- 掲載
- 2026年08月15日 10:52
BBQ後に8歳・6歳が「頭が痛い」数分後に意識を失う。子どもとのキャンプ・BBQで注意したい事故/親が知りたい子供の危険
「テントの外でBBQをすれば安全」と思っていませんか? 火を使う場所や風向きによっては、テント内に一酸化炭素が充満し、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があります。この夏、子どもとのキャンプやBBQを事故なく楽しむため、注意したいことを解説します。
家族水入らずのキャンプ・BBQで起きた事故
2017年のある日のこと。8歳と6歳の兄妹が両親とキャンプにきていました。一家はキャンプ場に到着すると、2ルームテントを設営。リビングスペースと寝室スペースの間の仕切りを開放し、テント入り口のタープ下にコンロを置いてBBQを楽しみました。
テント内で兄妹が「頭が痛い」。その後、意識が……
夜7時ごろに片付けをしたあと、4人はリビングスペースに入り、寒かったのでテントの入り口を閉じました。このとき、換気のために地面から30cmほどのすき間を開けていたといいます。
それから30分ほどして、兄妹はリビングスペースから奥の寝室スペースへ移動。すると……。
「頭が痛い」
兄妹が頭痛を訴えたかと思うと、数分で意識を失い倒れてしまったのです。
すぐにテントから出して声をかけたところ、数分後に意識が回復。病院を受診し、一酸化炭素中毒と診断されました。兄妹は経過観察のため、入院しました。[*1]
なぜ子どもたちは一酸化炭素中毒に?
テント外でBBQをしていたはずなのに、なぜ兄妹は一酸化炭素中毒になってしまったのでしょうか。
当時の状況を詳しくみてみると、BBQ時、2ルームテントのリビングスペースと寝室スペースの間の仕切りは開放されていました。しかし、テント側面の換気口はすべて閉じられていました。そのため、調理中に発生した一酸化炭素が奥の寝室スペースに充満した可能性があると考えられています。 [*1]
一酸化炭素中毒の症状は?
一酸化炭素は不完全燃焼によって発生する気体です。体内に入ると、血中のヘモグロビンと強く結び付き、ヘモグロビンが酸素を全身で運ぶはたらきを妨げてしまいます。一酸化炭素は無色・無臭で気づきにくく、濃度や吸入時間によっては中毒を起こすおそれがあります。初期には頭痛やめまい、吐き気などがみられ、重症になると意識障害やけいれんを起こし、死に至ることもあります。[*2][*3]
子どもは基礎代謝が活発なため、大人より一酸化炭素の影響を受けやすいとされています。[*1]
一酸化炭素中毒を疑うサインは?
もし、キャンプやBBQ中に複数人が同時に吐き気や頭痛などを訴えた場合、一酸化炭素中毒の疑いがあります。すぐにテントなどから出て、新鮮な空気のある場所へ移動し、医療機関を受診しましょう。もし意識がもうろうとしている、意識がないといった状態がみられる場合には、救急車を呼んでください。
一酸化炭素中毒以外にも……BBQで子どもの事故が多発!
BBQで、子どもがやけどをする事故も複数起きています。
「バーベキューの片付け中、鉄板に両手をついた。手のひらに水ぶくれ、右腕にただれ、一部の手指に赤みを伴うやけどを負い、通院が必要となった。」(1歳)
「庭でバーベキューをしていた。使用した炭を入れた金属製の容器を両手で持ってやけどをした。流水で冷却後、保冷剤でも冷却した。手のひらに水ぶくれができていた。」(5歳)
やけどのほかにも、2歳の子が椅子から後方に転落してコンクリートで頭を打つ事故や、9歳の子が竹串をくわえて遊んでいて喉に刺さってしまう事故などが起こっています。BBQでは日頃使わない椅子や調理器具を使うことになるため、扱いに十分な注意が必要です。[*4]
楽しいキャンプやBBQでは多数のヒヤリハットが
ケガには至らなかったものの、危ない体験をした人も少なくありません。キャンプ中に9歳の子がテント近くで遊んでいて足を引っかけて転びそうになったケースや、BBQで炭を補充していたら子どもが真似をして素手で火の近くに入れ、やけどをしそうになったケースも。いずれも大事には至りませんでしたが、重大な事故につながっていた可能性があります。[*5]
テントを使う場合に気をつけること
事故を防ぐために、できることを確認しておきましょう。テントでは次のことに気をつけてください。
テントの設営は安定した場所で。設営中は子どもから目を離さない
転倒予防のために、テントは平坦で安定した場所に設置しましょう。設営作業中も大人が一人は子どもの見守りを担当して、目を離さないようにしてください。[*5] 一酸化炭素感知器を持参して製品の取扱説明書に従い、適切な位置に設置することも一酸化炭素中毒事故の防止につながります。[*1]
テント内ではコンロなどを使わない
キャンプ用コンロや炭を使用するグリルや七輪などは、テント内では絶対に使わないようにしましょう。テント内や入り口部分のタープ下、リビングシェルター内では、炭火やガスを使用しないでください。使用する製品の取扱説明書や注意事項も確認しましょう。[*1]
テント外での調理では調理場とテントの位置にも注意
テントの外で火を使う場合、調理場など火を使う場所とテントの位置にも注意が必要です。場合によっては、冒頭で紹介した事故のように、テント内に一酸化炭素が充満してしまうことがあります。コンロなどはテントから6m以上離し、風向きにも注意して設置してください。また調理中はテントの換気口をすべて開けておきましょう。[*1]
BBQで気をつけること
火の使用中だけでなく、終わった後にもコンロや鉄板、網、炭などに触らないよう子どもに伝えます。そのうえで、片付け中も子どもから目を離さないようにしましょう。
危ないのは乳幼児に限ったことではありません。小学生以上の子どもでも、気分が上がってはしゃいでしまい、ケガにつながる可能性があります。BBQ時は火のまわりだけでなく、椅子や調理器具も普段とは異なります。使い慣れない製品で思わぬ事故につながらないよう、年齢にかかわらず大人が気をつけて見守りましょう。
火の近くには消火用の水などを用意し、衣服への燃え移りなどに備えましょう。万が一やけどをした場合は、すぐに水で冷やし、医療機関を受診してください。[*4] [*5]
事故に注意して安全なキャンプ・BBQを
キャンプやBBQでは、火を使う場面だけでなく、片付け中や食事中などにも子どもの事故が起こる可能性があります。使用後の鉄板や網、炭は熱くなっているので、子どもを近づけず、大人が目を離さないようにしましょう。また、テント内はもちろん、テント外のすぐ近くでもコンロや炭火を使用しないことが大切です。屋外で調理する場合も、コンロをテントから十分に離し、風向きや換気に注意してください。
キャンプやBBQは普段と違う環境で、つい楽しくなるあまり大人も子どもも注意散漫になることがあります。事故を起こさないよう事前に安全な器具の配置や役割分担を決め、設営から片付けまで子どもから目を離さず見守りましょう。
(文・構成:佐藤華奈子/監修:菅原 大輔先生)
※画像はイメージです
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[*1] 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)「No. 83 2 ルームテント内での一酸化炭素による中毒」
[*2] 大阪ガス「一酸化炭素中毒にご注意」
[*3] 一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「一酸化炭素(CO)中毒に注意!」
[*4] 消費者庁「Vol.598 バーベキュー時の事故に注意!」
[*5] 東京都「キャンプ・バーベキューに使用する製品等による事故防止ガイド」
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