
「キャリアアップをしたい」20・30代夫婦は70%以上!家族とキャリアの優先度は男女で違いも
夫婦の共有家計簿・貯金アプリ「OsidOri(オシドリ)」の開発・運営を行うOsidOriは、OsidOri利用者の20〜30代の男女326人を対象に、アンケート調査「ファミリーキャリアに関する調査 2023年」を実施しました。
共働き夫婦が主流のいま、20〜30代の「ファミリーキャリア」のリアルとは?
日本において共働き夫婦が主流となった現在ですが※1、今回は20〜30代における「ファミリーキャリアの分類※2」「キャリア志向」「出産とキャリア」「キャリアに関するパートナーとのコミュニケーションや期待値」を調査しています。
※1 令和4年度版「厚生労働白書」より。2021年の共働き世帯数が過去最高を更新。
※2 ファミリーキャリアとは、人生における「家族としてのキャリア」のことで、ハーバード・ビジネス・レビューにて掲載(2018年)された考え方。夫婦個人個人のキャリアではなく、家族(チーム)としてのキャリアという点がユニークです。そこでは、共働き夫婦がどちらか一方の機会を犠牲にせず、双方の人生とキャリアを充実させるには、夫婦共同で「家族としてのキャリア」を臨機応変に組み立てていくことを推奨しており、5つのモデルを紹介しています。
ファミリーキャリアタイプは「並行型」が40%とトップ

現在のファミリーキャリアタイプについて質問したところ、「並行型キャリア(いわゆるパワー・カップル)」を筆頭に、共働き世帯を反映するようなキャリアタイプが大勢を占める結果となりました。
専業主婦・主夫世帯の代表的なタイプである「シングル・キャリア」はわずか5.5%でした。
※同調査における参考資料:
同調査におけるファミリーキャリアの分類は、ハーバード・ビジネス・レビューで紹介されたファミリーキャリアの5モデルをもとに設問設計を行いました。各キャリアタイプは記事後半で紹介しています。
(出典:ハーバード・ビジネス・レビュー「共働き夫婦の人生を充実させるには、「家族としてのキャリア」計画が必要である」(2018年3月29日))
「夫婦両方またはいずれかがキャリアップを目指したい」が男女ともに70割超
<キャリアとお金との関係性>

「一定の収入があれば、一方のキャリアアップは諦めても良い」と「互いがフルタイムで働き、最大限収入を上げたい」を合わせた、「夫婦両方またはいずれかがキャリアアップを目指したい」という回答が男性73%、女性71%を占めました。この設問では男女間では特段の差は見られませんでした。
キャリアと家庭との両立を望むのは男性88%、女性65%
<家族とキャリアとの優先度>

「キャリアと家庭との両立」を望むのは男性88%で、女性65%に。「キャリアアップを望まない」との回答が男性6%に対し、女性35%と大きな差が出ました。
<キャリアアップ活動>

「キャリアアップ活動を行っている」と回答したのは男性が67%、女性が46%となりました。具体的な活動については男女ともに資格取得が最も多く、起業や副業と回答した回答者も一定数存在しています。
出産後のキャリアタイプの「理想」と「実際」とのギャップは女性が大きい
<出産前後のキャリアタイプの理想と実際>
出産後のキャリアタイプと、出産前に描いた出産後のキャリアタイプの「理想」と「実際」とのギャップを質問しました。※出産経験者のみに質問


男女ともに、出産前後で「並行型キャリア」が大きく減少したのに対し、「交替型キャリア」と「リードキャリア」が増加。これらから、多くの夫婦で出産がファミリーキャリアの転換点となっていることが推測できます。
また、出産後のありたいキャリアタイプの「理想」と「実際」とのギャップでは特に女性において大きく、理想は「並行型キャリア」「交替型キャリア」でしたが、実際は「リードキャリア」になった世帯が多くなっています。
出産後も仕事を継続したいと回答した女性は87%に
<女性の出産後のキャリア志向>

「仕事はしない、もしくはパート」は約13%にとどまり、「仕事を継続したい」としたのは約87%を占めました。その中でも約27%は「キャリアアップを目指す」と回答。また、現年収が高い回答者ほど、出産後もキャリアアップを望む割合が高くなっています。
「パートナーとキャリアに関するコミュニケーションをする」は77%
<パートナーとのキャリアに関するコミュニケーション>

「パートナーとキャリアに関するコミュニケーションをする(よくする・たまにする)」と回答したのは実に約77%と、多くの家庭で一定以上のコミュニケーションが行われています。
「パートナーにはできるだけキャリアアップしてほしい」は、男女で温度差が
<キャリアに関するパートナーへの期待>

キャリアに関するパートナーへの期待は男女間で異なり、「パートナーにはできるだけキャリアアップしてほしい」と回答したのは、男性14%に対し女性44%となりました。キャリアに関してはパートナーの男性に期待をかける女性が一定数存在することがわかります。
同調査における参考資料:
同調査におけるファミリーキャリアの分類は、ハーバード・ビジネス・レビューで紹介されたファミリーキャリアの5モデルをもとに設問設計を行っています。
<5つのキャリア>
1.シングル・キャリア:
従来型のキャリアモデル。夫婦の1人が、すべてを決定づけるキャリアを持っていて、配偶者と子どもはそのキャリアに従う。夫婦の1人が仕事に全面的に注力でき、パートナーは他のすべての役割に対応できるが、収入のことを考える必要はない。(例)専業主婦・主夫
2.リード・キャリア:
シングル・キャリアから派生したモデル。一方のキャリアが明らかに支配的で、夫婦の生活の場所や、転居先を決定づける。パートナーは、パートタイムや融通のきくフリーランス、あるいは教職やオンライン作業などのキャリアを持っている。(例)夫は正社員、妻はパート
3.交替型キャリア:
両者が平等な機会交替を持つモデル。それぞれが次の昇進や地理的な移動に対する優先権を持ち、パートナーは役割の調整に合意する。(例)今は夫がMBA。卒業したら妻が取得等。
4.並行型キャリア:
いわゆる「パワー・カップル」と呼ばれることもある、それぞれが似たような非常に有力なキャリアを持つ夫婦。互いに補強し合う職業的ネットワークと知識を持ち、互いのキャリアを強化し合っていることが多い。(例)夫婦2名ともバリバリ働く
5.補完型キャリア:
仕事の性質、キャリアフェーズ、繁忙期、時間帯などが異なる夫婦。年間あるいは人生の段階において、両者の大変な時期が重ならない。(例)夫は夜勤。妻は日勤等。
(出典:ハーバード・ビジネス・レビュー「共働き夫婦の人生を充実させるには、「家族としてのキャリア」計画が必要である」(2018年3月29日))
調査概要
調査期間:2023年9月1日〜9月9日
調査機関:自社調査
調査対象:OsidOriを利用する男女
有効回答数:326人
調査方法:インターネット調査
OsidOri
https://www.osidori.co/
(マイナビ子育て編集部)