つわりの時に頼りたいコンビニの食べ物|食べやすいものは?注意点とともに解説【管理栄養士監修】
調理済みの食品が豊富に揃っているコンビニ。1食分ずつ個包装されているものや食べきりサイズのパックもあり、つわりで食欲がなく少しだけ食べたい時や、夜中に小腹が空いた時にも利用できますよね。そこで、つわりの時に食べやすいと考えられるコンビニの食べ物について、気を付けてほしいことも含めてお伝えします。
つわりでも食べやすいコンビニの食べ物は?
つわりの原因は定かではないため、誰にでも当てはまるような「つわりにいい食材」を言うことは難しいですが、身近な存在のコンビニで、体調にあった食べ物や飲み物を見つけられたらいいですね。どんなものがあるのでしょうか。
梅干し・カリカリ梅
梅干しやカリカリ梅のようにすっぱいものが食べたくなる妊婦さんがいますが、含まれているクエン酸などの酸が口の中をさっぱりさせてくれるからだと考えられます。食欲がなくてもサッとつまめるのがいいですよね。
梅干しを食べる時のポイント
梅干しやカリカリ梅で気になるのは塩分です。妊婦の1日の食塩摂取の目標量は6.5g未満とされています[*1]。梅干し(塩漬け)は10g程度の中サイズのものでも1.8gの塩分量があり[*2]、それだけで1食分に近い塩分を摂ってしまうことになります。
また、カリカリ梅はチャック付きの袋入りで販売されているものを多く見かけますが、1日に1袋すべてを食べると1食分以上の塩分に相当する場合が多いです。
塩分の摂りすぎを防ぐためにも、梅干しを食べる量に注意するほか、その他のメニューの塩分を少なくするような工夫が必要です。食事から摂取する塩分を考慮すると、1日に食べる梅干しは1個、カリカリ梅は2個までに留め、翌日は食べないようにするなど調整しましょう。
コンビニには干し梅もありますが、1袋あたりの食塩相当量はカリカリ梅とほとんど変わらないものが多いので、同様に考えてくださいね。
アイスクリーム
ひんやりとしたアイスクリームは、食べやすいと感じる方も多いかもしれませんね。コンビニでもさまざまなタイプのアイスクリームが売られており、好みのものが選べて便利でしょう。レモン味やグレープフルーツ味などは、口の中もさっぱりしていいかもしれませんね。
アイスクリームはカロリーや脂肪分が多いですが、シャーベットやかき氷ような氷菓であれば、アイスクリームよりもカロリーを抑えられますよ。
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ゼリー
ゼリーは冷たくて口当たりがよい食品です。つわりの時期にはそうしたものを好む方もいらっしゃるでしょう。コンビニに売っている1人前のカップゼリーは果物の入っているものもあり、果物入りを選ぶとビタミンやカリウムなどのミネラル補給もできます。
ヨーグルト
ゼリーと同じく、なめらかな食感でのどに通りやすいヨーグルトも食べやすいでしょう。栄養面でもおすすめできます。
妊娠中はホルモンバランスの変化の影響で大腸の動きが弱まり、便秘になりやすいとも言われますが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内環境を整え、便通の改善に働きかけることも期待できます。また、不足しがちなカルシウムを摂れるのもよいですね。
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カットフルーツ
最近はコンビニで手軽にカットフルーツが手に入りますよね。果物を切る手間なく食べられるカットフルーツはつわりの時にも便利でしょう。
果物からはカリウムなどのミネラル、ビタミン、食物繊維、水分を摂ることができます。柑橘類にはクエン酸も豊富です。また、冷凍のフルーツでも栄養価はほとんど変わらない[*3]ので、そちらを利用してもよいでしょう。
果物は糖質が多いので、食べすぎには気をつけてくださいね。
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ミニトマト
ひとつまみで口に入れやすいミニトマト(プチトマト)は水分が多く、ほどよい酸味もあり、さっぱりとして食べやすいという人も少なくないでしょう。
ミニトマトにはビタミンやβ-カロテン、カリウムなどが含まれます。カリウムはむくみ予防のためにも摂りたい栄養素です。妊娠中はホルモンの影響などでむくみやすくなっており、ナトリウム(塩分)の摂りすぎもその要因となりますが、カリウムはナトリウムの排泄を促す作用があります。
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フライドポテト
つわり中にフライドポテトが食べやすくなる妊婦さんもいらっしゃるようです。じゃがいもはにおいが弱い食材であることも食べやすさの要因の1つかもしれません。
フライドポテトなどのホットスナックを食べることに罪悪感を持ってしまう方もいるかもしれませんが、食べてはだめということはありません。つわりの時は食べられるものを食べたい時に食べて大丈夫です。
ただし確かにカロリーや塩分が多いというデメリットがあります。食べる頻度が多くならないようにしたり、表面についている塩を払って食べたりするといいでしょう。揚げ物のため脂質も多めなので、胃もたれにも気をつけて食べてくださいね。
コンビニおにぎりはつわり向き?不向き?
コンビニ商品の大定番であるおにぎり。つわりでご飯が食べにくくなる場合もありますが、コンビニのおにぎりはつわり中の食べ物として、どうなのでしょうか?
ご飯が冷たいので食べやすい場合も
つわり中にご飯のにおいが苦手になり、炊き立ての温かいご飯で気持ち悪くなるというケースがありますが、温かいご飯で気になるにおいは冷ますことで軽減されます。コンビニのおにぎりをご飯の代わりにすれば、ご飯を炊く必要がないうえ、温めなくてもおいしく食べられるという利点があるでしょう。
また、冷たいご飯に含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は、食物繊維と同じく腸内細菌のエサになるので、腸内環境を整えて便通がよくなることが期待できます[*4]。
食べやすいおにぎりの具
■梅:酸味があり食べやすいでしょう。
■焼き鮭、ツナ:つわりの軽減効果があるとされるビタミンB6を含むのでおすすめです。
■塩むすび:具がなくシンプルな塩味で食べやすいかもしれません。
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注意したいおにぎりの具
■明太子(たらこ)、いくらなどの生の食材:リステリア菌の食中毒が心配されるので、避けるのが安心です。
リステリア菌のリスクのある主な食品について詳しくはこちら
▶明太子 ▶たらこ ▶いくら ▶チーズ ▶生ハム
巻き寿司もおすすめ
コンビニの巻き寿司もおにぎりように手軽に食べられる商品です。冷たいまま食べられるので、ご飯のにおいが気になりにくいですね。また、酢飯なので、お酢の酸味でご飯がさっぱり感じられ食べやすいでしょう。
ただし、魚介類などの生ものを使用した具材は、おにぎり同様に避けてください。納豆巻き、かんぴょう巻き、サラダ巻き、ツナマヨネーズ巻きといったものを選びましょう。
おすすめの飲み物
嘔吐や食べられないことによる脱水を起こさないためにも、普段から水分補給は大切です。最後につわりの時におすすめできる飲み物を紹介します。
1.麦茶
緑茶や紅茶、ウーロン茶などのお茶にはカフェインが含まれますが、麦茶はお茶の中でもカフェインを含みません。妊娠中はカフェインの摂取量に注意が必要ですが(少量であれば問題ありません)、その点、麦茶はカフェインの摂りすぎを心配せずに飲むことができます。さらにミネラルも補給できるのでおすすめです。
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2.経口補水液
嘔吐があったり、食べられない状態が続いたりすると、脱水が心配されます。塩分やブドウ糖、ミネラルを含む経口補水液やスポーツ飲料を飲むと、脱水を予防することができます。ただし、スポーツ飲料は経口補水液と比べて糖質が多い傾向があるので、飲み過ぎるとカロリーの摂りすぎにつながります。
3.炭酸水
つわり中に口の中の不快感がある時に、炭酸水のシュワシュワとした口触りが、それを少し緩和することもあるでしょう。炭酸水には味のついたものと無糖タイプがあります。なるべく無糖のタイプを選ぶとよいでしょう。甘い炭酸飲料の場合には糖質が入っているので注意してください。
量はコップ1杯程度を目安に。炭酸が胃腸を刺激しすぎたり、おなかが膨らみ苦しくなることも考えられるので、飲む量は様子をみて調整するようにしてくださいね。
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まとめ
つわりの症状は人それぞれ異なり、食べられるものも変わってきます。つわりのつらさは精神的な負担にもなります。コンビニを上手く利用して無理をしないようにしたいですね。生ものは避け、特定の食品の摂りすぎなど偏った食生活にならないようにしながら、今何が食べられるのかを探してみてください。
(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです