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2021年04月19日 10:28 更新

【医師監修】妊娠中の食事の注意点!OK or NGの食べ物は?

妊娠を考えるようになったり実際に妊娠したら、食事にも気を配りたいですね。妊娠中に気をつけたい食べ物や飲み物にはどんなものがあるでしょうか? 妊娠中にはどんな栄養素や食べ物に気をつければいいか、またおすすめの栄養素や食べ物は何かお話しします。

いつから食生活に気をつける?

妊娠中なので食べ物に気をつけて生野菜をとる女性
Lazy dummy

妊娠を考えたら、いつから食生活に気をつければいいのでしょうか? まずは必ず気をつけたい基本的なことについてお話しします。

葉酸は妊娠前から摂取を

まず、妊娠初期の葉酸はぜひ摂っておきたい栄養素です。葉酸はビタミンB群の一種で、細胞の分裂や成熟にも関わるものです。
では、妊娠初期に葉酸が不足するとどんなことが起こるのでしょうか?

妊娠初期の葉酸不足は神経管閉鎖障害の原因に

妊娠初期に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という障害が胎児に起こりやすくなります。
神経管閉鎖障害では、通常は成長とともに閉じていく神経管が閉鎖しなくなります。神経管の下部が閉じないと二部脊椎となり、下半身の運動障害、膀胱・直腸の機能障害のリスクが高まります。また、神経管の上部が閉じないと、脳が形成不全になる「無脳症」につながります。

妊娠前からの葉酸サプリメントがおすすめ

妊娠前から飲むべき葉酸のサプリメント

特に葉酸を摂取しておきたいのが、神経管が作られ、閉じていく妊娠4~6週末ごろです。
この時期はあまりに早い時期のため、妊娠したかどうか気づかない妊婦さんも珍しくありません。そのため、妊娠したことがわかってから摂るのではなく、妊娠前でも妊娠を考えるようになったら摂取しておくことが大切です。
しっかりと効率よく葉酸が摂れるように、葉酸サプリメントを妊娠前から利用しておきましょう。

▶︎そのほか、葉酸についての疑問は以下の記事をご覧ください。
■妊娠初期に葉酸を飲まなかった場合は?
■葉酸はいつからいつまで摂る? 

バランスよくしっかり食べよう

妊娠中の食事のポイントは、次の通りです。

妊娠中の食事の付加量の図

食事からのエネルギー量は少し多めに

妊娠すると、妊娠前よりも必要なカロリーが多めになります。
妊娠初期では1日に+50kcal、中期では+250kcal、後期では+450kcalの付加が必要となるのです[*1]。

妊娠中なのにダイエットを気にして体重増加が十分でないと、赤ちゃんの発育不全や低体重などのリスクが高くなります。肥満につながるほどの食べすぎはよくありませんが、妊娠中期の食事なら副菜や主菜を少し多めに、妊娠後期にはさらにご飯も小盛り1杯分プラスするくらいの食事を心がけましょう。

栄養バランスも大切

たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、オメガ3系脂肪酸といった栄養素をバランスよく食事から摂ることも大切です。具体的には、メニューを考える時に「主食(ご飯やパン、麺類など)、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物」を満遍なく摂るように意識するのがおすすめです。

なお、妊娠初期にビタミンAを摂りすぎると赤ちゃんが先天異常を起こす可能性があるので、サプリメントなどで摂りすぎないように気をつけましょう。

妊娠初期のつわり対策|吐き気・胃もたれはどうする?

つわりで吐き気をもよおす女性

妊娠すると、妊娠初期を中心につわりで食事が思うように食べられなくなることがあります。つわり中につわり中の食事の時に、吐き気や胃もたれがある場合の対策についても知っておきましょう。

吐き気・胃もたれでも食べやすいものって?

つわりは妊婦さんの50~80%に見られるもので、たいていの場合、妊娠5~6週からつわりが始まって8~10週につわりのピークを迎えます。
症状には個人差があり、ほとんどつわりがない人もいれば、1日中吐き気などにおそわれる人もいます。また、1人目と2人目の妊娠でそれぞれ症状が違うこともあります。

吐き気や胃もたれがあると、思うように食べられなくなることもあるでしょう。少しでも食べられるように、次の項目を参考にしてみましょう。

食べやすい食品・飲みやすい飲料を摂りましょう

つわりの時に食べやすいグレープフルーツ

つわり中でも以下のものは、食べやすい・飲みやすいとよく言われています。人によって食べられるものが違うことはよくあることなので「つわりでもこれなら食べられそう」というものを試してみるといいでしょう。

・水分の多いもの
みかんなどの柑橘類、バナナ、桃、スイカ、りんご、梨、イチゴ、トマト、おかゆ、お茶漬け、スープ
・口がすっきりするもの
飴、グミ、ガム、氷、炭酸飲料
・冷たいもの
ヨーグルト、プリン、アイス、ゼリー
・味が濃いもの
お好み焼き、果汁多めのジュース、乳酸飲料など
・香りが強くないもの
水、お茶など

食べにくい食品・飲みにくい飲料は避けましょう

つわりで匂いがダメになった女性

吐き気や胃もたれで口にしにくいものは、我慢して摂る必要はありません。上にあげた食べ物・飲み物や体にいいと言われているものでも、口にしたくない・できないと感じたら無理をしないで止めておきましょう。
また、においが強いものや脂っこいものは、吐き気や胃もたれがひどくなることがあるので避けておいた方が安心です。ただし「フライドポテトだけは食べられる」というケースもあるので、口にできる・食べたいと感じたのであれば食べて大丈夫。つわり中は「食べられるもの、食べられるときに、食べられるだけ」でOKですよ。

つわりの軽減が期待できるものを試すのもおすすめ

欧米では、ショウガ粉末やビタミンB6がつわりの軽減につながるとされ、広く活用されています。ビタミンB6はバナナなどの果物、鶏肉、魚、ジャガイモなどに含まれています。

食事のタイミングも考えよう

つわりなので少しだけ食べる女性

朝起きたばかりなど空腹で低血糖なときには、吐き気が起こりやすいとされています。つわりの最中は、1日3食にこだわらないで、食べたいときに小まめに摂りましょう。嘔吐がひどいときは特に、水分摂取も心がけてください。

また、食べすぎも吐き気につながります。少量ずつ食べたり水分補給をしながら、腹7~8分目を心がけるといいですね。
がんばりすぎず、明るい気持ちで食事を摂れるように、苦手なにおいは避け、家族と一緒に楽しく食べたり、ほかの人に作ってもらったりするのもおすすめです。食後は無理せず楽な姿勢ですごしてくださいね。

妊娠中の貧血対策|鉄分補給には何を食べたらいい?

妊娠中の貧血になやむ女性

妊娠すると、体の血液量が増えます。さらにつわりで十分に栄養が摂れないこともあるため、妊娠中は貧血になりやすいのです。
貧血対策になる食事についても考えてみましょう。

鉄分を摂取・吸収できる食材って?

妊娠中の貧血を改善するためには、鉄分を十分に摂り、体に吸収できるようにすることが大切です。

妊娠していないときは一日に10.5mgの鉄を摂るように推奨されています(15歳以上、月経ありの場合)。妊娠中はさらに多くの鉄を摂ることが勧められ、妊娠初期では9.0mg、中期以降は16.0mgが1日あたりの推奨量となります[*1]。
なお、鉄分が豊富な食材とともに、鉄分の吸収を助ける栄養素も取ると、よりしっかりと鉄分補給がしやすくなります。

鉄分が豊富な食材

貧血に効果があるヘム鉄を含むあさり

鉄分を多く含む食材としては、牛もも肉、きはだまぐろ、かつお、あさり、さんま、鶏卵、がんもどき、納豆、ほうれん草、小松菜などがあります。

※レバーも鉄分豊富ですが、摂りすぎると赤ちゃんに先天異常を起こす可能性があるビタミンAが豊富です。妊娠中のレバーの食べすぎには注意しましょう。

鉄分の吸収を促す食材

貧血の際、鉄分の吸収を促すビタミンCを含む小松菜

ビタミンCを鉄分とともに摂ると、鉄分の吸収が促されます。
鉄分とビタミンが豊富な食材としては、小松菜、牛肉、納豆、あさりなどがあります。

サプリメントの摂りすぎは避けて

鉄分のサプリメントには、鉄以外の栄養素が複数含まれているものもあります。過剰摂取にならないように気をつけましょう。
基本的には食事から鉄分を補給するように心がけ、サプリメントを使うときにはかかりつけの産科に相談するか、信頼できるメーカーのものを使うといいですね。

妊娠中の便秘対策|便通は食生活で改善できる?

便秘でトイレに座る女性

妊娠中は、妊娠によって変化する女性ホルモンの影響で、普段より便秘気味になる人が少なくありません。また、子宮が大きくなって腸が圧迫されるとさらに便秘になりやすくなります。加えて、便秘の背景につわりや運動不足があることも。

食生活の見直しで便秘の予防・改善を心がけましょう。

便秘を予防・改善できる食生活って?

便秘改善のため朝いちで水を飲む女性

水分補給と朝ご飯を心がけて

朝起きたらすぐに水分を摂ると、腸が刺激されて便が出やすくなります。
また、朝ご飯を毎日同じ時間に摂ることで、排便リズムが整いやすくなります。

食物繊維をたっぷり摂りましょう

食物繊維豊富な玄米

できるだけ食物繊維を摂って、腸のぜん動運動を促しましょう。主食としては七分づき米、胚芽米、玄米などがおすすめです。また、ごぼう・にんじん・れんこんなどの根菜、大豆などの豆類、キノコ類、ほうれん草などの青菜にも食物繊維が多く含まれています。

腸内環境を整えましょう

ヨーグルトや発酵食品も、腸内環境を整えるのに役立ちます。
また、適度に脂質を摂ることで、脂質に含まれる脂肪酸が大腸を刺激してくれます。

便秘の予防・改善のため、食生活の見直しとともに、適度な運動やストレスの解消も心がけましょう。なお、工夫をしても便秘になったり便秘が悪化することはあります。便秘が改善しない、最近便秘がちだと感じたら、妊婦健診などで相談して早めに対処していきましょう。

妊娠したら気をつける飲み物・食べ物って?

妊娠中には避けるべき食べ物・飲み物や、摂りすぎに注意が必要な食べ物・飲み物についてもチェックしましょう。

妊娠中、避ける食べ物・飲み物

お酒を断る妊婦

アルコール類

妊娠中にママが飲酒していると、胎児が低体重や顔面を中心とする奇形、脳障害などを引き起こすが「胎児性アルコール症候群」につながります。
妊娠を考えるようになったり妊娠がわかったら、お酒を飲むのはすぐにやめましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊娠中の飲酒(アルコール)はNG? お酒の影響とは?

生魚

妊婦は避けたほうがいい生魚

魚介類は良質な動物性たんぱく質が豊富で、ビタミンD・E・B12やカリウム、カルシウム、マグネシウムなどの必須ミネラル、DHA・EPAなどの高度不飽和脂肪酸も多く含んでいます。
ただし、妊娠中に生魚を食べてリステリア菌などによる食中毒を起こすと、妊婦さんの体調悪化だけでなく、早産や流産などにつながることがあります。
妊娠中は刺身や寿司などの生魚やスモークサーモンなどの加熱が十分でない食品は避け、しっかり火を通した魚介類を摂るようにしましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊娠中は寿司や刺身を食べても大丈夫? 生魚のリスク・注意点とは

生卵

サルモネラ菌が不安な生卵

卵はサルモネラ菌の感染源の1つです。
サルモネラ菌による食中毒を起こすと、腹痛や下痢、発熱、おう吐などを起こします。さらに重症化すると、意識障害、けいれんなどの中枢神経症状、脱水症状につながります。
とはいえ、栄養バランスがいい食品のため、とはいえ卵自体を避ける必要はありません。「中心部は75℃以上になった状態で1分以上加熱」してから食べましょう[*2]。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦が生卵を食べるのはNG? 生食のリスクと注意点とは

生肉・加熱不十分な肉

リステリア菌のリスクがある生ハム

生肉や十分に加熱されていない肉を食べると、トキソプラズマという原虫によってトキソプラズマ症を起こすことがあります。
妊娠中にトキソプラズマ症になると、胎児も感染して「先天性トキソプラズマ症」になる可能性があります。症状が現れなければいいのですが、脳の異常や視力障害、精神運動機能障害などを起こすこともあります。
また、生ハムを食べると、リステリア菌に感染することがあります。妊娠中にリステリア菌に感染すると、早産や流産・死産のリスクがあり、さらに赤ちゃんに髄膜炎や水頭症、敗血症、精神・運動障害が起こることもあります。
生肉や十分に加熱されていない肉、生ハムは食べないようにしましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■トキソプラズマ症とは? 妊娠中に感染したときの症状とリスク
■妊婦は生ハムを食べてはダメ? 妊娠中の食中毒予防のコツ

ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)

リステリア菌のリスクがあるナチュラルチーズ

ナチュラルチーズもリステリア菌に感染する原因の1つです。
ナチュラルチーズであるカマンベール、モッツァレラ、カッテージ、クリームチーズ、ゴルゴンゾーラなどは避けましょう。ナチュラルチーズを使って熱を加えずに作るレアチーズケーキも念のため控えるといいですね。
なお、加熱処理されたプロセスチーズや、加熱殺菌済みのチーズ製品であればリステリア菌感染のリスクはほとんどありません。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦はチーズを食べてもいい? 安心な食べ方は?

妊娠中、摂りすぎに注意する食べ物・飲み物

カフェイン入りコーヒーを飲む妊婦

カフェインを含む飲物

カフェインはコーヒーや紅茶、日本茶、チョコレートなどに含まれている成分です。

カフェインを摂りすぎると、低出生体重児などのリスクが高くなる可能性があるとされています。また、低体重児出産や胎児の脳にカフェイン代謝物質が残る可能性もあります。
妊娠中に1日に摂っていいカフェインの量は、200~300mgまでです。紅茶ならおよそ3.3杯、せん茶ならおよそ6.7杯、コーラならおよそ2L、チョコレートなら板チョコ6枚に当たります(それぞれだけを摂った場合。カフェイン量200mg、1杯200mlで計算)[*3]。

妊娠中はできるだけカフェインを含まない飲料、例えば麦茶、たんぽぽコーヒーやたんぽぽ茶、ノンカフェインのお茶などを選び、カフェインを含む飲み物はたまの楽しみ程度にしておくと安心です。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊娠中のコーヒーは大丈夫? 体への影響とおすすめの飲み物

水銀を多く含む魚

比較的水銀を多く含む金目鯛(キンメダイ)

水銀が多い魚を食べると胎児にも水銀が届きますが、胎児は水銀を体外に排出できません。
そのため、ママが水銀を多く含む魚を食べ続けると、赤ちゃんの健康への影響が考えられます。
1回に80gだけ食べるとして、妊娠中はバンドウイルカであれば2ヶ月に1回まで、コビレゴンドウは2週間に1回までにしましょう[*4]。
また、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラは週に1回、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ 、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツは週に2回までを目安にしましょう。いろいろな魚を食べる場合は、それぞれ減らして調整するように心がけてください。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■水銀が赤ちゃんに与える影響、水銀の多い魚

ビタミンAを多く含む食品

ビタミンA豊富なレバー

ビタミンAは肝臓などに蓄積されるため、摂りすぎると過剰症になる可能性があります。
また、妊娠中は1日3,000μgRAEを超えるビタミンAを摂取すると、胎児に先天異常が起こるリスクがあります[*5]。
鶏レバーや豚レバー、牛レバーは鉄分が豊富ですが、ビタミンAも多い食材です。鉄分を摂るのであれば、レバーだけに頼らず他の食材などからも摂るように心がけてくださいね。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦はレバーを食べちゃダメ? 貧血対策はどうする?
■妊婦はビタミンAの過剰摂取に注意! その理由と上手な摂り方

ヨウ素・ヒ素を多く含む海藻

ヒ素を含むひじき

無機ヒ素を短期間に大量に摂りすぎると、発熱や下痢、おう吐などの症状が起こると言われています。長期的に摂ると、皮膚組織の変化、がんの発生などのリスクにもつながります。特に妊娠中に頻繁に食べると、赤ちゃんへ悪影響を及ぼす可能性も考えられています。
また、妊娠中は普段よりヨウ素の過剰摂取に注意する必要があるとされています。過剰摂取すると、甲状腺の肥大や甲状腺腫、甲状腺炎などの病気を引き起こすことがあります。
ヨウ素は昆布などの海藻、無機ヒ素はひじきなどに含まれています。毎日昆布やひじきばかりを摂りすぎず、色々な食材から栄養を摂るようにしましょう。

▶︎くわしくはこちらのサイトもご覧ください。
■農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」
■厚生労働省 eJIM「ヨウ素」

妊娠中の食べ物まとめ「これはOK? NG?」

最後に、妊娠中にこの食材は食べていいかどうか迷いやすい食材についても紹介します。

妊娠中のローストビーフは?

ローストビーフはトキソプラズマの感染につながる可能性があるため、避けましょう

日本の食品衛生法の加熱殺菌基準の分類では、ローストビーフは「特定加熱食肉製品」に当たり、「材料の肉塊の中心部を63℃で瞬時またはそれと同等以上の加熱する」など細かく基準が定められています。
トキソプラズマが感染力をなくすには、「中心部が67℃になるまでの加熱(あるいは中心が-12℃になるまでの凍結)」する必要があります[*2]。そのため、ローストビーフは避けた方が安心です。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦にローストビーフはNG? 安全な食を守るヒント

妊娠中の焼肉は?

焼肉で特に心配なのは、加熱不十分な場合や、調理器具の不適切な使い方(生肉に触れた箸で食事するなど)です。リステリア菌やトキソプラズマに感染しないよう、生肉を扱うトングなどと食具は分け、肉は中までしっかり焼きましょう

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊娠中の焼肉は大丈夫?食べる時の6つの注意点

妊娠中のにんにくは?

にんにくは食べる時期や生かどうかに注意が必要です。
にんにくの成分には血液を薄める作用があります。そのため、出産間近の時期は食べすぎに注意が必要です。
また、刻みニンニクやすりおろしにんにくなどの生にんにくは、大量に摂ると胃腸に負担をかけることがあります。妊娠中は消化管運動が低下しますし、胸やけやアレルギー反応を引き起こすこともあるので食べすぎには注意しましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦とにんにく料理、知っておきたい3つのこと

妊娠中のカレーは?

一般家庭でつくるカレーには刺激物が含まれていますが、毎日3食カレーばかり食べなければまず問題はありません。なお本格的なエスニックカレーは香辛料が強いため、頻尿や便秘につながることもあります。自分の体調を考えて食べるといいですね。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦はカレーを食べてもいい? 食事で注意すべき7つのポイント

妊娠中のキムチは?

一部のキムチ製品に含まれる乳酸菌は体にいいものの、塩分が多いので食べすぎには気をつけましょう。
また辛いキムチを食べすぎると、胃腸に負担を与えます。特に妊娠初期はつわり、妊娠が進むと大きくなった子宮による圧迫などで胃腸の働きが落ちやすいものです。食べすぎには注意して、少量食べる程度にしておきましょう

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦はキムチに注意すべき?辛いものの食べ方と注意点

妊娠中の蟹は?

蟹はビタミンやミネラル分、タウリンなどが豊富なおすすめの食材です。妊娠したら蟹を食べてはいけないという言い伝えがありますが、しっかり加熱すれば問題はありません
ただし、生や保存状態の悪い蟹を食べると腸炎ビブリオやリステリアに感染する可能性があります。
鮮度のいい蟹を中心まで十分に加熱して食べるようにしましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■「妊婦は蟹を食べちゃダメ」は本当?理由と食べ方の注意

妊娠中の納豆は?

納豆は葉酸や鉄分、カルシウム、たんぱく質、食物繊維が豊富です。また、イソフラボンやナットウキナーゼも含まれています。発酵食品なので、腸内細菌のバランスを整える働きも期待できます。
毎日摂るのはほかの栄養が摂りにくくなるのでおすすめできませんが、塩分を摂りすぎないように注意しながら、食材の1つとして食事に取り入れるといいでしょう

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦が納豆を食べるときは? 量、食べ合わせの注意点と食べ方のコツ

妊娠中の栄養ドリンクは?

栄養ドリンクには様々なものがあります。
妊娠中は中でもカフェインやアルコールを含むものは控えましょう。また、糖質が多いものも注意が必要です。
栄養分はできるだけ食事から摂り、サプリメントとともに主治医に相談しながら利用するのがおすすめです。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦の飲食「栄養ドリンク」これはOK?

妊娠中のノンアルコール飲料は?

ノンアルコール飲料とは、酒税法で「アルコールの含有量が1%未満の飲み物」を指します。そのため、まったくアルコールを含まないものから、アルコール分1%未満のものもあります。
アルコール分0%のものを、カロリーや糖分などの成分に気をつけて飲みすぎないように飲む分には問題ないでしょう。成分などで心配なことがあればぜひ主治医に相談してくださいね。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊娠中にノンアルコール飲料は飲んでもOK?

妊娠中の牛乳は?

牛乳はカルシウム分、ミネラルやビタミンB群が豊富で、炭水化物・たんぱく質・脂質もバランスよく含まれた飲み物です。
未殺菌のものはリステリア感染症につながる可能性がありますが、スーパーで一般的に売っている牛乳はまず問題ありません。他の食材とともにバランスよく摂るようにしましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦が牛乳を飲むと赤ちゃんに悪影響はある? アレルギーは?

妊娠中の豆乳は?

豆乳は比較的低カロリーで、良質な植物性たんぱく質が豊富な飲み物です。妊娠中に豆乳を飲むリスクは今のところ報告されていません
ただし、豆乳に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。豆乳として飲むだけであれば大丈夫ですが、サプリメントでイソフラボンを摂るのは控えておきましょう。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦は豆乳OK? その栄養素や飲んで良い量は?

妊娠中の蜂蜜は?

妊娠中に蜂蜜を摂っても問題ありません。
蜂蜜にはボツリヌス菌が含まれている可能性があるため、1歳未満の赤ちゃんにはあげられませんが、妊婦さんは腸内環境が十分に整った大人のため、食べても大丈夫です。

▶︎くわしくはこちらの記事をご覧ください。
■妊婦も蜂蜜を食べちゃダメ⁉赤ちゃんへの影響は?

まとめ

妊娠したら初期には葉酸を摂り、ビタミンAの摂りすぎは避け、リステリアや腸炎ビブリオなどの食中毒には気をつけながら、様々な食材をバランスよく摂ることが大切です。生肉や十分に加熱されていない肉、ナチュラルチーズは避けましょう。水銀を含む魚やヒ素・ヨウ素を含む海藻は、生を避けて食べすぎに気をつければ問題ありません。
つわりで吐き気や胃もたれが強い時期には、安全な食べられるものを優先して摂るようにします。また、鉄分や食物繊維を摂るなど、便秘と貧血対策も忘れずに。
個々の食材についても紹介しましたが、その他にも気になる食材があればかかりつけの産科で相談するようにしましょう。あまり神経質にならなくても大丈夫ですので、色々な食材をバランスよく摂りながらお腹の赤ちゃんの体を育んでいきましょう。

(文:大崎典子/監修:窪麻由美 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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