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2026年08月28日 10:03

「学校行きたくない」と言われたら? 9月1日を前に親が知っておきたい不登校のこと【体験談あり】

毎年、夏休みを終え新学期を迎えるこの時期は、子どもたちの心と体に大きな負担がかかる時期でもあります。「夏休みが終わるのが怖い」「学校へ行きたくない」そんな気持ちを抱える子どもも少なくありません。

始業式を目前に、わが子の様子がいつもと違うと、「無理にでも登校させたほうがいい?」「このまま休ませて大丈夫?」と不安になる保護者は多いでしょう。焦って背中を押す前に知っておきたいのが、不登校を経験した家庭や支援者たちの言葉です。

これまでにマイナビ子育てで反響を集めた記事から、経験者の実体験や専門家の言葉をまとめました。

(※画像はイメージです)

二学期を前に知っておきたい「不登校は特別なことではない」という現実

文部科学省の公表データ(令和6年度調査)によると、不登校状態の小中学生は、全国で35万人を超えています。不登校者数を見ると、小学校では約44人に1人、中学校では約15人に1人の割合で、不登校の子どもがいる計算になります。

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【体験談】ある不登校家族の物語

実際に子どもが中学生のときに不登校を経験した保護者の体験談を紹介します。

「まず学校へ行かせることばかり考えていた……」

(※画像はイメージです)

マイナビ子育ての取材に応じてくれた飯田さん夫妻(仮名)の長女は、中学1年生の秋頃から腹痛などを訴え、学校を休みがちになりました。

最初のきっかけは、クラスメイトとのトラブル。しかし具体的なことは話したがらず、親にも担任にも詳細がわからないまま――。
娘さんは朝起きて、学校に行こうとして支度をするものの、靴を履くとおなかが痛くなって座り込んでしまうことが増えていきました。
なんとか家を出て電車に乗っても、乗り換え駅のトイレから「少し休んでから行くから学校に遅刻の連絡をして」と連絡が来ることもたびたびです。

母親の美紀さんは当初、「15分休んだら行きなさいよ」「また戻ってくるの?」「せっかくお弁当を作ったのに」と娘を責めるような言葉をかけてしまったといいます。

「今思えば、娘はなんとか学校に行こうととっても頑張っていたのに、わかってあげられなかったんです」

「学校へ行かなければ」という一心で頑張り続けた娘さんは追いつめられ、自分で髪をむしって抜くようになってしまいました。

「こんなにつらいのなら、無理して学校に行かなくてもいい、それより娘が笑顔でいることのほうがずっと大事だ、と考えるようになりました」
「きっと娘は今、骨折しているような状態。骨が折れたまま無理に走っても治らないから、いったん休んで骨を治してから歩くことを始めればいい」

床に落ちた大量の髪の毛を掃除しながら、美紀さんは「いったんゆっくり休もう」と語りかけたといいます。

親は絶対的な味方であることを伝えた

(※画像はイメージです)
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不登校関係の本を読んだり、YouTubeを見たりして、娘の心にどう寄り添えばいいのかを学び始めた美紀さん。

不登校について学ぶなかで、学校へ戻すことだけが目標ではないと考えるようになり、娘さんの好きなアイドルの話をしたり、一緒に動画を見たりして過ごす時間を大切にしたそうです。

一方、父親の博司さんも当初は「せっかく受験して入った学校なのに」「どうしたら学校へ行けるようになるのか」とばかり考えていました。しかし次第に、

「何よりもいちばん大事なのは娘が生きていること」

という考えに変わっていったといいます。

「私は娘の味方であること、大事に思っていること、愛していることを本人に伝えました」

大学進学を目指し、前向きな選択

(※画像はイメージです)
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その後、娘さんは中学2年生に進級。クラス替えで配慮があったこともあり、一学期は楽しそうに登校していましたが、秋ごろからは週2~3日程度休み、週2~3日程度遅刻という通学状況になりました。
それでも美紀さんは「わかったよ、ゆっくり休みな」と言えるように。あえて学校のことは話題に出さないようにしていたそうです。

中学3年生になってからも、休んだり遅刻したりしながら登校していましたが、クラスでお弁当を食べられなくなり、保健室でおにぎりを食べるような状況が続きました。

中3の冬には不眠症状も出始めたため、心療内科を受診。スクールカウンセラーの面談も受けることにしました。保健室の先生にもたくさん話を聞いてもらっていたといいます。

そのまま中高一貫校の高校に進学しましたが、高校1年生の冬ごろから体調が悪化。通信制高校への転校を考え始めます。

「このままこの学校で勉強できる気がしないから、通信を考えてみようかな」

早速いくつかの通信制高校の資料を取り寄せて3〜4校の見学に行き、通信制への編入を決めました。現在は、自宅で課題やレポートに取り組み、月に1回通学。大学進学を目指しながら学びを続け、学校でできた友人との交流も楽しんでいるそうです。

夫婦ともに中高一貫校から大学進学して会社に勤める人生を歩んできたという飯田さんですが、子育てを通して考え方の幅が大きく広がったといいます。

「子どもが自分で選んだのなら大学に行かなくてもいいし、行ってもいいし、いろんな生き方があるという考え方ができるようになりました」

焦るときこそ大切にしたい。不登校支援の専門家が伝える「5つの心構え」

不登校サポート全体を通して、大事にしてほしいマインドセット

・心構え1 スモールステップで

・心構え2 好きなことから

・心構え3 子どもが自分で決める

・心構え4 生活習慣が最優先

・心構え5 チャレンジそのものに価値を置く

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「毎日学校に行く」「教室に戻る」といった大きな目標ばかりを見てしまうと、親子ともに苦しくなりがちです。まずは「朝起きられた」「家族と会話できた」「外へ出られた」など、小さな変化や挑戦に目を向けます。達成できる目標を積み重ねることで、子どもは少しずつ自信を取り戻していきます。

勉強など「何か将来につながることを」と考えがちですが、まずは本人が興味を持てることを大切にすることも重要です。好きなことや得意なことに取り組み、「できた」「楽しい」という感覚を積み重ねることが、次の挑戦へのエネルギーになります。

また、「どうしたいか」を考え、選ぶ経験そのものが子どもの力になります。学校へ行くか休むか、どのように学ぶかなどについても、できる範囲で本人の意思を尊重しながら進めることが、自信や主体性を育てることにつながります。

そのためにも、土台となる生活リズムを整えることは最優先です。心身が疲れている状態では、新しいことに挑戦するエネルギーも生まれにくいからです。学習や進路を考える前に、睡眠や食事など生活習慣が安定するよう、サポートしてあげてください。

そして大切なのは、結果より「挑戦したこと」に目を向けることです。
「できた」「できなかった」という結果ではなく、チャレンジしようとした気持ちや過程を認めてあげることが、子どもの自信につながります。
元小学校教師で、オンラインフリースクール「コンコン」代表の福田さんは「チャレンジそのものを評価するようになると、やる気が持続し、次なる困難に立ち向かう勇気が湧いてくる」といいます。

「どうして?」よりも先に、気持ちを受け止める

(※画像はイメージです)

不登校の兆しがあると、親としてはやはり理由を知りたくなるはずです。「何か嫌なことがあったの?」「先生に連絡したほうがいい?」と、すぐに問題解決へ向かいたくなるかもしれません。

しかし、息子の不登校に悩んだ経験を持つ心理カウンセラーの富永愛梨さんは、『息子が不登校だった心理カウンセラーが伝えたい 不登校の子が元気になる言葉 つらくなる言葉』の中で、まず大切なのは原因を突き止めることよりも、子どもの気持ちを受け止めることだとしています。

たとえば、学校が怖いと訴えたときには、

「学校が怖いと感じているんだね」
「話してくれてありがとう」
「お母さん(お父さん)にできることはあるかな?」

といった声かけが、子どもに安心感を与えるといいます。

子ども自身も、なぜつらいのか言葉にできていないことは珍しくありません。そんなときに理由を問い詰められると、さらに気持ちを閉ざしてしまう可能性があります。

親が大切にしたいのは、「学校に行けるようにすること」を急ぐことではなく、「我が子は今どんな気持ちなのか」を理解しようとする姿勢です。

「学校へ戻る」はゴールじゃない

(※画像はイメージです)
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富永さんは同書で、本当に目指したいのは安定して登校することではなく、将来に向けて自立する力を育むことだと説いています。

そのために大切なのは、「今はまだできないだけ」「慣れればできるようになるかもしれない」という感覚を育てること。
できないことを失敗と捉えるのではなく、成長の途中だと考えられるようになると、「どうせ無理」と諦めるのではなく、「やってみよう」という前向きな気持ちが生まれやすくなります。

社会の中で生きていくうえで必要なのは、勉強や成績だけではありません。

人に頼ること、自分の気持ちを伝えること、無理をしすぎないこと、休息を取ること、助けを求めること、嫌なことに「嫌だ」と言うこと……完璧を目指さず、ときには力を抜いたり、受け流したりできることも、大切な力です。

子どもが不登校の期間を過ごしていると、「何も前に進めていないのでは」と不安になることもあるでしょう。しかし見方を変えれば、子どもは自分なりのペースで、困難と向き合う力や自分を守る力を身につけている最中なのかもしれません。

長い人生を見据えながら、「この子は今、どんな力を育てているのだろう」と考えてみたとき、見えてくるものがあるのではないでしょうか。

「仕事を辞めざるを得なかった」親たちの現実

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不登校について語られるとき、どうしても子ども本人に注目が集まりがちです。しかし、影響は家庭全体に及びます。

オンラインフリースクールを運営するSOZOWが、スクールに在籍する不登校の子どもを持つ保護者を対象に行った調査では、18.7%の保護者が「仕事を辞めざるを得なかった」と回答しました。およそ5人に1人が、子どもの見守りやサポートのために離職を経験している計算です。

子どもを一人で家に残せない不安や学校とのやり取り、支援先探しなどへの対応に追われるなか、仕事との両立に悩む保護者は少なくありません。収入減や孤立、精神的な負担につながるケースも指摘されています。

(出典:SOZOW『学校からの情報提供に関する不登校保護者アンケート』2024年)

「相談するほどではない」と思う段階こそ頼ってほしい

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子どもが「学校へ行きたくない」と口にしたり、新学期が近づくにつれて表情が暗くなったりしても、「まだ不登校ではないから」「もう少し様子を見よう」と考える保護者は少なくありません。

しかし、悩みや不安を抱え込む前に相談先を知っておくことは、子どもだけでなく保護者自身の安心にもつながります。

担任や養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど学内での連携はもちろんのこと、自治体の教育支援センター(適応指導教室)や教育相談窓口、小児科や児童精神科、民間のフリースクールや支援団体など、相談できる場所は学校の外にも広がっています。

(※画像はイメージです)

相談する目的は、無理に学校へ戻す方法を見つけることではありません。子どもの状態を客観的に見つめたり、親の不安を整理したりすることも大切な一歩であることを、是非知っておいてください。

(マイナビ子育て編集部)

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