【医師監修】妊娠超初期の症状をチェックする16のリスト!妊娠の確認方法とは
この症状ってもしかして妊娠……?単なる、思い込み? 生理が遅れたり、いつもと違う体調の変化が見られたりすると「妊娠したかも」と気になるところ。妊娠検査薬を使って調べる方法もありますが、時期が早すぎると判定が出ない場合もあります。早く知りたい人にとって、判断の目安となる妊娠初期の兆候について見ていきましょう。
- 妊娠初期はいつから? どんな症状が出るの?
- 生理予定日前は「妊娠3週未満|妊娠超初期」
- 生理予定日の週は「妊娠4週」
- 妊娠検査薬を使う:「妊娠5週」
- 妊娠初期症状の16のチェックリスト
- 1)生理が遅れる
- 2)生理以外の出血
- 3)基礎体温が高いまま
- 4)おりものが増える
- 5)乳房のハリ、痛み
- 6)つわりがある
- 7)食欲、味覚・臭覚の変化
- 8)おしっこの回数が増える
- 9)便秘になる、ガスが出やすい
- 10)眠気・だるさの症状
- 11)微熱、風邪っぽさ
- 12)むくみ
- 13)感情の変化(うつ状態)が見られる
- 14)頭痛
- 15)めまい
- 16)腰痛
- 妊娠初期と生理前は症状で見分けられる?
- 妊娠初期の可能性が高い3つの症状
- 症状のみで見分けるのは難しい
- 妊娠初期のような症状が多かったらすること
- 妊娠検査薬を使う
- 陽性なら受診する
- 妊娠初期に気を付けること
- まとめ
妊娠初期はいつから? どんな症状が出るの?
妊娠初期とは、妊娠13週(妊娠4ヶ月半ば) までのこと。妊娠週数は、最終月経(生理)の初日を「妊娠0週0日」として数えます。その約2週間後(妊娠2週)に排卵が起こり、受精すれば受精卵となります。
生理予定日前は「妊娠3週未満|妊娠超初期」
つまり、妊娠0週はまだ受精卵さえない時期のこと。その後、受精卵が着床して妊娠が成立した時点で「妊娠3週」となります。ちなみに、妊娠3週ごろまでのことを、俗に「妊娠超初期」と呼ぶこともあります。
生理予定日の週は「妊娠4週」
妊娠していなかった場合、次に生理が来る予定の週は「妊娠4週」です。この段階で生理が来ないと、妊娠を意識し始める人が出てきます。
妊娠が成立していれば、早ければ妊娠4週ごろから、さまざまな身体的症状が現れ出す人もいます。代表的な妊娠による症状である「つわり」は、妊娠5〜6週からスタートし、8〜10週ぐらいにピークになることが多いようです。
ほかに、体のだるさや眠気などが出ることもありますが、中には、妊娠していてもとくに症状が出ない人もいます。
妊娠検査薬を使う:「妊娠5週」
妊娠3週〜4週では妊娠によって分泌されるようになるホルモンの量が十分でないことが多いため、通常の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後(妊娠5週)から使用可能とされています(早期妊娠検査薬では生理予定日から使用可能)。
妊娠検査薬で陰性となっても妊娠が疑わしいときは、1週間ぐらいしてからもう一度検査してみると良いでしょう。
妊娠初期症状の16のチェックリスト
それでは、妊娠初期に起こりうる症状について具体的に紹介していきましょう。症状には個人差がかなりあるのでこうした症状がある人もいれば、まったく感じない人もいます。あくまでも目安のひとつと考えて。
これらの症状の有無だけでは妊娠したかどうか判別することはできません。妊娠する可能性があるのであれば、適切な時期に妊娠検査薬を使用してみて、陽性であれば、超音波検査で確認してもらうために、必ず産婦人科を受診するようにしましょう。
1)生理が遅れる
生理周期がいつも順調なのに、予定日を過ぎても次の生理が来ない場合には、妊娠の可能性も考えられます。一方、もともと生理不順の人や、出産後でまだ生理が再開していない人では、妊娠していても生理の遅れに気づかないことがあるかもしれません。
2)生理以外の出血
妊娠初期では、本来の生理予定日かそれより前に「月経様出血」(着床出血)と呼ばれる少量の性器出血が起こる場合があります。
ただし、生理時より出血量が多い場合、腹痛がひどい場合には「子宮外妊娠(異所性妊娠)」などの可能性があるため、夜間・時間外であっても医療機関を受診するようにしましょう[*1]。
3)基礎体温が高いまま
生理周期が正常な女性の基礎体温は、低温期と高温期の二層を描くのが特徴。排卵日から次の生理が始まる直前までの約2週間が、高温期です。
「生理が来ないまま、高温期が17日以上」続いていれば、妊娠の可能性あり。普段から基礎体温をつけておくと、妊娠の兆候に気づきやすいでしょう。
4)おりものが増える
妊娠すると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が増え、その作用で粘液が増加して、おりものも増える傾向にありますが、妊娠初期でもおりものが少ないケースもあります。一般的には、妊娠週数が進むほど、水っぽいおりものが増えていきます。
5)乳房のハリ、痛み
生理前に乳房の張りを感じる人もいると思いますが、これは生理周期に伴うホルモン変動の影響です。妊娠するとこうしたホルモンは非妊娠時より大幅に増加するようになります。
そのため、妊娠初期にも同様に、乳房が張ってきたり、乳首の先が痛い、乳輪が黒ずんできたなどの症状がみられることがあります。
6)つわりがある
吐き気、嘔吐、唾液がたくさん出るなどの症状を伴う「つわり」は、わかりやすい妊娠の兆候の一つ。
つわりは5〜6週から始まり、8~10週ごろにピークを迎え、12週頃から症状が軽減してくることが多いようです。
7)食欲、味覚・臭覚の変化
妊娠初期には、食欲がなくなったり、逆に食欲が旺盛過ぎたり。食べ物の好みが変わることもよくあります。においのきつい食べ物がダメになる人も。食べられない状態が続くと脱水を助長してしまうので、水分を摂ることが大切です。
8)おしっこの回数が増える
妊娠すると、体内の水分が増加するために、おしっこの量が増え、回数も増加します。また、妊娠3ヶ月ぐらいになると、急に子宮が大きくなるため膀胱が圧迫されて、妊娠初期は頻尿になりやすいようです。
9)便秘になる、ガスが出やすい
妊娠中は、ホルモンの影響で腸の動きが悪くなるため、便が硬い、排便回数が減ってきた、ガスが出やすいなど、便秘の症状が出やすくなります。水分や食物繊維をたっぷり摂っても改善しない場合には、妊婦健診などで相談を。必要に応じて便秘薬などを処方してもらえます。
10)眠気・だるさの症状
妊娠すると女性ホルモンが急増し、妊娠期間中は右肩上がりでその分泌量は増え続けます。その影響で、疲れやすさや、眠気、だるさを感じることもあります。
11)微熱、風邪っぽさ
風邪かな?と思ったら、妊娠だったということはよくあるようです。妊娠初期には高温期が続き、これが、風邪っぽさや熱っぽさを感じる原因に。
その後、妊娠15週ごろになると、ずっと高温期だった体温が低温期になり、体のほてりやだるさが取れていきます。
12)むくみ
妊娠が成立すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)が増加。結果として体に水分を溜め込みやすくなるため、むくみやすくなります。
妊娠中期以降は、赤ちゃんに栄養や酸素を届けるために血液量が増加することも、むくみの一因となるようです。
13)感情の変化(うつ状態)が見られる
妊娠初期は、神経過敏になり、感情の変化が大きくなることがあります。快活になる人もいれば、逆にイライラしたり、気分が落ち込み、うつ状態になることもあるようです。
睡眠障害、拒食、過食、集中力・思考力の低下、異常な疲れなどを感じていたら要注意。早めに病院を受診しましょう。
14)頭痛
ホルモンの変化、緊張、疲労、心身のストレスなどにより、頭痛が起こる人もいます。不安やストレスが強い人では、緊張性頭痛を起こしやすくなります。
15)めまい
めまいや立ちくらみも妊娠初期に起こりやすい症状です。妊娠すると、血管を拡げたり収縮させたりする神経の働きが不安定になるので、脳に血液が流れにくくなり立ちくらみが起こります。
ほかにつわりなどにより食事ができないと低血糖も起こり、これが原因となることもあります。
16)腰痛
妊娠が成立し、子宮が大きくなりはじめる時期からは腰痛が起こりやすくなります。
なお、下腹部痛と区別のつきづらいようなひどい痛みがあったり生理の時より多い性器出血を伴う場合は、異所性妊娠や流産の可能性もあるため、医療機関を受診するようにしましょう。
妊娠初期と生理前は症状で見分けられる?
ここまでで妊娠初期によくみられる症状を解説しました。でも、生理前にも似たような不調を感じることはありますよね。妊娠初期と生理前で症状に何か違いはあるのでしょうか。
妊娠初期の可能性が高い3つの症状
ここまでにあげた16の症状のうち、以下の3つのいずれか、または複数があったら妊娠の可能性は高いかもしれません。
1) 生理が遅れる
2) 生理以外の出血
3) 基礎体温が高いまま
症状のみで見分けるのは難しい
ただし、さきほどの3つの症状も、それがあったら必ず妊娠しているというものではありません。
「生理が遅れる」は、妊娠以外にストレスなどによっても起こり、「生理以外の出血」も、腟などの炎症や傷、ポリープなどが原因のことがあります。「基礎体温が高いまま」については、風邪などの病気や測り方が不適切なことなどが原因の可能性もあります。
これら3つ以外の症状も、生理前に不快な症状を起こす「月経前症候群(PMS)」やその他の病気などの影響で起こることがあります。
妊娠初期のような症状が多かったらすること
「妊娠初期かも!?」と思ったら、まずはどうすれば良いのでしょうか。
妊娠検査薬を使う
妊娠検査薬は、妊娠すると分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが尿のなかにあるかどうかで妊娠の有無を判定します。
妊娠すると高い確率で陽性となりますが、使用時期が早すぎるとまだhCGの分泌が少なすぎることから、妊娠しているのに誤って陰性となることもあります。
「生理予定日の1週間後」になったら、妊娠検査薬で検査してみましょう。
陽性なら受診する
妊娠検査薬で陽性が出たら、産婦人科を受診しましょう。産婦人科では超音波検査を行い、正常な妊娠かどうかを確認してくれます。
妊娠初期に気を付けること
妊娠した可能性があるなら、以下にあげることに気を付けましょう。なお、これらを「妊娠したと知らずにしてしまった」または「しなかった」からといって、すぐに何かの異常が起こるというわけではありませんが、不安な場合はかかりつけ医に相談してください。
・タバコ・お酒を控える
・薬は医師や薬剤師に相談してから飲む
・レントゲン検査は避ける
・カフェインを摂り過ぎないようにする
・葉酸を積極的に摂る
まとめ
妊娠初期の体調は、人によってさまざま。ほかの人の体験談を気にしてばかりいると、不安でいっぱいになってしまうかもしれません。ひとりで悩まずに、医療機関で相談してみましょう。とくに不調が改善されない場合には、何か病気が隠れている可能性もあります。早めの受診が大切です。
(文:及川夕子/監修:宋美玄先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます