医療法人社団東寿会東峯婦人クリニック松峯寿美先生｜女性の健康をトータルサポートする家庭医を目指して

東京メトロ東西線木場駅のすぐそばにある、東峯婦人クリニック。理事長である産婦人科医の松峯寿美先生は、ご自身の妊娠・出産経験をもとに、不妊症治療や産後ケアに力を入れています。今回は、松峯寿美先生にクリニックの特徴や、診療で心がけていることについてお話を伺いました。

お話をお聞きした先生
医療法人社団東寿会東峯婦人クリニック理事長

松峯寿美先生

東京女子医科大学大学院卒業。産婦人科専門医、母体保護法指定医。勤務していた東京女子医科大学病院では、不妊外来の創設に尽力した。1980年に東峯婦人クリニックを開業。書籍やWebメディアの執筆・監修も手がけており、著書に「やさしく知る産前・産後ケア」（高橋書店）「婦人科医が不安と疑問にやさしく答える更年期の処方箋」（ナツメ社）などがある。
「妊娠・出産はもちろん、不妊や更年期といった女性特有のお悩みにも幅広く対応いたします。気になる症状がある場合には、ぜひ私たちにご相談ください。患者さんにあった治療法を、丁寧にご提案いたします。」（松峯先生）

自身の経験を活かし「あったらいいな」を形にしたクリニック

松峯先生は好奇心旺盛な性格で、「自分の経験は何でも診療に活かす」というポリシーのもと、1980年に東峯婦人クリニックを開業しました。不妊症やひどい悪阻といったさまざまな問題に直面した経験をもとに、クリニックのサービスを常に快適なものへと進化させています。

すべてのライフステージにある女性を診るクリニック

当院では、思春期から老年期まで、すべての女性を総合的に診ることを目指しています。産婦人科では、妊娠・出産のサポートだけではなく、ホルモンバランスの変化に伴う不調や、女性特有の病気など、さまざまな課題の解決に取り組む必要があります。
平均寿命の延長により、閉経した女性の健康を長期的にサポートすることも、産婦人科の大切な役割となりました。
近年は、男女平等であることが社会で強調されるようになりましたが、男性と女性では体の作りが全く違います。女性特有の不調や病気を予防するためにも、年代に応じた心身の健康管理が大切ですし、男性にもそういった事情を理解してもらう必要があると考えています。

不妊に悩む人たちを助けたい

私は大学卒業後すぐに結婚したのですが、なかなか妊娠できず、不妊に悩んだ時期がありました。今のように不妊外来などはありませんでしたから、「なぜ自分は子どもを授かれないのか？」について考え、試行錯誤の末にやっと妊娠することができました。
当時は、「不妊は女性の問題」という風潮があり、とても辛い思いをしましたから、不妊症の患者さんの気持ちが本当によくわかるのです。
クリニックには不妊症外来も設けており、私自身の経験や、産婦人科医として培ってきた知識や技術によって、ひとりでも多くの患者さんを救えたらと思っています。

無痛分娩でお産を少しでも楽に

当院には麻酔科医がいるため、無痛分娩にも対応しています。これも私自身が出産の大変さを実感し、少しでもお産を楽にしたいという思いからスタートしたものです。
出産が辛いと、その後の育児が大変になってしまうケースがあります。「もうすぐ赤ちゃんに会える」「産んでよかった」といった気持ちで、お産ができるようサポートしたいですね。

産前産後ケアセンター東峯サライを併設

外科医である夫は忙しく、私の育児はまさに孤軍奮闘でした。母乳が出なくて悩んだり、夜も眠れず辛い思いをしたりといった経験が、産前産後ケアセンター東峯サライを開設するきっかけになりました。
東峯サライには、当院で出産したママはもちろん、他院で出産したママが「どうしても育児がうまくいかない」と助けを求めてくることもあります。センターではしっかりと心身を休めてもらい、自宅に帰ってから前向きな気持ちで子育てに向き合えるよう支援したいですね。

東峯婦人クリニック周辺には、産前産後ケアセンター東峯サライをはじめとする、複数の関連施設があります。産婦人科はもちろん、必要に応じて形成外科や皮膚科といった、他科との連携も可能です。

患者さんの心身と向き合うことを大切に

来院される方のあらゆる悩みに対応できるよう、松峯先生は新しい知識や技術を積極的に学び、日々の診療に活かしています。優しくもパワフルな先生の存在は、多くの患者さんを勇気づけてきました。

丁寧に話を聞くことを意識

病院に来るからには、心身に何らかの不調を感じているはずですから、まずは患者さんの話をしっかりと聞くことを大切にしていますね。「この病院に来てよかった」と思ってもらえるような診療を心がけています。
患者さんからは、「肩の荷がおりました」「先生にパワーをもらいました」といったお声がけをいただいています。

ママと一緒に学び続けるスタンスで

子育てには学習が必要だと考えているので、助産師さんとも協力しながら、「より良い育児の方法を一緒に学んでいこう」という気持ちでママたちに接していますね。
妊娠中は生活指導を行ったり、バースプランの希望を聞いたりして、無事に出産を迎えられるようサポートしています。
出産時には、ママがひとりで陣痛に苦しむことがないよう、必ず助産師やパパが立ち会うようにしています。私自身はひとりぼっちで孤独なお産でしたから、妊婦さんを絶対にひとりにしたくないと思っているのです。
産後のママたちには、赤ちゃんとの愛着形成の仕方や離乳食の作り方をお伝えするなど、育児に関するさまざまな悩みを解決できるよう支援しています。

「もうひとり産みたいと思うような、楽しいお産をしてほしい」と話す松峯先生。産前産後クラスや、日帰り・宿泊での産後ケアなど、さまざまな方法で頑張るママをサポートしています。

子どもと自分を信じて前向きな子育てを

最後に妊娠中や子育て中の方に向けてメッセージをいただきました。

強く逞しい子どもの力を信じよう

インターネットで気軽に検索できるようになり、最近のママたちは妊娠や子育てに関する知識が豊富ですよね。一方で、妊娠経過やお子さんの発達・発育などについて、必要以上に不安を感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
子どもは、親が思うよりもずっと逞しいものです。お子さんの心身の力を信じて、子育てを楽しんでいきましょう。

わが子にも自分にも自信をもって

とくにお子さんが小さいうちは、母子の愛着形成が大切です。お子さんの年齢や性別を問わず、たくさん抱っこしたり、抱きしめたりしてあげてくださいね。
また、どの年齢の子どもにも大切なことは、自分の子どもを他の子どもと比較しないことです。みんなそれぞれ個性があるし、得意なことや苦手なことがありますよね。全部完璧にできる人なんていないのだから、お子さんにも自分自身にも、もっと自信を持って欲しいです。