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2021年01月28日 16:49 更新

【医師監修】かゆみ、シミ…妊娠中の肌荒れの原因と対策は?

妊娠中は肌が敏感になり、さまざまなトラブルがあらわれます。女性ホルモンの増加などが原因で皮脂や汗の量が増え、ニキビや湿疹ができたり、シミ・そばかすが増えたりします。その原因を知り、適切な対処法で肌をケアしましょう。

妊娠中の皮膚の変化とは?

妊娠中の肌荒れにお手入れをする妊婦
Lazy dummy

妊娠中、皮膚変化の原因は?

妊娠中、女性の肌にはさまざまな変化があらわれます。その主な原因はホルモンの変化で、それにより新陳代謝が活発化したりメラニン色素が増加したりします。

まず、妊娠して女性ホルモンが増えるとともに皮脂の分泌量が増え、ニキビができやすくなります。メラニン色素が増えると、シミ・そばかすが増えたり、わきの下や乳輪、乳頭、外陰部、正中線などが黒ずんだりします。また、新陳代謝が活発になることで汗をかきやすくなり、かゆみや発疹のもとになります。

体毛にも変化が

妊娠中は男性ホルモンの分泌量も増えます。その影響で、体毛や顔のうぶ毛が濃くなります。鼻の下のうぶ毛が濃くなることもあります。

肌が敏感になっているので、カミソリで剃ったりするとかぶれの原因になります。

肌トラブルの原因と対処法

妊娠中の肌荒れに化粧品を選ぶ妊婦
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シミ・そばかすが増える

シミ・そばかすが増えるのは、妊娠によって多く分泌される女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)がメラノサイトを刺激して、メラニン色素の生成を促すためです。正中線というおなかの真ん中の縦の線やわきの下などの黒ずみも、同じ原因によるものです。

妊娠でできた黒ずみは産後しばらくすると徐々に目立たなくなりますが、紫外線が蓄積されてできたシミ・そばかすはなかなか消えません。

妊娠中はウオーキングなどで習慣的に外に出ることもあるでしょう。日中の外出時は、UVケアをしっかりすることが大切です。日傘や帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどで対策しましょう。曇りの日も紫外線は晴れた日の約8割が地上に届いているので、注意が必要です[*1]。

ニキビができやすい

ホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んになると、余分な皮脂が毛穴に詰まり、ニキビができやすくなります。ニキビを予防するには、よく泡立てた石けんで念入りに洗顔し、清潔を保つことが大切です。妊娠中の皮膚は敏感になっているので、ごしごしこすったり、洗顔ブラシで洗わない方がよいでしょう。

肌が乾燥する

ホルモンのバランスが崩れるため、皮膚の脂と水分のバランスも崩れ、肌が乾燥し、カサカサして湿疹ができやすくなります。洗顔や入浴の後、使い慣れたクリームなどで保湿するようにしましょう。

かゆみがつらい!湿疹もある⁉対処法は?

妊娠中の肌荒れで痒みが辛い妊婦
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妊娠をすると、肌のかゆみを感じる人も多くいます。どのように対処すべきでしょうか。

全身がかゆい「妊娠性皮膚掻痒(そうよう)症」

湿疹などはないのに全身にかゆみが出る「妊娠性皮膚掻痒(そうよう)症」は、妊娠中期から後期にかけてみられる症状です。かゆみの原因は乾燥の場合もありますが、あまりに強い全身のかゆみの場合は、妊娠中に胆汁の流れが悪くなることが原因であることもあります。

強くかいて、ひっかき傷ができたり、色素が沈着することもあります。かゆみが強くてがまんできない場合はかかりつけの先生に相談しましょう。妊娠の時期と症状に応じて、塗り薬などが処方されます。

発疹を伴うかゆみ 「妊娠性痒疹(ようしん)症」

ポツポツとした赤い皮膚のもりあがり(丘疹)が、腕の外側、手の甲、お腹や背中などにパラパラとちらばってできる病気です。妊婦さんの約2%に起こり[*2]、妊娠3~4ヶ月頃にできて、出産まで続くことが多くあります。

症状がひどいときは、早めにかかりつけの先生か皮膚科を受診しましょう。塗り薬や飲み薬が処方されます。

その他の皮膚のトラブルとケア法

妊娠中の肌荒れのケアをする妊婦
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妊娠肝斑(かんぱん)と予防・ケア法

メラニン色素が増え、顔に薄い褐色の色素沈着が起こったものを「妊娠(性)肝斑」と呼びます。シミとの違いは頬や額、鼻の下などに左右対称にできることです。

紫外線を浴びると色が濃くなり、一度できた肝斑は消えにくいのですが、原因が体内にあるため完全に予防することは難しいといえます。女性にとっては極めてやっかいな代物です。直射日光を避け、日焼け止めクリームなどでUVケアをしっかりとすることが重要です。

妊娠線の予防・ケア法はある?

急激におなかや乳房が大きくなると、皮膚に赤褐色の、光沢のある腺ができます。これが妊娠線で、長さや数は人によって違います。妊娠線は、皮膚が伸びる方向と直角に入るのが特徴です。
個人差はありますが、出産後は徐々に薄くなります。

妊娠線を完全に予防することは難しいですが、皮膚をやわらかく保つことで、皮膚表面の急激な伸びを多少和らげることができます。そのためにはボディクリーム、ボディミルクなどをつけてマッサージするとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎は悪化することが多い

アトピー性皮膚炎がある人は、妊娠すると皮膚炎が悪化することが多いとされています[*3]。理由は明らかになっていませんが、妊娠により免疫の状態が変化していることが一因と考えられています。また、ホルモンバランスの変化で汗をかきやすいことや、妊娠中はストレスが高くなりやすいことが影響しているとも言われます。
薬を控えるとさらに悪化する場合もあるので、皮膚科医に妊娠中であることを伝えた上で相談しましょう。

まとめ

妊娠中はホルモンバランスの変化により、肌が敏感になります。メラニン色素が増えてシミ・そばかすができたり、皮脂や汗によるニキビ、湿疹やかゆみに悩まされることもあります。多くのトラブルは出産後には改善します。皮膚を清潔に保ちながら、保湿用のローションや日焼け止めクリームなどを活用して、肌へのダメージを和らげる工夫をしましょう。症状がひどいときはかかりつけの先生や皮膚科を受診してください。

(文:山崎ひろみ/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

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参考文献
[*1]環境省HP 紫外線とは「紫外線環境保健マニュアル2008」p.3
[*2]「プリンシプル産科婦人科学第3版2産科編」(メジカルビュー社)p.207 
[*3]寺木祐一, 妊娠とアトピー性皮膚炎, アレルギー63(2),p147-54 2014

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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