ローラー滑り台で3歳児が足を大ケガ。のぼり棒つき遊具で首を吊った状態に…明日起こるかもしれない遊具の事故/親が知りたい子供の危険
身近なものが子どもの安全を脅かすことがあります。しかし、前もって知っておくだけで防げる事故もあります。今回は「公園などの遊具」で起こった事故事例を紹介。子どもの遊びに大切な遊具は馴染み深いものですが、遊び方を誤ると思わぬケガにつながることが……。特に今の時期、連休などで公園で遊ぶ予定のある人に注意してほしい事故です。
■3歳男児が公園のローラー滑り台で遊んでいたときに起きた事故
大きな公園などに設置されているローラー滑り台。通常の滑り台と比べて長さもあり、子どもが喜ぶ人気の遊具です。
ローラー滑り台を滑っている途中、側面に左足が激突
3月上旬のある日のこと。Aくん(3歳・男児)は母親と近所の公園に遊びに来ていました。いつも来ている公園で、Aくんは一人でローラー滑り台へ向かいます。母親はAくんが滑り台の階段を上るところまでは様子を見ていました。滑り台で遊んでいるとき、Aくんは裸足でした。
しばらくして母親がふと視線をAくんに戻すと……。滑り台を滑り降りたところで、Aくんが座ったまま泣いていたのです。
Aくんは左足をまったく動かせず、救急搬送。股関節脱臼(太ももの骨の先端が骨盤側の関節から外れるケガ)で4週間の入院となりました。
事故が起きたローラー滑り台は4カ月前に改修されたばかりで、スピードが出やすい状態でした。速度がついた状態で滑り台のカーブに入り、側面に強く左足をぶつけたことで股関節を脱臼したと考えられています。 [*1]
■3歳女児がのぼり棒つき滑り台で遊んでいたときに起きた事故
ほかの遊具と一体化したタイプの滑り台でも事故が起きています。ある幼稚園では、園庭の遊具で子どもが遊んでいた際に首を吊った状態になってしまう事故が起きました。事故が起こったのは多数の園児が遊んでいた時間。
滑り台についた棒に頭が挟まり宙づりに……
Bちゃん(3歳・女児)はいつものように園庭で、「滑り台とのぼり棒が一体化した遊具」の滑り台上部の鉄板に登り、のぼり棒を滑り降りて遊んでいました。のぼり棒の上部は曲がって折り返したあと、地面と水平になり、この部分が滑り台上部の鉄板と接着していました。
ほかの子どもたちも園庭で遊ぶ中、保育士がふと遊具を見たところ……。
のぼり棒上部の水平になった部分に、首が引っかかった状態でぶら下がっているBちゃんを発見。
すぐに助けを呼んでBちゃんを降ろしましたが、この時点で意識はありませんでした。やがて意識は回復したものの、すぐに病院へ搬送されました。
保育士によると、柵の間をすり抜けたときに転落してしまい、首がのぼり棒の水平部分に引っかかったのではないかということです。
この遊具ののぼり棒は登って遊ぶために設置されており、滑り台との間には柵がありました。ところが、滑り台のための階段から上に登り、柵を避けたり間を通ったりして上から棒を滑って降りる遊びが日常的に繰り返されていました。保育士が遊具の近くにいましたが、普段から行われていた遊び方だったため、見過ごされていた可能性があります。
この事故が起きたのは2011年。事故があった遊具はその40年ほど前からあったもので、現在の遊具の安全基準からはありえない構造でした。[*2]
■ジャングルジムにうんてい……遊具の事故はほかにも
消費者庁の調査[*3]では、遊具の種類が特定できている中では滑り台での事故が最多となっていました。そのほかブランコや鉄棒、ジャングルジム、うんていなどさまざまな遊具でも事故は起きています。
ケガの重症度別に見ると、中等症以上のおよそ3割が滑り台で起きていますが、そのほかの遊具でも中等症以上の事故は起きています。
例えば、2歳の男の子が約3mのジャングルジムの頂上から後ろ向きに転落した事故。下は人工芝でしたが、頭に数cmの血腫(皮膚の下に血液が溜まり、たんこぶのようになった状態)ができて約1週間の入院になりました。
また、6歳の女の子が約2mの高さのうんていから手を滑らせ、転落。左ひじから落ちて剥離骨折をしました。前日からの雨でうんていは濡れていたといいます。
滑り台では、逆から登ってケガをしたケースも。立ち上がって滑走面を登っていた男の子が、上から滑ってきた子とぶつかり、約3m下の地面へ転落。頭蓋骨骨折の重傷を負いました。
■公園の遊具による事故を防ぐには?
遊具で体を動かして遊ぶことは、子どもにとって大切なことです。遊具で起こる事故はどうすれば防げるのでしょうか。
・対象年齢を守り、6歳以下の子には保護者が付き添う
遊具には対象年齢があります。遊ぶ前に対象年齢を確認して、正しい遊び方を守りましょう。
子どもが想定外の遊び方をすることは珍しくありません。特に6歳以下の小さな子どもは、保護者が付き添って危険な遊び方をしないかよく見守りましょう。危ない遊び方をしないよう、親子でよく話しあっておくことも大切ですね。
・遊具に引っかかる可能性のある服や持ち物を身に着けたまま遊ばない
子どもの服装や持ち物にも注意が必要です。フードや紐がついている服は、遊具に引っかかったり挟まったりして、窒息などの思わぬ事故につながることがあるので避けてください。肩にかけるバッグやリュック、水筒、首からかけたアクセサリーなども遊ぶ前に外しましょう。
また、ローラー滑り台での股関節脱臼の事故では、ケガをしたAくんは裸足のまま滑り台で遊んでいました。ローラー滑り台で遊ぶ際には靴を履き、スピードが出すぎないように注意しましょう。裸足で滑ると足をぶつけた場合に強い衝撃を受けることがあります。
・雨天・雨上がりや気温の高い日にも注意する
屋外にある遊具は、天候でコンディションが左右されます。雨で濡れているときは、慣れている遊具でも滑りやすく危険です。気温が高い日は、遊具の金属部分が高温になり、やけどのリスクもあります。天候にも気をつけて危険なときは遊ばないようにしましょう。
・遊具の安全性を示す認証マークを確認する
遊具の安全性を確認する目安として、認証マークがあります。公園の遊具には (一社)日本公園施設業協会が「遊具の安全に関する規準JPFA-SP-S:2024」に基づき認定している認証マーク(SPマーク)がついています。こうしたマークも参考にしてください。[*4]
(出典:日本公園施設業協会「SP/SPLマーク」)
・遊具の不具合・破損があれば管理者に連絡する
遊具の不具合や破損に気づいたら、すぐに使用をやめて管理者に連絡を。公園の場合は園内の看板などに管理者の連絡先が書いてあることが多いです。連絡を受けて管理者が対応することで、子どもが安全に遊べる環境作りにつながります。
もし、遊具の管理者がわからない場合には、近くの消費生活センターに連絡してください。
(文:佐藤華奈子/監修:菅原 大輔先生/構成:マイナビ子育て編集部)
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[*1] 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)「No.20 ローラー滑り台による股関節脱臼」
[*2] 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)「No.27 遊具による縊頸」
[*3] 消費者庁「遊具による子供の事故に御注意!」(平成28年2月10日)
[*4] (一社)日本公園施設業協会「SP/SPLマーク」
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