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2022年12月06日 10:10 更新

【医師監修】陣痛の始まりはどんな痛み? 陣痛の痛みまとめ<開始〜生まれるまで>

赤ちゃんとのご対面を間近に控えたこの時期には、ワクワクした気持ちとともに、出産に対する緊張や不安があるでしょう。陣痛はどのように始まる? 痛みの程度は? すぐに陣痛とわかる? など、陣痛の始まりからお産までの一般的な流れについてお伝えいたします。

陣痛の始まりはどんな痛み?

陣痛始まった?陣痛の痛みはどんなもの?
(イラスト=杉井亜希)

陣痛と聞くと、「鼻からスイカ」というような痛みの表現を連想する方も多いのではないでしょうか。陣痛が始まったら、すぐにそんな痛みがあるものなのでしょうか。

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陣痛の初期の痛み|初めのうちは強くない

初期の痛みの感じ方は人それぞれで、

「おなかに強い張りを感じる」
「下痢のような痛み」
「シクシクした感じ」
「生理痛のような痛み」

などさまざまな声が聞かれます。

痛みの出方も人によってさまざまです。前駆陣痛とわかるような痛みを覚え、徐々に定期的な痛み(陣痛)に変わってくる場合もあれば、前駆陣痛はなく(あるいは気づかず)定期的な陣痛から痛みを感じ始める場合もあります。

徐々に痛みが強くなり、子宮口が全開になっていざ分娩という段階でピークを迎えるので、初期の陣痛はまだ耐えられるくらいの痛みのことが多いでしょう。

間隔が不規則で、痛みもそれほど強くなければ前駆陣痛と考え、まだまだ焦る必要はありません。

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陣痛の初期の特徴|弱く短い痛みが10分間隔で起こる

陣痛とは、簡単に言えば赤ちゃんをお腹の外へと産み出すための子宮の筋肉の収縮運動です。赤ちゃんの出てくる準備が整ったら母親の意志とは関係なく起こり、陣痛発作(痛みが起こっている状態)と陣痛間欠(痛みがやんでいる状態)を繰り返します。

基本的に、一定の間隔(1時間に6回のペース)で痛みを繰り返すようになったら陣痛が始まったと考えられます。これが、いわゆるお産の始まりです。

一般的な分娩初期の陣痛の目安は、以下のようになります。[*1]

・陣痛発作の痛み:微弱
・陣痛発作(痛みが起こっている)の時間:短い(およそ10~20秒)
・陣痛間欠(痛みが治まっている)の時間:長い(およそ10分)

陣痛の進行に伴い、だんだんと痛みは強くなり、痛みがある時間も長くなっていきます。痛みが止んでいる時間も3分、1~2分と、だんだんと短くなっていきます。

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病院へ連絡するタイミング

陣痛の開始から分娩まではまだまだ長い時間を要します。出産予定の産院からは、連絡する陣痛間隔について指示が出ているはずです。医療機関によって違いがありますが、例えば初産婦なら10分以内、経産婦なら15分以内の陣痛を感じたら電話してくださいなどの指示があるので、痛みの起こる間隔に注意しましょう。

治まる時間がない腹痛が続いていたり、お腹が板のように硬直する、胎動の減少などといった症状とともに少量の出血がみられた場合は、出産よりも先に胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」もまれに疑われます。
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この場合、赤ちゃんと妊婦さんの命にかかわる危険な状況となるため、大至急の対応が必要です。さきに挙げた代表的な症状がみられなくても、いつもと違う症状を感じたり、判断に迷う場合は、遠慮せずにかかりつけ医療機関に相談しましょう。

陣痛が始まる前にはおしるしと破水がある?

陣痛の前段階として前駆陣痛がありますが、そのほかにもおしるしがあったり、陣痛前に破水が起きたりすることがあります。

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両方とも必ず起こるわけではない

妊婦さん全員にあるわけではない「おしるし」
陣痛が始まる前に見られる出血を「おしるし」と言います。おしるしは、子宮壁から卵膜がはがれることで起こります。赤ちゃんを入れる袋である卵膜は、それまでは子宮壁にくっついているのですが、お産の準備が進んで子宮口が開いてくるとはがれ、その際に少量の出血が見られることがあります。

はがれても出血しない場合もあるので、おしるしがなく陣痛が始まることもありますし、おしるしが見られたら必ずしもすぐに陣痛が始まるわけではなく、おしるしから陣痛開始まで数日かかることもあります。

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破水のタイミングや出方はさまざま
破水とは、赤ちゃんの頭と子宮の内圧に押され、卵膜が破れて羊水が出てくることを言います。
破水は子宮口が最大に開いた陣痛のピーク時に起こり、その後出産という流れが一般的ですが、陣痛前や陣痛後の子宮口が十分開く前に破水する場合もあります。出方はさまざまで、一度に大量に出る場合もあれば、尿漏れのように少しずつ流れる場合もあります。陣痛前に破水しても赤ちゃんに問題があるわけではないので、焦らないようにしましょう。

多くは24時間以内に陣痛が始まるので、破水だと思ったらすぐに病院に連絡し、入院の準備をして向かいましょう。破水かどうか判断がつかないときも、かかりつけの産婦人科に相談してください。

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陣痛が始まってから出産まで、痛みはどう変わる?

出産までの陣痛の痛みをパートナーと協力して過ごす妊婦
Lazy dummy

それでは、陣痛の開始から出産まではどのように進んでいくのでしょうか。標準的な流れと時間の目安、痛み方の変化についてお伝えします。

まず、陣痛の始まり~子宮口が全開になるまでの期間を「分娩第1期」と言います。分娩第1期は、子宮口がゆっくり開いていく時期(潜伏期)、子宮口が加速度的に開いて赤ちゃんの頭も一気に下降する時期(活動期)に分けられ、痛みの強さや間隔も変化していきます[*2]。

※痛みの強さなどには個人差があり、以下にある経過時間については初産婦の場合の目安です。

分娩の経過

分娩第1期:潜伏期|耐えられる痛みが1時間に6回ほど

子宮口が0~2.5cmになるまでの段階です[*1] 。
・陣痛の間隔:10分以内(1時間に6回以上)
・経過時間:およそ9時間
・痛み:まだ耐えられる程度です。発作の時間も10~20秒と短いです

分娩第1期:活動期|頻繁に痛みが起こり、強さもピークに向かう

活動期はさらに3期に分けられます[*1] 。
<加速期>
子宮口が2.5cm~4cmになるまでの段階です。
・陣痛の間隔:5~7分おき
・経過時間:およそ2~3時間
・痛み:徐々に強くなっていきます。発作の時間も30~90秒と長くなっていきます。

<極期(きょくき)>
子宮口が全開に向かって急速に開いていく段階です。
・陣痛の間隔:3分
・経過時間:およそ1時間
・痛み:ピークに差し掛かります。もっとも痛みが強いときでは、耐えがたい痛みになってきます。

<減速期>
子宮口が9cm~10cmになる段階です。この段階で破水し、分娩第2期に入ることが多いです。
・陣痛の間隔:1~2分おき
・経過時間:およそ1時間
・痛み:ピークの段階です。

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分娩第2期|痛みのピークを迎え、娩出したら陣痛が消える

子宮口が全開になってから赤ちゃんが出てくるまでの間を、分娩第2期と言います。
赤ちゃんの頭が骨盤の入り口に入り、旋回しながらゆっくりと出てきます。初産婦ではおよそ1~2時間、経産婦ではおよそ30分~1時間が標準的な経過時間とされています[*3] 。赤ちゃんが出てきたら、陣痛は消えます。

赤ちゃんを娩出したあとは分娩第3期に入り、後産期陣痛が起こり、子宮復古が始まります。
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実際、陣痛はどんな感じだった?

陣痛の痛みを感じながら、出産までの時間を過ごす妊婦
Lazy dummy
ここまで、標準的な陣痛~出産の流れを見てきましたが、分娩過程には個人差があるため、当てはまらない場合もあります。初産でも分娩が順調に進み10時間を超えずに出産に至るママ もいれば、30時間経っても産まれないママもいます。では、「人それぞれ」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。自分の経過が他の人のどの経験にも当てはまらないこともありますが、経産婦さんの体験を知ることでいろいろとイメージできる部分もあるでしょう。いくつかご紹介します。

初産にもかかわらず、陣痛からスムーズにお産が進み、5時間でスポーンと出産しました。里帰り出産だったため、主人が到着に間に合わず残念でした

(32歳/サービス業/その他)

陣痛が2日弱続き、壮絶な痛みに耐え抜きました。分娩台にいたときのことは全然記憶にありません。

(35歳/出版関連/専門職)

自然に陣痛が来なくて、途中から子宮収縮薬(陣痛誘発剤)を点滴しても微弱。いったん点滴を中断して、翌日に再トライ。薬で陣痛がきて必死に痛みに耐えること、そこから24時間。やっと出てきてくれました。でも、こちらはぐったり。死ぬかと思いました。

(29歳/IT/その他)


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まとめ

出産予定日が近づくと、赤ちゃんに出会える瞬間をドキドキしながら待ちわびる反面、「陣痛に気づくのが遅かったらどうしよう」「痛みを我慢できるだろうか…… 」との不安や緊張、ストレスもつのることと思います。怖がらないでというのは無理なことですよね。大切なのは、自分が納得できるまで心と体の準備をしておくことです。かかりつけの産婦人科で行われる各クラスに参加したり、助産師さんにアドバイスやサポートをしてもらいながら少しずつ心構えをしていきましょう。

そして、出産は自分一人で行うわけではないことも忘れないでください。サポートしてくれる医師や助産師さん、ご主人、親御さんなど、みんなの力を借りながら成し遂げるものです。何よりも、痛みを感じているときは、赤ちゃんも頑張っていることを思ってください。ママとパパに会おうと必死に頑張っている赤ちゃんのことを思うと、自然と力も湧いてくるものです。もうすぐ妊娠生活もゴールを迎えます。新しい命の誕生を迎えるその瞬間まで、リラックスしながらマタニティライフを楽しんでください。

※画像はイメージです

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.07.23)

※記事の修正を行いました(2019.06.04)

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