直りできないことを責める
これ、意外とやりがちです。大人であっても、ぶつかり合ったとき、すぐに解決できるとは限りませんよね。むしろ、大人の方が、喧嘩してそれっきりなんてこともあるのでは?
大人から見たら些細なことかもしれませんが、子どもの喧嘩の理由は本人にとっては一大事。こんな小さいことなんだから、と言う思いがあると「何で仲直りできないの!」と責めてしまいがち。子どもが真剣に悩み、考え、それでもすぐには仲直りできないと意地を張ったり葛藤したりしている姿を認めてあげるようにしましょう。あんなにいがみ合っていたのに気づいたら仲直りしてる、なんてこともありますよ!
「どっちがママの右手と繋ぐか」で揉める兄弟いますよ。子どもにとっては大事なので、そんなことで……と思わずに見守って!
(mamaco)
まとめ
「喧嘩するほど仲が良い」ともいいますが、一日中兄弟喧嘩を見ていると、親の方もイライラしたりストレスの原因になったりするかもしれません。そんなときは、兄弟喧嘩のメリットを思い出し、「今子どもたちは大切なことを学んでいるぞ」と思うことができれば、少しは気持ちが楽になるかもしれませんね。ただし、危険事態を避けるためにもある程度のルールづくりはしておきましょうね。
(文:mamaco)
※画像はイメージです