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2026年11月07日 08:21

8歳児がトイレの消臭スプレーで全身やけど。事故の原因となった“まさかの行動”|親が知りたい子供の危険

消臭剤や殺虫剤など、家庭に何気なく置いているスプレー缶。子どもの手が届く場所に置いていませんか? 8歳の男の子に実際に起きた事故から、スプレー缶に潜む意外な危険と事故を防ぐポイントを紹介します。

トイレで8歳男児が全身やけど。その原因は

8歳のAくんは自宅のトイレで臭いを消そうと、トイレ消臭剤をスプレーしました。しかし臭いは十分に消えませんでした。そのとき、祖母がトイレに置いていたマッチが目に入りました。

消臭スプレーを使用したトイレでマッチを着火

マッチで消臭できると聞いていたAくんは、マッチに火をつけました。すると、スプレーのガスに引火。Aくんは顔や腕などにやけどを負ってしまったのです。

その後、すぐに近くの皮膚科を受診。顔面にやけどを負っていたこと、声が枯れていたことから気道熱傷が疑われ、呼吸困難になるおそれがあったため救急車で別の病院へ。顔や腕、太ももなどにI~II度のやけどがあり、II度熱傷は体表面積の12%に及ぶと診断されました。検査の結果気道に明らかな熱傷は認められませんでしたが、遅れて気道がふさがる可能性もあったため、翌日まで集中治療室で呼吸状態などを観察。その後もやけどの治療を続け、2週間後に退院しました [*1] 。

なぜマッチが引火した?

スプレー缶には噴射剤としてLPGやDMEといった可燃性のガスが使用されています。溶媒としてエタノールが含有されていることもあります。今回の事故は、トイレでスプレーをした直後にマッチの火をつけたため、スプレー缶に含まれていた可燃性のガスやエタノールに引火したと考えられます。

Aくんは、「マッチでトイレの臭いを消せる」という情報をもとに、狭いトイレ内でスプレー缶とマッチを使用しました。確かにインターネット上では、マッチによるトイレの消臭方法が動画配信サイトなどで複数発信されています。しかし、マッチによる消臭に科学的な根拠はないということです[*1]。

火気のある場所での使用・放置でスプレー缶破裂の危険

引火の可能性があることから、スプレー缶を火気の近くで使うことや、放置することは非常に危険です。過去には、使用中の石油ファンヒーターの前に整髪スプレーを置いてしまい、加熱されたスプレー缶が破裂。住人は軽症を負い、窓ガラスが割れ、天井に穴が開いてしまう事故が起きています。また、スプレー缶の洗浄剤でガスコンロを掃除した後にコンロを点火して爆発したケースも報告されています。殺虫剤を台所で使用し、コンロの火に燃え移ったケースもあります[*2]。

コンロから離れたところで引火、静電気で着火した事例も

「さすがに火のそばではスプレー缶を使用しない」と思っていても、対策が不十分だったり、意外なところに火気があったりして事故につながることもあります。

弱火にしたガス火から2m離れたところでスプレー缶の空気を抜いていたところ、引火して顔面と両腕をやけどした事故も[*3]。また、洗面台の付近で複数のスプレー缶の穴開けをしていて火災になったケースもあります。換気の悪い場所で複数のスプレー缶のガスを抜いたことで、可燃性のガスが滞留。当時は空気が乾燥していたため衣服の静電気で火花が発生し、着火したと考えられています[*4]。

高温になる場所での保管も危険

火気がなくても、直射日光が当たる場所や高温になる場所も危険です。車のダッシュボードの上に置いていたスプレー缶が破裂してフロントガラスが割れた事故も起きています。これは、直射日光により加熱され、内圧が上がって破裂したものと考えられています。気温が高い日の車内など、40℃以上になる場所や直射日光が当たる場所に置くことも避けましょう[*4] 。

スプレー缶による事故を防ぐために

消臭剤、殺虫剤、整髪剤などに使われ、身近なスプレー缶。スプレー缶による事故を起こさないために、使用時・保管時は次のことに気をつけてください。

子どもの手が届かない場所に保管する

事故につながらないよう、スプレー缶は子どもの手の届かないところに保管してください。マッチやライターなど火を起こすものも絶対に手の届かない場所に置きましょう。Aくんの事例のような引火事故のほか、子どもの場合は誤って顔などに噴射してしまう可能性があります。子どもに使う場合も、大人が製品の表示に従って使うようにしましょう。

スプレー缶は日常でよく使用するものもありますが、子どもがいる家庭では使ったらすぐに片付けてください。自宅以外の訪問先でも、子どもが触れないように注意を払いましょう。

火気のある場所では絶対に使用しない

火気がある場所での使用は絶対にやめましょう。冬場も、スプレー缶を暖房器具や火気の近くで使用しないでください。使用時・使用後は出入り口を開けるなどして十分に換気し、換気が終わるまでは火気や火花が発生する機器を使用しないようにしましょう[*5]。

冷却スプレーなどを衣類に使用した後も、近くでライターやこんろを点火しないでください。可燃性ガスに引火し、衣類に着火するおそれがあります[*6]。

直射日光、高温になる場所に置かない

直接の火気がなくても、スプレー缶は高温の場所に置いておくと危険です。直射日光の当たる場所、40℃以上の高温になる場所に置かないようにしましょう[*3]。

廃棄時のガス抜きなども屋外の風通しのよい場所で

スプレー缶の中身やガスを出し切る必要がある場合は、製品の表示を確認し、火気のない屋外の風通しのよい場所で行います。スプレー缶を振ってシャカシャカと音がする場合はまだ中身が残っています。中身が残ったまま穴を開けると、漏れ出た可燃性ガスに引火するおそれがあります。穴開けが必要かどうかも含め、廃棄方法は自治体のルールに従ってください[*5] 。

まとめ

子どもは危機意識が十分に育っていないことから、スプレー缶の近くで火気を使用し、事故につながることがあります。また、スプレー缶を誤って顔などに噴射することもあります。こうした事故を起こさないよう、スプレー缶やマッチ、ライターなどは子どもの手の届かない場所に置きましょう。

また、大人でもうっかり火気のそばで使用してしまい、火事を起こしたりやけどを負ったりすることがあります。ガス器具や暖房器具のほか、たばこや蚊取り線香などの小さな火の近くでも使用しないでください。スプレー缶の使用時・使用後は出入り口を開けるなどして十分に換気し、換気が終わるまでは火気や火花が発生する機器を使用しないようにしましょう。また車内など高温になる場所や直射日光が当たる場所にも放置しないようにしてください。

子どもがいると毎日が慌ただしく、こうした基本的な注意もおろそかになりがちです。今一度スプレー缶の製品の注意書きも確認して、安全に使用してください。

(文・構成:佐藤華奈子、監修:眞鍋 憲正先生/マイナビ子育て編集部)

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