【助産師監修】母乳/ミルク/混合 タイプ別お悩み相談22件
赤ちゃんは生まれてからしばらくの間、母乳や育児用ミルク(以下、ミルク)から栄養や水分を得て暮らしていきます。栄養方法を何にするかはママや赤ちゃんの状況によって変わってきますが、それぞれに悩みや疑問を持つものです。今回は、母乳メインのママ、ミルクメインのママ、混合(以下、混合)のママそれぞれのお悩みに答えます!
- 母乳・ミルク・混合、みんなどうしてるの?
- 母乳についてのQ&A
- 授乳間隔ってどのくらいなもの?
- 授乳時間が長い/短い場合、原因は?
- 搾乳器は必要?
- 食事が原因で乳腺炎になるってほんと!?
- 急に母乳を飲まなくなった!どうしたらいい?
- ミルクについてのQ&A
- ミルクのメリットって?
- 哺乳瓶の消毒はいつまでやるの?
- 赤ちゃんのミルクの量はどう決める?
- ミルクの作り方は?
- 新生児がミルクを飲みすぎるときは、白湯をあげてもいい?
- 混合についてのQ&A
- 母乳の量が安定してくるのはいつごろ?
- 母乳が足りないかどうか、何でわかる?
- 混合から母乳のみにするため、どうすればいい?
- 哺乳瓶は大丈夫なのに、突然おっぱい拒否...どうしたらいい?
- 母乳を増やすのに、おっぱいマッサージは必要?
- 母乳を増やす方法は?
- 授乳についてのQ&A
- 赤ちゃんが吐き戻すのはどうしたらいい?
- 授乳後にゲップを上手に出すコツは?
- 赤ちゃんが「遊び飲み」するときはどうしたらいい?
- 沐浴後の授乳、すぐにあげていい?
- 授乳後すぐにお風呂に入れちゃダメ!?
母乳・ミルク・混合、みんなどうしてるの?
国の調査では、生後1ヶ月と3ヶ月の各時点での栄養方法は以下のような割合になりました[*1]。
それぞれに悩みは多い
母乳、ミルク、混合、授乳方法別に「授乳について困ったことがあるか」を聞いたところ、母乳の場合69.6%、ミルクの場合69.8%、混合の場合で88.2%と、いずれも多くのママが何かしらの「困りごと」があることがわかりました[*2]。
例えば、母乳をメインであげているママで一番多かった困ったことは「ミルクを飲むのをいやがる」、ミルクをメインであげているママでは「母乳が出ない」、母乳とミルクの混合栄養のママは「母乳が足りているかどうかわからない」という結果でした。
母乳についてのQ&A
まずは、母乳をメインであげているママに多いお悩み相談から。
授乳間隔ってどのくらいなもの?
授乳間隔は赤ちゃんによって個人差がありますが、月齢によって変化します。具体的には、新生児のころは頻回授乳なことは珍しくないものの、個人差はありますが生後3ヶ月ごろには間隔が安定してくるでしょう。
●赤ちゃんの授乳間隔については以下の記事を参考にしてください。
授乳時間が長い/短い場合、原因は?
授乳時間が長い場合は、適切な授乳姿勢や吸着ができていない可能性があります。また、生後3〜4ヶ月ごろ以降だと「遊び飲み」をしていて授乳時間がのびているということも。
逆に授乳時間が短い場合、上手に飲めるから短時間で済んでいるのであれば問題ありませんが、体力がないので長く飲んでいられないということも考えられます。
●赤ちゃんの授乳時間について、対応方法などは以下の記事を参考にしてください。
搾乳器は必要?
必ずしも必要なものではありません。搾乳は母乳を保存したい場合だけでなく、おっぱいの張りがつらいときなどにも行います。電動や手動の搾乳器を使う方法もありますが、手で搾る方法もあります。おっぱいを押さえる場所や方法が誤っているとうまく搾乳できません。搾乳方法は以下の記事を参考にしてくださいね。
食事が原因で乳腺炎になるってほんと!?
乳製品や脂肪分が多い食べ物が乳腺炎の直接的な原因となる説には根拠がありません。乳腺炎のリスクは、おっぱいに母乳が溜まってしまうことやママの疲れ・ストレスで抵抗力が落ちていることなどです。
●乳腺炎の原因や症状については以下も参考にしてください。
急に母乳を飲まなくなった!どうしたらいい?
原因として考えられることのひとつとして、哺乳拒否(ナーシング・ストライキ)があります。体調不良が原因で拒否している場合は、まずはその原因を治療しましょう。体調不良がないのに拒否するようであれば、精神面での不安やストレスが原因となっている可能性があるので、飲むことを無理強いせず、普段よりスキンシップを多くとり、赤ちゃんが安心できるような環境を作ってあげましょう。
●そのほか、母乳を飲まない場合の原因や対処法については以下の記事を参考にしてください。
ミルクについてのQ&A
続いて、ミルクメインで授乳しているママのお悩み相談です。
ミルクのメリットって?
母乳のメリットが広く知られるようになり、「ミルクだといけないのかな?」と思ってしまうママも少なくないようです。確かに母乳は栄養や免疫の面で大変優れています。一方、「服薬の制限がない」「ママ以外も授乳を行いやすい」など、健康状態やライフスタイルなどによっては、ミルク育児にもメリットがあります。
●詳細は以下の記事を参考にしてください。
哺乳瓶の消毒はいつまでやるの?
消毒を行う場合は、生後3ヶ月未満までは行った方がいいと考えられます。赤ちゃんの健康を守るためには、哺乳瓶を清潔に保つだけでなく、「70℃以上のお湯を使う」など正しい調乳方法を守ることが大切です。
●哺乳瓶の消毒について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
赤ちゃんのミルクの量はどう決める?
どの時期でも「この量を絶対に守らなければいけない!」というものはありません。ミルクのパッケージに書かれた量を目安に、赤ちゃんのリズムに沿って調整しましょう。
●具体的な目安量・間隔は以下の記事を参考にしてください。
ミルクの作り方は?
粉ミルクの場合、流れとしては、清潔な哺乳瓶にすりきりで計ったミルクと70℃以上のお湯を入れて混ぜ、人肌程度に冷まします。2019年には調乳が不要な液体ミルクも発売されました。
●調乳方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
新生児がミルクを飲みすぎるときは、白湯をあげてもいい?
新生児の赤ちゃんにミルク(または母乳)以外のものは必要ありません。ミルクを飲む量が多くても、赤ちゃんの機嫌や体調がよければさほど問題はないでしょう。お腹が張って苦しくなったり、頻繁に吐いたりするようであれば、飲ませすぎている可能性があります。
混合についてのQ&A
ミルクと母乳の混合で育てているママのお悩み相談! 上の母乳・ミルクのお悩みと併せてご覧ください。
母乳の量が安定してくるのはいつごろ?
産後2〜4週間で母乳の分泌量が安定してくることが多いです。赤ちゃんによく飲んでもらいましょう。
母乳が足りないかどうか、何でわかる?
体重増加不良、尿の量・回数の減少、便秘が続く、不機嫌などのほか、授乳時に時間がかかる・授乳間隔が開かないなどの場合も母乳不足の可能性が考えられます。母乳が足りているのに足りないように感じる(母乳不足感)こともあるので、専門家に相談してみましょう。
混合から母乳のみにするため、どうすればいい?
産後2〜4週ごろまでは十分な母乳が出ないこともあるかもしれませんが、諦めず赤ちゃんが欲しがるままに授乳してください。吸われれば吸われるほど母乳分泌が促されます。ミルクを不必要に足しすぎないことも大切です。
哺乳瓶は大丈夫なのに、突然おっぱい拒否...どうしたらいい?
哺乳瓶の乳首の方がよくて、母乳をじかに飲むことを嫌がることがあります(乳頭混乱)。ママの母乳分泌維持とトラブル回避のために搾乳を行いつつ、スプーンなどの他の用具で飲ませてみましょう。
●乳頭混乱について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
母乳を増やすのに、おっぱいマッサージは必要?
マッサージと母乳分泌増加の関係については「分からない」というのが現状なので、少なくとも「絶対やらなくてはいけない」とは言えないでしょう。
●そのほか、おっぱいマッサージについての疑問は以下の記事を参考にしてください。
母乳を増やす方法は?
一番のポイントは、産後早い時期から頻繁に授乳することです。正しい授乳姿勢と飲ませ方を心がけましょう。
●詳しくは以下の記事を参考にしてください。
授乳についてのQ&A
最後に、授乳に関して共通のお悩み相談です。
赤ちゃんが吐き戻すのはどうしたらいい?
授乳後にダラリと出てくる(溢乳:いつにゅう)であれば大きな問題はありません。飲ませすぎに気をつけ、授乳後はゲップを出させてあげましょう。
●心配な吐き戻しについてなど、詳細は以下の記事を参考にしてください。
授乳後にゲップを上手に出すコツは?
なかなかゲップが出ない時は、縦に抱っこして、座らせて、うつ伏せにして、など別な姿勢を試してみましょう。また、授乳後ではなく授乳の途中の方が出させやすいこともあります。
赤ちゃんが「遊び飲み」するときはどうしたらいい?
テレビの音など外からの刺激をなるべく減らして、それでもダメなら一度授乳を切り上げて仕切り直ししましょう。
沐浴後の授乳、すぐにあげていい?
赤ちゃんが待てるようであれば、沐浴を終えて30分程度たってから授乳するといいでしょう。
授乳後すぐにお風呂に入れちゃダメ!?
お風呂は満腹でも空腹でもないタイミングがベスト。授乳後れあれば30分程度明けてからの入浴がいいでしょう。
まとめ
授乳のことだけでなく、子育てをしていく上で悩みはつきないものです。今回は中でも一部について解説しましたが、これら以外にも不安があれば、一人で抱え込まず医師や助産師、地域の保健師などに相談しましょう。ママと赤ちゃんに合った答えを一緒に見つけてくれるはずです。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:坂田陽子先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます