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2022年08月25日 16:18 更新

ヤーコンの食べ過ぎは逆効果? どんな栄養がある? メリット・デメリットを解説【管理栄養士監修】

さつまいもによく似た見た目のヤーコン。馴染みのない食材かもしれませんが、フラクトオリゴ糖を豊富に含んでおり、注目の野菜の1つです。健康やダイエットに良いなどとも言われていますが、ヤーコンを食べ過ぎても大丈夫なのでしょうか。そもそもヤーコンとはどんな野菜なのかも含めて解説します。

ヤーコンはどんな食べ物?

ヤーコンは日本の食卓ではまだ、それほどなじみの深い食べ物ではありませんよね。食べ過ぎのリスクを見ていく前に、どのような食べ物なのかを確認しましょう。

アンデス原産の芋の仲間

ヤーコン畑

ヤーコンは芋の仲間で、見た目はさつまいもに似ています。南米アンデス地方で古くから栽培されており、芋の部分を食べるほかにも、葉を煎じてハーブティーとして飲まれてきたようです。

アレルギーを引き起こす場合も

ヤーコンは食物アレルギーの特定品目ではありませんが、過去にアナフィラキシーショックを起こした例があります[*1]。ヤーコンを食べた後にじんましんなどの皮膚症状や、息切れなどの呼吸器症状などが現れた場合には、医療機関を受診するようにしましょう。

ヤーコンに含まれる栄養とメリット

ヤーコンはやはり体にいいのでしょうか。食べた場合の健康効果について考えてみましょう。

フラクトオリゴ糖|腸内環境を整える

ヤーコンにはオリゴ糖の一種であるフラクトオリゴ糖が豊富に含まれます[*2]。オリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌のエサとなって腸内環境を良くする効果があり、オリゴ糖を関与成分とした特定保健用食品もあります[*3]。

腸内環境にはオリゴ糖以外にも食物繊維など、いろいろな栄養素が関係するので、ヤーコンを食べるだけで変わるとは言い切れませんが、いろいろな食品と合わせて取り入れるとよいでしょう。

ポリフェノール|抗酸化作用

ヤーコンには複数のポリフェノールが含まれることもわかっており[*4]、代表的なものでは、コーヒーのポリフェノールとして知られるクロロゲン酸が挙げられます。

ポリフェノールは活性酸素を抑える働きがある抗酸化物質の1つです。活性酸素が体内で増えすぎると老化や生活習慣病のリスクを高めるため、ポリフェノールなどの抗酸化物質を摂取できるのはうれしいですね。

糖質|さつまいもより少ない

ヤーコンは糖質(※)が100gあたり0.5gと非常に少ない芋類です[*5]。さつまいもは100gあたり約30gなので、それと比べると血糖値を上げにくいといえます。

なお、ヤーコン茶に血糖値の上昇を抑える作用が期待できるとするラットでの研究もありますが、現在のところ、ヤーコンが糖尿病の改善や予防によいと言えるようなデータはありません。効果を過剰に期待するより、普段の食事に取り入れて楽しめるといいですね。

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※日本食品標準成分表2020年版の利用可能炭水化物(単糖当量)に基づく

ヤーコンを食べ過ぎるとどうなる?

ヤーコン

ヤーコンがどんな食べ物なのかをお伝えしましたが、食べ過ぎた場合には、何か体に影響が出るのかが気になりますよね。食べ過ぎのリスクはどうなのか、見ていきましょう。

おなかがゆるくなる可能性

ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖は、腸内細菌のエサとなり便通を良くすることが期待できますが、摂り過ぎるとおなかがゆるくなる可能性があります。オリゴ糖の特定保健用食品でも、利用上の注意として「食べ過ぎあるいは体質・体調によりおなかがゆるくなることがあります」と記載されています。

ヤーコンは特定保健用食品のように成分が凝縮されているわけではありませんが、大量に食べると胃腸に負担をかける恐れがあるので、注意しましょう。

太る?

ヤーコンは芋類なので太りやすいと思うかもしれません。しかし実際は100gあたり52kcalと、おもな芋類の中でも低カロリーです。

<おもな芋類との比較>(100gあたり)[*5]
・さつまいも…126kcal
・じゃがいも…59kcal
・里いも…53kcal

ヤーコン…52kcal

見た目からさつまいもと同じくらいのカロリーを想像しがちですが、さつまいもと比べるとカロリーは半分程度なのがわかります。

ヤーコン1本あたりの重さは300~600g程度と言われますが、仮に300gのヤーコンとすると177kcalです。ご飯茶碗1杯(150g)が234kcalなので、ヤーコンを1本丸ごと食べたとしても、ご飯1杯より少ないカロリーで済みますね。

いつもどおり食事を取りつつ、ヤーコンを何本も食べたりすれば、カロリーの摂り過ぎになるかもしれませんが、それほど太りやすい食べ物ではないでしょう。

ヤーコンの適量はどのくらい?

ヤーコンは通常の食事の中で食べる分には何も問題のない食材です。適量を取り入れて楽しみしょう。

適量の目安|1日100g程度

ヤーコンは「芋類」に分類されますが、食事にあてはめると基本的に芋類は「副菜」となります。副菜は1日に350gを摂るのが目安です[*6]。このうち、120g以上は緑黄色野菜で摂り、そこに芋類や淡色野菜、海藻類などをプラスしていくのが理想的といえます。ただし、残りの230g程度をすべて芋類にすると栄養の偏りが心配です。適量としては100g程度をおすすめします。

まとめ

ヤーコンは体に良い成分も含みますが、その効果を期待してたくさん食べても、その効果を実感できるかどうかはわかりません。食事はあくまでも楽しくおいしく食べていくことが望ましいので、多少の健康効果を期待しながらも、適量を意識して、他の食材とのバランスも考えて食べられるといいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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