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2024年09月15日 11:07 更新

6割超の学生「男性の育休取得の実績がない会社には就職したくない」、男性が育休を取りやすい職場を求める若者が多数

2022年10月に「産後パパ育休」が施行されるなど、国が推進をはかっている男性の育児休業。その取得率は社会的にも注目を集めています。一番の当事者である子育て世代はもちろん、これから就職を迎えていく学生にとっても、男性の育休は大きな関心事となっているようです。厚生労働省が若者を対象に行った調査から見ていきます。

全国の18歳~25歳の男女に育休に関する意識調査を実施

厚生労働省では「イクメンプロジェクト」の一環として、全国の18歳~25歳の男女(高校生・大学生など)を対象に、「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」を実施しました。今回はその調査結果から、企業の育休取得状況に対する学生の関心度の高さについて、お伝えします。

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※画像はイメージです

約7割が企業選びに育休取得状況は「影響する」

まず、就職活動で企業の育休取得状況を重視する人の割合を見てみましょう。

就職活動を行うとき、企業の育休取得状況がどの程度企業選びに影響を与えるかという設問に対し、「影響がある」と回答した人は21.7%、「やや影響がある」と回答した人は48.0%、合わせて69.7%でした。約7割と、多くの人が企業の育休取得状況を重視しているといえます。今どきの学生は、育休が取得しやすい企業に就職したいと考える傾向にあることが想像されます。

なお、男女別で見てみると、女性が76.7%(「影響がある」「やや影響がある」の計)、男性が63.3%で、女性がやや多くなっています。

―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より
―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より

就職の意欲が高まる情報、トップに「男性の育休取得率」

次に、企業からどのような結婚や出産に関わる情報があったら就職したい気持ちが高まるかを聞いた設問の回答を見ていきます。

回答の中で最も多かったのが「男性の育休取得率」で33.4%でした。次いで「女性の育休取得率」28.4%、「育休に関する支援内容」24.1%、「育休を取得した先輩社員の声」23.5%が続いています。

女性の育休取得率の情報に加え、男性の育休取得率の情報を知りたいという学生が多く、また、育休取得率を公開している企業に好感を持つ人が多いようです。

―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より
―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より

男性の育休取得の実績ゼロの会社には「就職したくない」6割超

前問で、企業の男性の育休取得率を知りたい学生が多いことがわかりました。おそらく、育休取得率が高ければ「就職したい」という気持ちが強まり、反対に取得率が低ければ、就職への意欲が下がるのではないかと想像できます。

実際、仮に男性の育休取得実績がない企業があったとして、その企業に就職を望むかという設問の回答を見ると、「就職したくない」が14.9%、「どちらかというと就職したくない」が46.1%となり、合わせて61.0%を占めました。

男女別では、「就職したくない」(「どちらかというと就職したくない」「就職したくない」の合計」)と回答した人の割合は、男性が57.3%、女性が65.1%となっています。男女ともに、男性の育休取得がまったく進んでいないような職場では働きたくないと思う人が多いようです。

―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より
―厚生労働省「若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)」より

まとめ

今回の結果から、現在の学生たちが就職先を選ぶ際に、企業の育休取得状況を重視しており、また、女性の育休取得はもちろん、男性の育休取得が進んでいるかどうかが、企業選びにも関係してくることが見えてきました。男性の育休取得の実績がない企業には就職したくないと考える学生も多いことがわかりました。男性の育休取得は当たり前だという認識が、今の学生の間には広まっていることがうかがえる調査結果でした。

調査概要

■厚生労働省:若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)
調査対象:全国の18歳~25歳の男女(高校生・大学生などの若年層)
調査期間:2024年6月22日~25日
サンプル数:スクリーニング調査 7,840サンプル、本調査 2,026サンプル

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