妊娠7週|赤ちゃんの状態・妊婦の症状と注意したいこと【医師監修】
妊娠7週は生理開始予定日から2週間ほど経過し、ほとんどの妊婦さんが妊娠に気づいて医療機関で妊娠を告げられていることでしょう。つわりの症状が本格的になり、心身共に妊娠を実感するころでもあります。つわり以外にもいくつか、この時期注意しておきたいポイントを紹介します。
妊娠7週の妊婦さんの体に現れる変化とは?
つわりの症状をはっきり感じるように
妊娠7週目に入ると多くの妊婦さんにつわりが始まっていて、その辛さがより強くなってくる時期です。
一般につわりは妊娠5~6週ごろに始まり、8~10週ごろにつわりのピークを迎え、12~16週ごろに自然におさまるとされています[*1, 2]。ほとんどの妊婦さんでは、あともう少しだけ辛い時期が続き、その後は楽になっていくはずですから、あまり深く考え込まないようにして、乗り越えましょう。
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つわり対策について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎つわりを軽減するには?タイプ別のつわり対策
つわりがない妊婦さんもいる
ところで、妊娠すれば必ずつわりが来ると思っている人が少なくないようです。しかし、つわりが現れるのは妊婦さん全員の50~80%と言われています[*2]。つまり、つわりで苦労する妊婦さんがいる一方で、妊娠してもつわりがない人もいるということです。
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つわりがないことについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠しても「つわりがない」ことはある?
関連記事 ▶︎妊娠初期につわりが急になくなる理由は?
つわり以外で妊娠初期に起こりやすい症状
妊娠すると「マイナートラブル」と呼ばれる不快な症状が現れます。代表的なものにつわりがありますが、そのほかにも以下のような症状が出る妊婦さんもいます。
・おりものが増える
・ 乳房のハリ、痛み
・ 頻尿
・ 便秘、 おならが出る
・ 眠い・だるい
・ 熱っぽい
・ むくむ
・ 頭痛
・ めまい
・ 腰痛
これらは妊娠したことで起こる生理的な現象ですが、個人差が大きく、まったく症状がでない人もいます。
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妊娠初期の症状について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠初期の症状16のリスト
妊娠7週の赤ちゃんの状態は?
妊娠7週のこの時期はまだ「胎児」ではなく「胎芽」と呼ばれ、引き続き身体の構造の基本がかたち作られる「器官形成期」にあたります。
また、赤ちゃんの生命維持に重要な役割を果たす胎盤が作られ始める時期でもあります。
ですから、薬剤、放射線、高血糖(糖尿病)、さらに風疹などの感染症などに妊婦さんがさらされると、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。とはいえ、通常量の薬剤や放射線などで赤ちゃんにトラブルが起こることはほとんどありません。心配しすぎて、ずっと内服している薬を自己判断でやめてしまう人がいますが、そちらの方が危険な場合もあります。心配な場合には早めに医療機関で相談しましょう。
脳などの発達が進む
胎芽(赤ちゃん)の大きさ(頭殿長:頭からおしりまでの長さ)は13mmほど[*4]。妊娠7週では、引き続き脳の拡大が続いています。
妊娠7週には経腟超音波検査(腟に超音波を発する細い棒を入れて行う画像検査)で胎芽の心拍が確認されるはずです。心拍が確認できない場合は、成長が止まっている可能性があります。稽留流産という状態です。
流産の頻度は10~15%で、その60~70%が妊娠10週未満に生じると言われます[*5]。しかし、その原因の多くは赤ちゃんの染色体異常などによるもので、妊婦さんの努力では防げないものがほとんどです。心配になりますが、考えてもどうしようもないので、気にしすぎないようにしましょう。
妊娠初期の妊婦健診はどんなことをする?
妊娠5~11週末ごろまでは、およそ2週おきに診察を受ける
妊娠初期は、異所性妊娠(子宮外妊娠)、流産、妊娠悪阻などの異常の頻度が高いため、より頻繁に診察を受けることが推奨されており、妊娠5週頃~11週末までに3回程度受けることになります。8~10週頃には、最終月経開始日や赤ちゃんの大きさ(頭殿長:頭からおしりまでの長さ)などを総合的に判断して、出産予定日を決定します。
その後は、その予定日をもとに赤ちゃんの発育を観察する、いわゆる妊婦健診が始まります。妊婦健診については、厚生労働省では妊娠期間中に計14回の健診を受けるスケジュールを例示しています[*6]。12~23週頃は4週ごとに1回となりますが、妊娠中期の後半(24週)以降からは2週ごと、妊娠36週(妊娠10ヶ月)からは週に1回となります。
まとめ
妊娠7週ごろにはつわりが重い人もいて、肉体的にも精神的にも辛いと感じる妊婦さんが増えてくるかもしれません。ただし、通常だと辛い症状のピークはそれほど長くは続きません。つわりはいずれ楽になるものと割り切って、おおらかな気持ちで過ごしたいものです。そして妊婦健診は赤ちゃんとママの健康にとってとても大切なものです。欠かさず受診するようにしましょう。
(文:久保秀実/監修:太田寛先生)
※画像はイメージです
[*1]沖縄県資料「つわりのあるママへ」
[*2]メディックメディア「病気が見えるvol.10産科編」(第4版)p.86
[*3]医学書院「週数別妊娠健診マニュアル」p.34
[*4]医学書院「標準産婦人科学」(第4版)p.302
[*5]医学書院「標準産婦人科学」(第4版)p.326
[*6]厚生労働省「妊婦健診Q&A」
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます