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2023年02月24日 10:30 更新

【医師監修】生理並みの出血があったのに妊娠していたら。考えられる可能性は?

妊娠の可能性があるとき、生理が来たら「妊娠しなかったんだな」と判断しますよね。でも、生理並みの出血があったにもかかわらず、実は妊娠していたということは起こりうるのでしょうか。そういった場合、どんな可能性が考えられるのか調べてみました。

生理があったのに妊娠していることはあるの?

生理並みの出血があったのに妊娠することはあるのか?と考えている女性
(イラスト:まちこ @achiachiachico

妊活中に生理があったら、妊娠しなかったと思いますよね。でも、「直前に生理があったのに、妊娠していた!」といった話を目にすることがあります。これは本当に起こるのでしょうか。

妊娠したら生理は起こらない

基本的に、妊娠したら生理は起こりません。

そもそも生理(月経)とはなんのために起こるのでしょうか。簡単に言うと「子宮に赤ちゃん(受精卵)が来たとき、受け止めて包み込む子宮内膜(の表面)を周期的に新しいものに交換する」ために起こる出来事です。

この子宮内膜の準備が整ったときに受精卵が子宮に来ないと、古い子宮内膜は子宮からはがれ落ちます。そして、これは酵素の働きで液状の経血となり、腟から排出されます。これが生理です。

このとき、受精卵が子宮に来て子宮内膜にもぐり込むと、子宮内膜ははがれ落ちないので「生理は起こりません」。ちなみに、受精卵が子宮内膜にもぐり込むことが「着床」で、これをもって妊娠が成立したことになります。つまり、妊娠したら生理は起こりません。

生理から受精を経て着床するまでのイメージ(生理周期が28日の人の場合)
生理から受精を経て着床するまでのイメージ(生理周期が28日の人の場合)

でも「生理に似た出血」が起こることはある

妊娠していれば生理は起こらないはず、とさきほど説明しました。ただ、なかには「“生理並みの出血”があったあとに妊娠した」というケースもあるようです。

結論から言うと、その場合、「生理並みの出血」とはいっても、それは生理ではなく別の原因によって出血していたことが考えられます。

そもそも生理の出血量は個人差が大きくひとそれぞれ。また、生理以外の原因で性器から出血することを「不正(性器)出血」と呼びますが、これを起こす原因はさまざまで、出血量もいろいろです。

このあと、妊娠成立の前後に出血を起こす可能性がある原因をくわしく解説します。

妊娠成立の前後に出血を起こす可能性があること

ここからは、妊娠直前に起こることがあって、生理と勘違いする可能性がある出血の原因について解説します。

着床出血

受精卵が子宮に着床することで起こる出血のこと。ただ、「出血」と言っても、普通はピンクや茶色のおりものや少量の血液が下着などに着く程度です。着床出血はない人のほうが多いと言われています。

着床出血の場合、子宮のなかで赤ちゃんが順調に育っていることが確認できれば、とくに治療などは必要ありません。

異所性妊娠 (子宮外妊娠)

受精卵が子宮内膜以外の場所に着床してしまうことで、この場合でも妊娠検査薬は陽性が出ます。異所性妊娠では、無症状のこともありますが、少量出血する人もいます。

この場合、妊娠を継続させることはできず、多くは手術などの治療を受けることになります。

胞状奇胎

受精卵が着床するとできる「絨毛(のちに胎盤になる組織)」が、異常に増殖してしまう病気です。精子と卵子の受精の異常で起こるとされています。

この場合も出血することがあり、つわりが強くなることもあります。この病気の多くは妊娠の継続が難しく、手術などの治療を受けることになります。

切迫流産・流産

切迫流産は、流産の危険がある状態のことです。少量の出血と軽い腹痛などが起こります。妊娠したことに気付いていない段階で、切迫流産の症状があったら、それを生理と勘違いすることもあるかもしれません。

切迫流産の場合はまだ子宮内で赤ちゃんが生存しているので、そのまま妊娠を継続できることも少なくありません。また、赤ちゃんが亡くなってしまう流産でも出血は起こります。

その他の原因

ここまでで解説した妊娠に関係のあるもの以外にも、炎症や性器の傷、腫瘍やホルモン異常などによっても、不正出血は起こります。

その他の原因(例)
・子宮腟部びらん、ポリープ
・性行為で腟などが傷ついた
・子宮頸がんや子宮体がん
・無排卵性月経
・排卵期出血(予想より排卵が遅かった)
・実は女性器以外からの出血だった (尿道炎、膀胱炎、痔など)

出血や腹痛がひどい場合は受診して

ここまでで説明したとおり、女性は生理以外にもさまざまな原因で出血しますが、出血量が生理の時より多かったり、腹痛がひどかったりする場合は、妊娠の有無にかかわらず、放っておかずに受診してください。

とくに、妊娠検査薬で陽性が出たけれどまだ超音波検査を受けていない時点で、急な腹痛や大量の出血があった場合は「異所性妊娠」の危険もあります。この場合は緊急の処置が必要となるので、すぐに医療機関を受診してください。

まとめ

生理が予定通り来ないことで妊娠しているのでは?と気付く女性は多いですよね。やはり、基本的に妊娠の直前や直後に「生理」が来ることはありません。ただ、ここで説明したとおり、本当は不正出血だったのに「生理が来てから妊娠した!」と勘違いする人も中にはいるかもしれません。

不正出血の原因はさまざまで、着床出血のように問題のないものもあれば、治療が必要なものもあります。とくに出血や腹痛がひどい場合は、放っておかずに必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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