
ジャスミン茶にもカフェインは含まれるの?その量や1日当たりの目安を解説【管理栄養士監修】
爽やかな香りが特徴のジャスミン茶。ジャスミンティーとも呼ばれ、日本でもポピュラーなお茶です。コンビニや自動販売機などでもペットボトル飲料として手軽に飲める身近なお茶ですが、カフェインは含まれているのでしょうか? まずはジャスミン茶がどんなお茶なのかを確認し、カフェインへの注意は必要なのかどうか、見ていきましょう。
ジャスミン茶とはどんなお茶?

ジャスミン茶のカフェイン量を考えるうえで、まずはジャスミン茶がどのように作られるのかを確認しましょう。
ジャスミン茶はフレーバーティー
ジャスミン茶は、ジャスミンの花をお茶にして飲んでいるのではなく、釜炒りもしくは蒸した茶葉にジャスミンの花の香りをつけた、いわゆるフレーバーティーの一種です。製法の違いはありますが、緑茶や烏龍茶に使われるものと同じ茶葉を使用しています。中国では「茉莉花茶(モーリーファーチャ)」と呼ばれ、人気も高いようです。
ジャスミン茶は種類もさまざま

ジャスミン茶には、茶葉を真珠のように丸めた「真珠花茶」、台湾が主な産地で烏龍茶をベースにした「香片」など、使う茶葉やジャスミンの花、産地などによっていくつか種類があります。なかでも、新芽の茶葉で作られた緑茶をベースにしたものは「茉莉銀毫(モーリーインハォ)」と呼ばれ、中国では高級品として知られています。
沖縄の「さんぴん茶」もジャスミン茶
沖縄では「さんぴん茶」をよく見かけます。飲んだことがある方はご存じかもしれませんが、見た目も香りもジャスミン茶そのものです。諸説ありますが、ジャスミン茶は台湾では「香片茶(シャンピェンチャ)」と呼ばれており、沖縄に入ってきた際になまって「さんぴん茶」となったという説があります。
ジャスミン茶にカフェインは含まれる?
では、緑茶などのフレーバーティーであるジャスミン茶には、カフェインは含まれるのでしょうか?
ジャスミン茶のカフェイン量

カフェインは茶葉やコーヒー豆などに含まれる成分です。そのため、緑茶(煎茶)や烏龍茶の場合、100mlあたり20mgのカフェインが含まれています[*1]。前述のとおり、ジャスミン茶は緑茶や烏龍茶と同じ茶葉を使用しているので、カフェインの量も同じ程度と考えてよいでしょう。ただし、ジャスミン茶の淹れ方(茶葉の量やお湯の温度、浸出時間など)や製品によって異なります。
なお、コーヒー100mlあたりのカフェイン量は60mgです[*1]。
カフェインの体への影響
カフェインは、適量摂取することで頭がすっきりしたり、眠気を覚ましてくれる効果がある一方で、過剰に摂取するとめまいや下痢、吐き気、不眠などの症状が出ることもあります[*2]。
ジャスミン茶は1日どのくらいがよい?

日本にはカフェインの摂取量に関する基準がありませんが、アメリカの食品医薬品局(FDA)では、健康な大人で1日あたりカフェイン400mgまでであれば、健康に影響はないとしています[*3]。煎茶やジャスミン茶の場合は2リットルに相当しますが、これは目安の値であり、この量を超えたら必ず害になるということではありません。したがって、水の代わりのようにジャスミン茶を多く飲んだ日があった程度で、過剰摂取による症状が出る可能性は低いでしょう。
しかし、カフェインはお茶以外にもコーヒーや栄養ドリンク・エナジードリンクといった飲み物や、一部の風邪薬や解熱剤、眠気防止剤にも含まれています。これらとジャスミン茶を組み合わせることで過剰摂取につながる可能性が考えられるので、注意が必要です。
また、カフェインは体調や個人差によって感受性も異なります。たとえば、体調が悪い時に風邪薬などをジャスミン茶で飲むようなことは避けた方が良いでしょう。
<おもな飲料のカフェイン量>[*1,3]
飲料名 | カフェイン量 |
---|---|
コーヒー | 60mg/100ml |
インスタントコーヒー | 80mg *顆粒2g(スプーン1~2杯)あたり |
紅茶 | 30mg/100ml |
煎茶 | 20mg/100ml |
玉露 | 160mg/100ml |
ほうじ茶 | 20mg/100ml |
烏龍茶 | 20mg/100ml |
抹茶 | 48mg *1.5g(茶さじに軽く1杯)あたり |
エナジードリンク | 32~300mg/100ml (製品により異なる) |
コーヒー:コーヒー粉末10gを熱湯150mlで浸出
紅茶:茶葉5gを熱湯360mlで1.5~4分浸出
煎茶:茶葉10gを90℃のお湯430mlで1分浸出
玉露:茶葉10gを60℃のお湯60mlで2.5分浸出
ほうじ茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出
烏龍茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出
その他の飲み物のカフェインについて詳しくはこちら!
妊娠中・授乳中の注意点
妊婦がカフェインを過剰に摂取した場合、流産や低体重のリスクが高まることがあります[*2]。また、授乳中の場合も母乳にカフェインが移行するため注意が必要です。
WHO(世界保健機関)では、1日300mg以上のカフェインを摂取している妊婦は量を減らすように注意しています[*2]。これはジャスミン茶なら1.5リットルまで飲めるということになります。とはいえ、夏場などに水分補給のつもりで連日たくさん飲んでしまうと、カフェインの摂り過ぎにつながるかもしれません。ジャスミン茶を含め、カフェインを含む飲み物は楽しむ程度の量にしておきましょう。
妊娠中のその他の飲み物についてはこちら!
ジャスミン茶を楽しもう!
最後に、ジャスミン茶の効果や楽しみ方について紹介します。
ジャスミン茶の嬉しい効果
ジャスミン茶は緑茶同様、カテキン(ポリフェノールの一種)による抗酸化作用や抗菌作用が期待できるでしょう。そして何と言っても、その香りが心身をリラックスさせてくれますね。疲れた時やホッと一息つきたい時に飲んでみてはいかがでしょうか。
ジャスミン茶の楽しみ方
ジャスミン茶を気軽に楽しみたいなら、ティーバッグを使って淹れるのもよいでしょう。暑い時期は水出しでもおいしくいただけますね。また、ジャスミン茶はその見た目でも楽しめるのが特徴です。茶葉を糸で束ねて球状にした工芸茶は、ポットの中でふんわりと広がって華やかなお茶なので、贈り物にもおすすめです。ジャスミン茶には色々な商品があるので、目的に応じて選んでみてください。
まとめ
ジャスミン茶は緑茶や烏龍茶の茶葉にジャスミンの花の香りをつけたものなので、カフェインは100mlあたり20mgほど含まれていると考えられます。コーヒーに比べると少ないものの、他のものと組み合わせや飲む量によって過剰摂取にならないよう、注意しましょう。ジャスミン茶はホットでも水出しでもおいしくいただけます。色々な飲み方で楽しみたいですね。
(文:村上あゆみ 先生/監修:川口由美子 先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます