
玄米茶のカフェインは多い?少ない?他の飲み物との比較も【管理栄養士監修】
玄米茶は香りが良いので、食後などに飲むとほっと気持ちが安らいだりしますよね。その一方、特に妊娠中や小さなお子さんなどは、飲み物に含まれるカフェインの量が気になることもあります。玄米茶のカフェイン量はどのくらいなのでしょうか? 管理栄養士が解説します。
玄米茶にカフェインは含まれる?

玄米茶のカフェイン量はどのくらいなのでしょうか。それは玄米茶の種類によっても変わってきます。
玄米茶のカフェイン量
玄米茶100ml(浸出液)あたりのカフェイン含有量は10mgとなります[*1]。これは茶葉15gを90℃のお湯650mlに30秒浸して抽出したときのものであり、茶葉を多くしたり浸す時間を長くしたりすれば、これよりも多くなることが考えられます。なお、このあとさらに解説していきますが、100mlあたりカフェイン10mgというのは、コーヒーのカフェイン量の6分の1程度です。
ちなみにタンニンの含有量も10mgとなります[*1]。
茶葉の配合によっても異なる

玄米は煎茶やほうじ茶に炒った玄米を加えたものです。玄米にはカフェインがほぼ含まれないと考えられるので、玄米茶のカフェインは煎茶やほうじ茶に由来しているといえますね。
したがって、食品標準成分表では100mlあたりのカフェイン量は10mgとなっていますが、煎茶やほうじ茶と炒り玄米との配合の割合などによっても変わってくるでしょう。
カフェインのリスクと1日の摂取目安量

玄米茶にはカフェインが含まれることがわかりました。カフェインの影響が気になる人も多いかと思いますが、カフェインを摂り過ぎた場合のリスクを確認していきましょう。
カフェインを飲み過ぎた場合のリスク
カフェインはコーヒー豆や茶葉などに天然に含まれる成分であり、身近に摂取されるものですが、過剰摂取による健康障害のリスクに注意が必要です。カフェインを摂り過ぎた場合には、めまいや動悸、興奮や不安、不眠などの症状や、消化器官への刺激による下痢や吐き気などの症状が出ることがあります[*2]。
カフェインの1日の摂取目安は?
カフェインの摂り過ぎにならない量とは、どのくらいになるのでしょうか。日本で定められた基準はありませんが、たとえば、アメリカの食品医薬品局(FDA)では、健康な成人の場合、1日400mg程度であれば問題ないとしています。
玄米茶は1日どのくらい飲んでOK?
では、カフェイン400mgを玄米茶にあてはめてみましょう。玄米茶のカフェイン量は10mg/100mlなので、カフェイン400mgとは約4リットルの玄米茶に相当することになります。しかし、1日に玄米茶を4リットル以上も飲むことはないでしょう。
また、この400mgというのは「1日あたりでこの量を摂取しても危険な悪影響はない」という数値なので、400mgを超えたら直ちに何らかの害があるというわけではありません。玄米茶単体でカフェインの過剰摂取を招く恐れは低いといえるでしょう。
カフェインを多く含む飲み物

茶葉の量にもよりますが、玄米茶はあまりカフェイン量が多くないことがわかりました。ただし、玄米茶しか飲まないという人も少ないかと思います。他の飲み物はどうなのでしょうか。主なカフェインを含む飲み物をみてみましょう。
主な飲み物のカフェイン量(いずれも浸出液100mlあたり)[*1,2]
煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶 20mg
紅茶 30mg
コーヒー 60mg
エナジードリンク 32~300mg(商品による)
茶葉やコーヒー豆を使用した飲み物には基本的にカフェインが含まれます。また、玄米茶同様、これらの数字は一般的な手法で淹れたときのものなので、濃くした場合はこの数字より多くなることが考えられます。濃さにも注意したいですね。
なお、飲み物以外にも、鎮痛剤や風邪薬にカフェインが含まれていることもあります。

カフェインの影響には個人差があります。動悸や下痢などを起こしやすい人もいるので、眠気覚ましといったカフェインの効果を期待して摂り過ぎないようにしましょう。
妊娠中や赤ちゃんは玄米茶を飲める?

では、妊娠中の女性や赤ちゃんは、カフェインを含む玄米茶を飲んでも大丈夫なのでしょうか? どのくらいならOKなのでしょうか? まず、妊娠中のカフェイン摂取のリスクから確認していきましょう。
妊娠中の高カフェインのリスク
世界保健機関(WHO)では、2001年にはカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしましたが、その後、2016年に1日300mg以上のカフェインを摂取した妊婦では、出生時の赤ちゃんの低体重や、流産や死産のリスクが高まる可能性があるとしています[*2]。
ただしこれは、1日でも300mg以上を摂取したら、という意味ではなく、1日300mg以上のカフェインを毎日のように摂ったときにリスクが上がるということです。過剰に心配しすぎたりせず、もし、コーヒーなどをたくさん飲んだ場合は、次から控えるようにするといいでしょう。
なお、妊娠中のカフェインの影響について、詳しくは以下の記事で解説しています。こちらも併せてご覧ください。
妊婦中の玄米茶はOK!
妊婦さんでも玄米茶を適度に飲むのは問題ありません。玄米茶を1日3リットルなど飲むことは避けた方がいいですが、ほとんどそのようなことはないと思います。適度に味わいましょう。
もし、気になるのであれば、よりカフェインの少ない玄米茶を選ぶポイントとして
●茶葉の少ないものを選ぶ
●抹茶入りを避ける
などを気にしてみるとよいでしょう。また、玄米茶以外にもカフェインを含むものはあるので、飲み過ぎは控えることも大切です。
妊娠中の飲み物についてはこちらもチェック!
赤ちゃんにあえて飲ませる必要はない
基本的に赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクです。それ以外で水分補給が必要なときには水でかまいません。基本的にお茶などを飲ませる必要はほとんどないのですが、飲ませたいこともあるのかもしれませんね。
赤ちゃんはカフェインの摂取をなるべく控えた方がよいですが、茶葉の配合が少ない玄米茶であれば、赤ちゃんも少しなら飲むことはできます。しかしながら、あえて選んで飲むことはしない方がよいでしょう。「少し飲んでしまった」という場合にはほとんど心配いりませんが、毎日飲ませるのは避けた方が安心です。
また、苦みなどを感じて飲みにくいこともあるでしょう。少し薄めると飲みやすくなるかと思いますが、そこまでして飲む必要はありません。
まとめ
玄米茶にもお茶の葉が使用されているのでカフェインが含まれますが、それほど多くはありません。カフェインの量が気になるくらい玄米茶を飲んだ場合には、水分の摂り過ぎも心配になります。他のカフェインの多い飲み物とのバランスを考えることも必要です。また、カフェインだけに注目せず、食事からいろいろな栄養素を摂ってバランスの良い食生活を送ってくださいね。
(文・監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます