保育園などのお迎え時に潜む子どもの交通事故、実際にあった「ヒヤリ・ハット」の状況とは?
子どもが突然飛び出したり、少し目を離した隙に車の近くにいたりして、ヒヤリとした経験のある親も少なくないのではないでしょうか。外を歩いている時はよく注意していても、保育園や幼稚園のお迎え時などは、他のことに意識が向いてしまい、うっかりしてしまいがちです。実際にそのような状況で起きた「ヒヤリ・ハット」の事例があります。
保育園などのお迎え時に潜む事故の危険
内閣府では「教育・保育施設における事故に至らなかった事例の収集・共有等に関する調査研究」を実施しており、この調査研究では、認定こども園・幼稚園・保育所といった施設から収集した事例などをもとに、ヒヤリ・ハット事例集を作成しています。この事例集の中には、お迎え時など保護者の不注意などが関係している事例も見受けられます。どのような状況で「ヒヤリ・ハット」が起きたのか、ぜひ参考にしてください。
駐車場で発信しようとする車の前に男児が…
<3歳10ヶ月男児のケース>
園の駐車場前に公園があり、お迎えに来た保護者同士がおしゃべりをするのが常になっていました。子どもたちはその間、自由に遊びまわれる状況になっていたようです。この日も保護者はおしゃべりに夢中で、男児が車の前で遊んでいることに気づいていませんでした。そこへ退勤した職員が車を発進させようとして、突然、車の前に園児が立ち上がったという事例がありました。
保護者同士でのおしゃべりが常態化していて、「いつも大丈夫だから」といった無意識の気のゆるみが大人たちにあったことが考えられます。
駐車場へ向かう道路の横断時にはねられそうに
<4歳女児のケース>
お迎えに来た保護者と一緒に駐車場に行く時、女児は友だちがいたため、すぐに車に乗らずに近くで虫をみつけ遊んでいました。その後、駐車場にいた保護者のもとへ行こうとして、目の前の道路を渡ろうとした時、道路の左右を見ずに横断したため、通行中の車にはねられそうになりました。このとき、保護者はほかの保護者とおしゃべりをしていて、子どもをあまり見ていなかったようです。
1つ目の事例と同じく、保護者がおしゃべりをしていて女児の様子を見ていなかったことが背景に考えられる事例です。
駐車場の前で親を振り切り突然走り出した男児
<4歳男児のケース>
園の正門から出て駐車場の前を通る時に、男児が保護者を振り切って突然走り出しました。駐車場にはお迎えに来た保護者の車が止まっていました。幸いにもこの時エンジンは切ってあり、事故には至りませんでした。
男児が突然走り出したのは、友だちが隣の公園で遊んでいたため、早くそこへ行きたかったからだと思われます。この男児は飛び出すことがよくあり、これまでも気を付けていたものの、ちょっと目を離した隙に起こりました。
まとめ
保育園や幼稚園で、車の事故につながりかねなかった「ヒヤリ・ハット」事例をご紹介しました。お迎え時に保護者同士でおしゃべりに花が咲くことはよくあることかもしれませんが、やはり、子どもから目を離してしまう危険が高いといえます。また、日頃から注意していても子どもが急に飛び出してしまうような場合も。周りの大人が協力し、複数の目で子どもの様子を見る大切さを再認識したいですね。
(マイナビ子育て編集部)
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<資料概要>
内閣府 令和4年度子ども・子育て支援調査研究事業『教育・保育施設等におけるヒヤリ・ハット事例集』2023年3月