- 掲載
- 2026年07月18日 10:52
浅い川で遊んでいたはずが……小学生3人が死亡。危険な場所と時間帯とは|親が知りたい子供の危険
夏休み初日に小学生3人が川で死亡――事故は浅瀬での遊びから始まりました。「浅いから大丈夫」は危険な思い込みかもしれません。水難事故が多い場所や時間帯とは? 夏休み前に知っておきたい、子どもの命を守る水遊びのルールと対策を解説します。
■夏休み初日、川で小学生3人が……夏に増える水の事故
2023年7月のこと。福岡県で夏休みの初日に小学生が川遊びをしていました。この日集まったのは、同じクラスの小学6年生の男女8人。はじめは浅い場所で遊んでいましたが……。
「!!」
4人が、急に川の深いところにはまってしまったのです。
うち1人は近くにいた友人が引き上げましたが、女の子3人が川に流されてしまいました。流された3人は亡くなりました。
一緒に遊んでいた子どもによると、最初は水切りをして遊んでいたとのこと。その後「(対岸まで)泳ごう」という話になり川の中へ入り、「泳いだらあがってこなくなった」そうです。[*1][*2]
■安全と思われがちなプールでの事故も
川や海と比べて安全と思われがちなプールでも事故は起こっています。
2025年、東京都内のスポーツクラブで、スイミングレッスン中に小学1年生の男の子がおぼれて亡くなる事故がありました。夏休み中のことで、当日は学童保育の活動でプールを訪れていました。25メートルプールで遊び始め、およそ10分後にうつぶせで浮いているところを発見されました。スポーツクラブのスタッフの少なくとも2人が見守っていた中で起こった事故でした。
プールの水深は1.2メートルで、男の子の身長は約133cm。男の子たちが遊んでいた場所には高さ40cmの踏み台がコの字型に設置されていましたが、男の子が浮いていたのは踏み台のない部分でした。[*3][*4]
■子どもの水での死亡事故は川と湖・沼・池が6割
子どもの水の事故で死者・行方不明者が出た場所は、河川が最多。平成29年(2017年)から令和3年(2021年)の累計で見ると、海の事故が増える夏季でも、河川と湖沼地で6割を占めていました。
令和7年(2025年)の調査でも、依然として河川と湖沼地で5割を占めています。
河川財団が2003年から2024年の河川やダム湖、湖沼などの水難事故を分析した結果によると、梅雨明けを迎える7月と夏休みの8月の事故が突出して多くなっていました。これは暑さが増すとともに、川遊びの機会が増えるからです。
時間帯別では、過半数が午後に発生しており、14~15時前後がピークとなっていました。昼食後で気がゆるみやすいこと、暑さと疲労で注意力が散漫になりがちなこと、午後は大気の状態が不安定になりやすいことなどが原因としてあげられています。また、子どもの場合は、保護者が日差しを避けて水際から離れた日陰に入ることで、目が届きにくくなることも、この時間帯に事故が多発する原因と考えられています。
中学生以下の子どもが大人のいない場所で水遊びをした中で起こった事故で多いのは、気づかずに水深の深いところに入ってしまう、速い流れに足を取られる、深い場所で泳いで流されるというパターン。河岸や岩場からの転落も多くなっていました。[*5]
■水の事故を防ぐためにできること
毎年起こる水の事故。子どもが水の事故に遭わないためにできることはなんでしょうか。
ライフジャケットを正しく着用する
海や川に入るときは、ライフジャケットを着用しましょう。流されてしまっても、浮力を補ってくれるので浮かんで呼吸を保った状態で救助を待つことができます。年齢や体にあったサイズを選び、体にしっかり固定されるように正しく装着してください。サイズが合わなかったり、装着方法が正しくなかったりすると水中で脱げてしまうことがあります。
水中でも見つけやすい色の水着・持ち物を選ぶ
水色・青・白・グレー・パステルなどの淡い色は、水面や水底に溶け込み、水中では見えにくくなります。万が一おぼれたり流されたりしたとき、大人やライフセーバーが子どもを見つけにくくなるため、水着はネオンイエロー・オレンジ・ピンク・赤といった蛍光色や原色系の目立つ色を選びましょう。
すでに持っている水着が淡い色の場合は、蛍光色のラッシュガードや帽子、浮き輪、アームヘルパー(腕用浮き具)など、体のどこかに目立つ色を取り入れるだけでも視認性が高まります。
子どもだけで川などで遊ばせず、大人は子どもより下流側で見守る
冒頭に紹介した川の事故では、子どもだけで川で遊んでいるなかで起きたものでした。子どもだけで川などで遊ばないよう、普段から言い聞かせましょう。川で遊ぶときは必ず大人が見守ってください。
見守りの際のポイントは、大人もライフジャケットを着用し、子どもが遊んでいる場所よりも下流側で見守ること。川は思った以上に流れが速いもので、水流に押されたりバランスを崩したりして簡単に流されます。また、膝程度の水深でも流れが速ければ大人でも流されることがあります。常に「子どもが流されるかもしれない」と想定して見守るようにしましょう。[*6]
■プールで遊ぶ場合に注意したいこと
プールは自然の水場と比べると安心感がありますが、利用する際の注意点を今一度確認しておきましょう。プールには水深の深さや構造など、さまざまな種類があります。年齢制限や身長制限を確認して、子どもにとって深い水深は避けてください。
施設のルール、禁止事項も事前に確認して子どもとも共有を。飛び込みなど事故につながる行動はしないよう約束しましょう。プールの排水口は吸い込まれるおそれがあります。近づかないように注意しましょう。[*6]
そのほか、体調がよくないときはプールに入るのは控えましょう。[*7]
■年齢別に注意したいこと
起こりがちな水の事故の内容は子どもの年齢とともに変わっていくものです。年齢ごとに気をつけたいことを知っておくと安心です。
乳幼児
小さな子はわずか3センチの浅い水深でもおぼれてしまうことがあります。さらに、おぼれるときは「声を出さず、音もたてずに静かに沈む」という特徴があります。水遊びをしているときは、必ず側に付き添って絶対に目を離さないようにしましょう。[*8]
1歳半を過ぎて歩きまわるようになると、ひとりで行動して川や貯水池、用水路に落ちてしまう事故が起こっています。家を抜け出して事故に遭うこともあるので、ドアや窓の鍵を勝手に空けないよう工夫して、出歩くことを防ぎましょう。[*6]
小学1~3年生
海や川、プールで遊ぶことが増えることに伴い、おぼれる危険も増える時期です。この時期になると親と離れて行動することも出てきます。しかし、危険を予測する力はまだ十分に育っていません。泳げる子もいますが、自分の力を過信して無謀な泳ぎをすることがあります。水遊びをするときは必ず大人が見守りましょう。
また、水中では思った以上に体力を消耗します。こまめに休憩を取らせて、無理をさせないようにしましょう。[*6]
小学4~6年生
子どもだけで行動することが増える時期です。ある程度危険を予測できるようになりますが、仲間といることで気が大きくなり、危険な行動を取ってしまうことがあります。家庭で水場の危険性や水遊びをするときのルールを伝えて、安全意識を育てておきましょう。[*6]
■子どもが流されてしまったら
万一流されてしまったとき、できることも確認しておきましょう。
子どもにできること
監視員やライフセーバーがいるところで流されたときや、周囲に流された人がいたときは、片手を左右に大きく振ることが「助けてサイン」になります。このサインを出すことが早期救助につながるので親子で覚えておきましょう。
流された場合、浮き具がない状態で手を振ると沈んでしまうため、ライフジャケットなどの救命具を装着していることが前提です。
周囲の人ができること
子どもが流されていたら、見失わないよう気をつけながら周囲に助けを求めましょう。通報先は110番や119番、海の場合は118番で海上保安庁につながります。海水浴場では監視員やライフセーバーに速やかに伝えましょう。そのうえで、身の回りの浮くもの(ライフジャケット、浮き輪、ビート板など)を投げて、浮力を確保しましょう。
子どもがおぼれていると一刻も早く助けたくなりますが、一人で何も持たずに助けに向かうのは危険な行為です。周囲に助けを求め、道具などを使って助けることを考えましょう。[*6]
■子どもがおぼれたときの応急処置
子どもがおぼれたら、すぐに水中から引き上げ、安全な場所に寝かせます。そして大声で呼びかけて反応をチェックします。
反応がなければその時点で救急車を呼んでください。呼吸がなければ、胸骨圧迫と人工呼吸で心肺蘇生を行います。119番の指示に従って応急処置をしましょう。
反応があれば、顔と体を横に向け、水気を拭いてバスタオルなどで包んで保温します。水は無理に吐かせる必要はありません。大丈夫そうに見えても、おぼれたあとは病院を受診しましょう。[*6][*8]
■まとめ
毎年夏になると増える子どもの水の事故。水の事故は海に限らず、川や湖、沼、池、プールでも起こっています。海や川に入るときはライフジャケットを着用する、目立つ色の水着や浮き輪などを着用するといったことが、子どもを水の危険から守ることにつながります。
水の事故の注意点は、子どもの成長とともに変わっていきます。乳幼児の水遊びは側に付き添い、小学校低学年でも大人が目を離さないようにしましょう。小学校高学年からは、水場の危険性を家庭で確認し、友達との水遊びで危険なことをしないよう、よく伝えてください。もし流されてしまった場合やおぼれた場合の対処法も確認して、安全に楽しい夏の思い出を作りましょう。
(文 佐藤華奈子、監修 五藤良将先生/マイナビ子育て編集部)
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[*1] 女子児童3人、川でおぼれ死亡 夏休み初日 福岡県の犬鳴川(朝日新聞)
[*2] 夏休み初日に女児3人溺死、母親が名前呼び泣き叫ぶ…「水切りして遊ぶうちに誰かが泳ごうと」
[*3] プールで溺れた小1男児死亡 学童保育中、監視態勢など捜査―警視庁(時事通信)
[*4] 男児死亡のプール、昨年も事故 子ども溺れる、再発防止策も―東京・小金井(時事通信)
[*5] 公益財団法人 河川財団「No More水難事故2025」
[*6] こども家庭庁「水の危険は近くにあります、みんなで危険回避!」
[*7] 公益財団法人 日本ライフセービング協会「プールで事故を起こさないために」
[*8] 日本小児科学会「おぼれる」リーフレット
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