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2022年08月25日 15:14 更新

ゴーヤの食べ過ぎで腹痛になる?どんな栄養がある?適量とともに解説【管理栄養士監修】

沖縄料理でお馴染みの夏野菜といえば、ゴーヤ。独特の苦味と歯応えがとても美味しいですよね。この時期だけだと思うと、ついたくさん食べてしまうかもしれません。食べ過ぎのリスクはあるのでしょうか? また、ゴーヤに豊富な栄養素についても解説します。

ゴーヤの栄養のメリット

ゴーヤの原産地はインドや東南アジアで、日本には江戸時代に中国から伝わったと言われています。「ゴーヤ」という呼び方は沖縄の方言で、「ニガウリ」「ツルレイシ」とも言います。苦味が特徴ですが、栄養面はどうなのでしょうか?

ビタミンC|効率的に摂れる

ゴーヤチャンプルー

ゴーヤには抗酸化作用などのあるビタミンCが含まれます。生のゴーヤには100gあたり76mg、油炒めにした場合でも75mgとほとんど変わらないのが特徴です[*1]。ビタミンCは水溶性のため、茹でることで水に流れ出てしまう性質があり、たとえば、生のブロッコリーは100gあたりのビタミンCが140mgとゴーヤよりも豊富ですが、茹でると55mgに減少します[*1]。その点、ゴーヤは炒めて食べることが多いので、ビタミンCを減らさずに食べられるのがうれしいですね。

葉酸|妊娠中は特に摂りたい

ゴーヤには100gあたり72μgの葉酸が含まれています[*1]。葉酸も加熱調理による損失が生じるビタミンですが、茹でるよりも油で炒めるほうが損失が少ないと考えられ、ゴーヤの場合、炒めた状態でも生と同等の葉酸を摂ることができます[*1]。

葉酸は赤血球の生産を助けるほか、細胞の生産や再生にもかかわっており、発育に重要な働きをもちます。特に胎児の成長に不可欠なため、妊娠前から妊娠中にかけてしっかり摂りたい栄養素です。葉酸をしっかり摂取することで、胎児の先天異常のリスク低減に役立ちます。妊娠を希望する人や妊婦さんにも、葉酸を効率よく摂れるゴーヤはおすすめの野菜です。

食物繊維|水溶性と不溶性が摂れる

ゴーヤ100gあたりで2.6gの食物繊維を摂取できます[*1]。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、ゴーヤは水溶性食物繊維0.5g、不溶性食物繊維2.1gと、比較的バランスよく含まれているのが特徴です。水溶性食物繊維は便を軟らかくし、不溶性食物繊維は便のカサを増やすため、両方がうまく作用することで排便リズムが整う効果が期待できます。

モモルデシン|ゴーヤの苦味のもと

独特の苦味がゴーヤの美味しさの1つと言えますが、その正体は「モモルデシン(モモルディシン)」という成分です。このモモルデシンと同じくウリ科植物の苦み成分として知られるククルビタシンには食中毒を起こすリスクがありますが、モモルディシンはククルビタシンのような食中毒の危険は低いとされています[*2]。ゴーヤの苦みは安心して食べられるでしょう。

苦味を抑えるには塩もみが有効

ゴーヤの塩もみ

ゴーヤの苦味を抑えたい場合は、まず種とワタを取り除くことが1つです。そして、薄切りにしたら塩もみをするのがもう1つのポイント。塩もみした後は水気を絞りましょう。こうすることで苦みを抑えることができます。

ゴーヤの食べ過ぎのリスクは?

ゴーヤはビタミンCや葉酸を効率よく摂れる野菜ですが、食べ過ぎてしまうとどうなるのでしょうか? また、適切な量についても見ていきましょう。

腹痛や下痢を起こすことも

ゴーヤは体内に蓄積されやすい栄養素が少ないことから、食事の中で適切な量を食べる分には、過度に心配する必要はないでしょう。もっとも、一度に大量に摂取すれば、消化不良を起こして腹痛や下痢になることは考えられます。

また、食物繊維は必要以上に摂取してしまうと、かえって排便のリズムを乱してしまう可能性もあります。お腹の調子を見ながら食べるようにしましょう。

1日の適量の目安|100g(1/2本)

食事バランスガイドでは野菜が主材料の料理を「副菜」としており、1日当たりの副菜の量は「5~6SV(サービング)」、重さでいうと350~420gになります[*3]。

ビタミンCが豊富なゴーヤですが、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンなどは少ないため、ゴーヤだけでは栄養のバランスが偏ってしまいます。副菜全体の約30%程度にするくらいがよいでしょう。したがって、100g(1/2本程度)が1日のゴーヤの目安量になります。

ゴーヤだけではなく他の野菜からも栄養素を摂れるようにしてくださいね。

その他の野菜などの食べ過ぎはこちら!

ゴーヤを食べるときの注意点

ゴーヤを炒める

食べ過ぎのリスクは低いゴーヤですが、それ以外に知っておきたい注意点があります。確認しましょう。

妊娠中は生のゴーヤを避けると安心

葉酸などが摂れるゴーヤは妊娠中もおすすめの食べ物ですが、念のため、注意したいこともあります。ゴーヤを生で食べるのが好きという人もいるかもしれませんが、妊娠中は生で食べるのは避けておくと安心です。動物実験ではありますが、生のゴーヤに含まれるたんぱく質が月経を促進する可能性が報告されています[*4]。念のため、生のゴーヤは控えるのが安心のためにもよいでしょう。

ウリ科のアレルギーがある人は気を付けて

メロンなどのウリ科植物に対するアレルギーや過敏症を持っている人は、ゴーヤにも気を付けましょう[*4]。

まとめ

ゴーヤにはビタミンCが含まれており、暑さや紫外線によるストレスが多い夏にはぴったりの食材です。そのほかにもうれしい栄養が豊富ですが、食べ過ぎには注意し、適量に留めておきましょう。妊婦さんには特に必要な葉酸も豊富です。食事はバランスが大切ですので、色々な食材から栄養素を摂っていきましょうね。

(文:村上あゆみ 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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