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2026年04月23日 07:36 更新

新宿区の小学校で学年閉鎖。麻しん(はしか)の感染が拡大。子ども・妊婦に必要な対策は?

4月9日、東京都新宿区内の小学校で麻しん(はしか)の集団発生が確認され、学年閉鎖の対応が取られました。麻しんは感染力が非常に強く、海外渡航歴がなくても広がる感染症です。ワクチンを接種していても感染するケースが報告されている今、子どもや妊婦を守るために知っておきたいポイントを整理します。

2026年、麻しん(はしか)が流行している

マスクをした小学生
※画像はイメージです

新宿区の小学校で何が起きた? 東京都の麻しん(はしか)流行の状況について

4月9日、東京都新宿区の小学校で麻しん患者が発生しました。10代・40代の児童と教職員、合計18名が感染。うち、16名は2回のワクチン接種を受けていることが確認されています。また、感染者に海外渡航歴はないとのこと。小学校では学年閉鎖などの対応が実施されています。

東京都保健医療局は、今回の集団感染を受け、体調が悪い場合は外出・移動・人に会うことを控え、自宅などで療養すること、麻しんを疑う症状がある場合は、必ず事前に医療機関に連絡のうえで、公共交通機関の利用を控えて、医療機関の指示に従って受診することを呼びかけています[*1]。

東京都では、2026年に入り麻しんの患者報告数が急増。特に10代から30代の若年層の感染が増えているとして、都が注意喚起を行っています[*2]。

国内の麻しんの報告数は2020年以来最多

東京都だけの問題ではありません。2026年に入り、日本各地で海外からのウイルス流入や集団感染事例が相次いで報告されており、厚生労働省[*3]や日本小児科学会[*4]も注意喚起を行っています。

国立健康危機管理研究機構によると、2026年第1~14週に診断された麻しんの累積報告数は236例と、2020年以降で最多となっています。しかも年初に比べ直近の報告数が増加しており、流行が拡大していることがうかがえます[*5]。

麻しん(はしか)とは、どんな感染症?なぜここまで広がる?

注射を受ける少女
※画像はイメージです。

麻しんとは

麻しんは、麻しんウイルスが引き起こす急性の全身感染症で、一般に「はしか」とも呼ばれます。麻しんウイルスの感染経路は、飛沫感染、空気感染、接触感染。人から人へ感染し、その感染力は非常に強力で、免疫がない人が接触すると高確率で感染します。

麻しんの症状

麻しんの潜伏期間は感染後10~12日。まず発熱や咳、鼻水など、風邪のような症状が2~3日続きます。これを「カタル期」といいます。子どもの場合、不機嫌になったり、呼吸困難や顔色が悪くなったりといった症状として現れることもあります。

その後、12時間程度いったん熱が下がってから、再び39℃以上の高熱と発疹が現れ、3~4日間続きます。これを「発疹期」といいます。この時期は、高熱で体力を消耗するため、免疫力が低下して、肺炎、中耳炎、脳炎などの合併症を起こしやすく、重症化すると、死に至るケースもありますから注意が必要です。

なお、麻しんは発症前から感染力がある[*6]とされます。気付かないうちに感染を広げてしまう可能性にも注意したいですね。

予防接種2回でも感染した人が…それでも麻しんワクチンが有効な理由

今回の新宿区の小学校では、ワクチン接種歴が2回あるにも関わらず感染した人が発生しています。では、予防接種に意味はないのでしょうか?

麻しんには予防接種が有効

いいえ、予防接種することで、麻しんに対する免疫の獲得が期待できます。

麻しんは感染力が非常に強く、空気感染もするため、手洗い、マスクのみでは予防できません。また、発症してしまった麻しんに対しては対症療法が中心となるため、発症を防ぐ、あるいは軽症化するための最善方法が「予防接種」[*6]といわれています。

予防接種しても感染するのにワクチンに意味はある?

ワクチンを2回接種しても、麻しんに感染してしまう可能性はあります。

しかし、ワクチン接種によって体内に免疫ができていると、ウイルスを早期に抑えこむことで発症を防いだり、麻しんにかかったとしても症状が軽く、肺炎や脳炎といった重い合併症のリスクを下げることができる[*1]とされています。

麻しん(はしか)の予防接種はいつ受ける? 大人も受けられるの?

麻しんを予防するためのワクチンは、いつ・なにを接種すればいいのでしょうか。

子どもの麻しん予防接種のタイミング

予防接種法では、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)による2回の接種が定期接種に導入されています。

麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)の予防接種を受けるタイミングは、1回めは1歳、2回めは小学校入学前の1年間です。

日本小児科学会は、対象の方が適切にMRワクチンの接種を完了することを推奨しています[*4]。

大人の麻しんの予防接種

麻しんの予防接種は、大人でも可能です。地域によっては、成人向けに費用助成しているケースがあるので、自治体などにお問い合わせください。日本小児科学会は、過去に2回の接種を完了していない方、あるいは接種歴が不明な方には、任意接種を検討してほしいと呼びかけています[*4]。

ただし、妊娠中は、ワクチンを接種することができません。また、麻しんの予防接種では、麻しんと風しんの「混合ワクチン(MRワクチン)」がよく用いられますが、赤ちゃんへの影響を避けるために「接種後2ヶ月間の避妊」が必要です[*6]。

妊婦・妊娠を考えている人は特に気をつけて!

妊娠中は麻しんの予防接種を受けることができませんが、妊婦が麻しんに感染することには、本人にも、赤ちゃんにもリスクがあります。

妊娠中の麻疹感染のリスクと赤ちゃんへの影響

妊娠中に麻しんにかかっても、お腹の赤ちゃんに先天性の奇形が現れることは少ないといわれています。これは、「風しん」などをはじめとした他の先天性感染症とは異なる点です。

ただし、妊娠中に麻しんにかかると、「流産」や「早産」のリスクが高くなるといわれます。また、母体の麻しん症状が重症化し、重篤な合併症を引き起こす頻度が高くなる恐れもあります。

ママの麻しん免疫は赤ちゃんへ受け継がれる

母親が麻しんの免疫を持っている場合、お腹の赤ちゃんにも麻しんの免疫が受け継がれることから、生後しばらくは、麻しんに感染しにくいとされています。しかし、受け継がれた免疫は、生後6ヶ月くらいから徐々に消えてしまうため、この時期を過ぎると、麻しんにかかりやすくなってしまいます。

免疫のない母親から生まれた赤ちゃんについては、ワクチン接種前に麻しんにかかってしまうケースもあり、症状が重く出てしまうことがあるとも考えられます。

妊娠中にできることはある?

すでに妊娠している方の場合は、すぐに麻しんの予防接種を受けることはできません。なるべく麻しんにかからないよう、次の点に注意して生活しましょう。

・規則正しい生活をこころがけ、体力・免疫力低下を防ぐ
・人混みではマスクをする
・帰宅後はうがい手洗いをしっかりとする

まとめ

麻しんは感染力が非常に強く、流行が続いています。2回予防接種していても感染する可能性はゼロにはなりませんが、ワクチンは麻しんの発症や重症化を防ぎ、感染拡大の抑えるためにも重要です。

また、麻しんへの感染が疑われる場合は外出を控え、事前に医療機関に連絡のうえで受診しましょう。東京都など流行拡大がみられるエリアでは、自治体からの情報発信もチェックするといいですよ。

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