【助産師解説】授乳中のおやつは何カロリーまで?食べ方の注意点とおすすめ5選
何かとお腹がすく授乳中。間食のおやつは何キロカロリーまで食べてもOKなのでしょうか?食べ方のポイントや注意点について助産師が解説します。市販のものから手作りまで、おすすめのおやつもご紹介!
授乳中はおやつをたくさん食べてもいい?
授乳中は赤ちゃんにエネルギーを持っていかれるので、いつもより多く食べなければいけないとよくいわれますが、総摂取カロリーの目安はどれぐらいなのでしょうか?また、間食はどれぐらいとっても大丈夫なのでしょうか?
授乳中は授乳分のエネルギーを適切に補おう
授乳中はママが摂った栄養を母乳で赤ちゃんにも分け与えているため、しっかり食べていても、とにかくお腹がすくというママも多いでしょう。このようなこともあり、妊娠・授乳中は「二人分食べろ」と言われていた時代もありましたが、実は授乳中の総摂取カロリーは成人女性の推奨摂取エネルギー+350kcalで十分とされています。[*1]ただ、母乳育児の場合は1日の授乳回数や量に個人差が出やすいので、どれぐらい飲ませているかによって必要なエネルギーは変わってくるとも言えます。
個人差はありますが、一般的に母乳だけで育つ赤ちゃんは、1ヶ月の頃には1日に700ml、3~4ヶ月頃には1000ml近く飲むとされます。母乳は100mlで60〜70キロカロリー消費するので、与えた分だけのエネルギーは補う必要があるでしょう。母乳のみか混合か、授乳回数や赤ちゃんの飲む量によって与えるエネルギーは変わってくるので、朝・昼・晩の3食におやつや間食を適切に加えて、必要なエネルギーを上手に摂ることが大切です。
反対に、ミルク育児の場合は赤ちゃんに持っていかれるエネルギーがないので、付加量は必要ありません。食べすぎには十分注意しましょう。
おやつのとり方の注意点
お腹がすいたら適度な間食やおやつでエネルギーを摂取することは大切ですが、おやつだけでお腹を満たそうとするのはいけません。
授乳中は何かとお腹がすくので、いつもより頻繁におやつに手が伸びやすいです。手軽に食べられるおやつに慣れてしまうと、ついついそれだけでお腹を満たしてしまいがちになりますが、これはNGです。産後に必要な栄養は食事で摂ることが重要なので、おやつはあくまでも小腹がすいたときの対策や、リラックスタイムのお楽しみととらえ、必要な栄養は1日3回の食事でしっかり摂るよう心がけましょう。できれば、おやつは1日何回と決め、時間もある程度決めておくといいですね。そのうえで、どうしてもお腹がすいたときはカロリーを効率よく摂取できるもので対応するのがベストでしょう。
授乳中は水分補給もしっかりと
また、授乳中はこまめな水分補給も大切です。授乳すると栄養と一緒に水分も出ていくので、意識的に水分をとらないと脱水になりやすいためです。授乳中は1日に1~1.5リットルを目安に水分をとりましょう。その際は、常温か温かいお水、ノンカフェインのお茶が好ましいですね。カフェイン入りの飲料はNGではありませんが、妊娠中や授乳中はカフェインの影響がより大きくなるとの見解があるので、できれば控えた方がいいでしょう。多くてもコーヒーでマグカップ2杯程度(300mgを超えないくらい)にとどめることがすすめられます。[*2]
食事の前後、授乳の前後、トイレのあと、お風呂の前後など、「何かをしたら一口飲む」ようにすると、こまめで十分な水分が補給できますよ。
授乳中のおやつには何がいい?おすすめ5選
では、授乳中のおやつには何がいいのでしょうか?食べてもダメなものはあるの?など、気になる疑問にお答えします。市販のおやつや簡単に作れるおすすめの手作りおやつもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、おやつとは?
おすすめのおやつについて見ていく前に、まずは“おやつ”の意味について詳しく知っておきましょう。
おやつは、食事と食事の間が開きすぎるときに、軽めの間食で補う目的で食べるものです。特に、昼食から夕食までの間は時間があいてしまうことが多いです。食事の間隔が開きすぎると、次の食事の際に食べすぎてしまうので、それを防ぐために適度にお腹を満たす目的で作られた習慣が、おやつというわけです。
一般的に、おやつと聞くと甘いものをイメージしがちですが、おやつ=お菓子やスイーツというわけではないんですね。穀物や野菜だって、食べ方によっては立派なおやつになります。
ちなみに、“おやつ”の語源は江戸時代の習慣から来ています。まだ1日2食が一般的だった江戸時代は「八つ時(現在の午後2時から3時ごろ)」に小昼という間食をとっていました。この、和時計の「八つ時(やつどき)」の言葉をとって、この間に食べる間食を“おやつ”と呼ぶようになったようです。
授乳中におすすめの市販おやつはある?
授乳中は妊娠中と同様、食べるものに神経質になりがちですが、授乳中だから「これはNG」という食べ物はありません。普段と同じようにトータルカロリーを意識すれば、基本的には何を食べてもかまいません。
おやつも、リラックスタイムに好きなものを食べたり、ちょっとした間食に食べやすいものを選んでもらって大丈夫です。
ただし、糖分のとりすぎと食べすぎには注意が必要です。「何か一種類に偏って大量に食べる」などもやめましょう。常に適度を心がけたうえで、おやつ選びを楽しんでくださいね。
授乳中におすすめの手作りおやつ5選
家事や育児に追われて時間のやりくりがなかなか難しい授乳期ではありますが、もし余裕があるのであれば、気分転換に簡単でヘルシーなおやつを手作りしてみてもいいかもしれません。
もちろん、市販のものを食べて悪いことはまったくありませんので、おやつを手作りしたいというママだけが参考程度に見ていただければと思います。時短、かつ簡単に作れるものだけをいくつかピックアップしたので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
<おにぎり>
手軽に食べられるおにぎりは、何かとお腹がすきやすい授乳中のおやつにぴったり。効率よくカロリーを摂取できる、健康的なおやつとしておすすめです。
・おやつアレンジのポイント
小さいサイズににぎったものを冷凍保存しておけば、食べたいときにすぐ食べることができます。中に入れられる具材のレパートリーも豊富なので、味を変えて飽きずに食べられます。
<煮干しを使ったおやつ>
出汁のイメージが強い煮干しですが、カルシウムや鉄分などミネラルたっぷりで、食べても美味しいんです。
・おやつアレンジのコツ
大きめの煮干しは苦みが強いので、そのまま食べるには小さめの方がいいかもしれません。くるみと一緒に乾煎り(からいり:油を入れずに熱する)して蜂蜜・醤油を絡めたり、マリネっぽく酢漬けにすると手軽においしくいただけます。
<寒天を使ったおやつ>
寒天は食物繊維が豊富なので、便秘が気になる授乳期のおやつには最適な食材です。
・おやつアレンジのコツ
好みの材料と合わせ、煮溶かして冷やし固めると、ひんやりおいしいおやつになります。牛乳寒天のほかにも、缶詰のゆで小豆に水と粉寒天を入れて熱して、器に入れて冷やし固めれば、優しい甘さの水ようかんができます。
<ヨーグルトを使ったおやつ>
スーパーなどの店頭には色々な菌種を使ったヨーグルトが売られていますが、それぞれ期待できる効果も若干異なるようです。味の好みの他にも菌種も意識して選んでみるのもいいかもしれません。
・おやつアレンジのコツ
ヨーグルトはそのまま食べても美味しいですが、ドライフルーツやシリアルなどを入れて味や食感を変えると、満足度もupします。
<おからを使ったおやつ>
「卯の花」などとも呼ばれる“おから”は、豆腐を作るときに出る搾りかすですが、食物繊維やカルシウム、たんぱく質などを豊富に含んでいます。おかずだけでなく、お菓子の材料としても活躍してくれます。
・おやつアレンジのコツ
生のおからは日持ちしないので、扱いやすい「おからパウダー」などを活用するといいでしょう。
授乳中におススメレシピ
【簡単!】おからパウダー入りビスコッティ
~ザクザク食感がおいしい手作りビスコッティでおなかも心も満足させよう~
<1枚約40kcal>
レシピのポイント
●おからは食物繊維たっぷりです
●今回はフルーツグラノーラを使いました。オーツ麦や色々なドライフルーツ、ナッツなどが入っていて、それぞれの材料を一から揃えなくても大丈夫なので楽ですし、残ったものは朝食などに気軽に食べられるので材料が余ることもなく、おすすめです
●最後に粉糖を振ることで、全体的には甘さ控えめなビスコッティ―でも甘みを感じやすくできます
まとめ
授乳中は赤ちゃんにもママのエネルギーを分けてあげなければならないので、その分を食事と間食(おやつ)で摂る必要があります。基本は成人女性の推奨エネルギー摂取量+350kcalを目安とし、授乳量や頻度に合わせて調節しましょう。基本的に授乳中にNGな食べ物はないので、糖分のとりすぎ・食べすぎなどに気をつけ、バランスよく楽しく食事を楽しみましょう。余裕があれば、気分転換に簡単ヘルシーなおやつを手作りしてみてもいいですね。不足しがちな栄養素を補えるおやつを意識すると、なおいいでしょう。買い置き、作り置きしたものを小分けにしておくと、食べたいときにぱっと食べられ、食べすぎも防げるのでお勧めです。
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます