スプーン・フォーク練習のコツとは? 赤ちゃん・幼児への教え方
離乳食がスタートしている赤ちゃんや幼児へスプーンやフォークの使い方をどのように教えたらよいのでしょうか。自分で食べられるようになったら、さらに食への興味がわいたり、成長する姿が見られるかもしれません。練習のコツや練習向きのメニューなどもみていきましょう。
スプーン・フォークの練習を始めよう
いつごろから始めればよいのか、また練習の進め方や準備、スプーン・フォークの持ち方などをお伝えします。
スプーン・フォークの練習はいつから?
特に決まりはありませんが、離乳食の完了期でもある1歳から1歳半頃にスプーンやフォークを与えるママが多いようです。完了期よりも前にスプーンやフォークに興味を抱き、持ちたがるようでしたら与えてなれさせていくのもよいでしょう。
スプーン・フォークの練習までに手づかみ食べをしっかりさせよう
離乳食が進み、9ヶ月ごろになると食に興味をもち、自分で食べたいという意欲がある子は”手づかみ食べ”をするようになるでしょう。手づかみ食べをすることによって「食べ物の固さや大きさ」「つかんだ食べ物の温度」「一口がどれくらいの量か」「自分の食べるペース」などがわかるようになります。これらの経験から手先が器用になり、スプーン・フォークへ移行がスムーズにできるようになると言われているのです。
スプーン・フォーク練習の進め方・教え方
(1)まずは環境を整える
最初は上手にスプーン・フォークを使えないので「こぼす」「落とす」「おもちゃにして遊ぶ」などは日常茶飯事となるでしょう。後片付けを少しでも楽にするために床にはビニールシートや新聞紙を敷くと汚されても安心ですよね。また腕までカバーするエプロンやポケットタイプ、洗うのが簡単なシリコンタイプのエプロンをつけるママも多いようです。いつでも口や手をふいてあげられるようおしぼりやウェットティッシュなども常備しておくと安心ですね。
(2)ママが赤ちゃんの口にスプーンで運ぶ
まずはママがお手本を見せてあげましょう。スプーンを持って食べ物をすくうところから、赤ちゃんの口に運ぶところまでを言葉にしながら示していきます。ママの姿や言葉から学んだりマネをしていると大まかな動作を覚えていくようです。
(3)ママが食べ物をすくってスプーンを手渡ししてあげる
赤ちゃんにとってスプーンで食べ物をすくうという動作はとても難しいものです。スプーン・フォークを使う練習始めのころはママが食べ物をすくい、食べ物がのったスプーンを手渡ししてあげるのがよいでしょう。その際、手を添えて口まで運んであげるなどサポートを繰り返すのがポイントです。フォークも安全に使えるようになるまで、一緒に練習を繰り返してください。口までの軌道を強く矯正しないように気をつけましょう。
(4)赤ちゃんに任せてみる
自分でしっかりスプーンを握り、赤ちゃんの手を添えているママの手に頼ることなく口に運べるようになってきたなと感じたら完全に一人で食べさせてみてください。なれてきたら、食べ物をすくうところから任せてみましょう。
スプーン・フォークの持ち方を教えよう
(1)最初はわしづかみ(上手持ち)でOK
わしづかみはスプーンやフォークを使い始めの赤ちゃんによく見られる光景ですよね。まだ手先の動きが未熟で力が弱い赤ちゃんは、柄の部分を上から持ち、腕や肘を使って口に食べ物を運ぼうとします。大人から見るとはじめは不自然な持ち方で正しくないと神経質になりがちですが、温かく見守りましょう。自分で食べたいという意欲の邪魔をしないためにも最初は持ち方を無理して直す必要もないようです。わしづかみでは食べづらいことを自らだんだん学んでいくでしょう。
(2)スプーンになれたら逆手(下手持ち)にしてみる
スプーンを使うことになれてきたら、わしづかみしている手首を反して下から握る形にしてあげてください。この時、反対の手はお皿に添えるように教えると、逆手も自然に習慣づくようです。指先が細かく動かせるようになったり、手首の回転が上手にできるように成長すると、次第にスプーンの柄の下を持つようになるでしょう。
(3)最後に鉛筆持ち
下持ちになれたら、鉛筆を持つときの形をイメージし親指、人差し指、中指の間にスプーンをはさみ、他の指は遊ばないように軽く握るようにします。最初は、一本ずつゆっくりと位置を確かめながらスプーンを持たせてあげるなどじっくりと取り組みましょう。
スプーン・フォーク練習成功のコツ
焦らず優しく見守る
未発達な機能が多い赤ちゃんにとってスプーンやフォークをもつことは簡単ではないので、正しい持ち方ができるようになるまでは気長に待つこと、見守ることを心がけたいですね。何度も繰り返し、練習しながら身につけ、いつの間にかできていることも多いようです。”一人で食べたい” ”スプーンを使いたい”という気持ちを大切にし、やる気を尊重してあげられるよう、やさしく手を添え、軌道修正をし過ぎず、できたら褒める姿勢をお忘れなく。
スプーンで食べやすいメニューにする
スプーンを使って上手に食べられるよう一生懸命練習をしても、大きさや硬さが食べにくいメニューだと、スプーンで食べるのを途中でやめたり機嫌を悪くしてしまうことがあるかもしれません。スムーズに食べられるようになるまでは、スプーンですくいやすく食べやすい大きさと硬さのものを準備してあげましょう。スプーンにのりやすいよう細かくカットした野菜やスプーンですくいやすいマカロニやカットしたうどん、具入りのおかゆやパンがゆ、ゼリーなどがおすすめです。
スープ状のものは片栗粉などでとろみをつけてあげると、すくった具がスプーンから逃げることなく口まで運びやすくなります。やわらかいものがすくえるようになったら、さつまいも、じゃがいもや人参、玉ねぎなど食べなれた野菜や豆腐などのサイコロ状の形と固さにステップアップ。離乳食器にあるような深めのお皿で出してあげるとすくいやすいので、環境を整えることもポイントです。
スプーン選びも大切
子供が握りやすいスプーンが選ばれているようです。持ち手の柄の部分に滑り止めがついている、滑りにくい加工がしてあるなど機能つきがよいでしょう。さらに持ち手が手の形にフィットするようにカーブしていたり、へこみがあるなどちょっとした機能が大切なポイントになります。指の動きが未発達だったり、手の力が弱い赤ちゃんでも使いやすいスプーンを選ぶと、手先が安定し食べやすくなります。
スプーンはすくった食べ物が落ちないよう深めのものを、フォークは刺したりからめたものがなるべく落ちないように先がギザギザのものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
ママやパパが食べさせていた離乳食も自分で食べたいという意欲がわいたり、スプーンに興味を持つ姿を見ると成長を感じますよね。1歳をすぎたころに使い方を教え、はじめはなかなかうまくいかず大変かもしれませんが、2歳、3歳にはすっかりスプーンやフォーク使いも上手になって食事の時間が少し楽になってくるでしょう。成長はあっという間ですので、焦らずやさしく見守っていきたいですね。