セロリを食べ過ぎても大丈夫?栄養の効果はある?おすすめの取り入れ方【管理栄養士監修】
セロリは香味野菜とも言われ、特有の香りが好きな方もいるでしょう。その風味がくせになり、つい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれませんね。セロリを食べ過ぎても体に影響はないのでしょうか? 1日の目安量なども見ていきましょう。
セロリに含まれる栄養とその効果
セロリはヨーロッパ原産の野菜で、「セルリー」や「オランダみつば」とも呼ばれます。夏~秋は露地栽培、冬~春はハウス栽培のものが出回るようになっているので、通年でよくみかける野菜ですね。似たようなものに中国セロリ(きんさい)がありますが[*1]、今回ご説明するのは一般的なセロリです。どのような栄養が含まれているのでしょうか。
カリウム|バナナよりも豊富!
カリウムは塩分と水分バランスを整え、余分なナトリウム(塩分)をからだの外に排出する働きがあります[*2]。
セロリ100gにはカリウムが410mg含まれています[*1]。これは、カリウムが多いといわれているバナナに含まれる360mgよりも多い数値です。セロリはカリウムが豊富といえるでしょう。セロリは生で食べたり、スープとして食べることが多いので、水に流出しがちなカリウムをしっかり摂ることができます。
食物繊維|便秘改善に効果
セロリは水溶性食物繊維0.3g、不溶性食物繊維1.2gを含みます[*1]。水溶性食物繊維が便を軟らかくし、不溶性食物繊維が便のカサを増やすことで排便が促されます。セロリを食べることで食物繊維が補え、便秘改善に役立つ可能性があるでしょう。便秘を改善するには適度な水分も大切なので、セロリをしっかり煮込んだスープにすると、より効果が期待できるかもしれませんね。
ただし、食物繊維は大量に摂取すると逆に排便リズムを乱してしまい、下痢や便秘を招くことも考えられます。食物繊維を含む食べ物はおなかの調子をみながら摂るようにしましょう。
セロリの食べ過ぎはよくない?適量は?
セロリを食べ過ぎたらどうなるのか、気になりますよね。適量について考えてみましょう。
食べ過ぎによるリスクは低い
セロリは水分が多く、100gあたり12kcalとカロリー(エネルギー)も非常に少ないため、食べ過ぎてもカロリー過多になる心配はないでしょう。また、何らかの栄養素が過剰となり健康に影響することも考えにくいです。あまり食べ過ぎを心配せずに摂取できる食品です。
味付けによるカロリーアップに注意
ただし、セロリ自体は低カロリーですが、食べ方によってはカロリーの摂り過ぎを招く可能性もあります。
たとえセロリを1kg食べてもカロリーの摂り過ぎにはなりませんが、実際には、味を付けずに1kgものセロリを食べることは考えにくいでしょう。マヨネーズをつけてセロリをたくさん食べれば、カロリーはぐんと増えてしまいます。ちなみにマヨネーズは大さじ1で80kcalです[*1]。
マヨネーズでなく、塩とオイルなどで味をつけた場合でも、塩分や脂質の過多が気になります。セロリの食べ過ぎだけを気にするのではなく、どのように食べるのかもあわせて考えるようにしましょう。
カリウム制限がある人は注意
セロリはカリウムを豊富に含むので、腎臓の病気などで医師からカリウム制限を指示されている場合は、セロリのカリウムを減らすことが必要になります。セロリを食べるときにはかならず茹でこぼし、茹で汁は使わないようにしましょう。
1日の目安量|70g程度
国が推進している健康づくり運動である「健康日本21」では、野菜を1日に350g以上食べることを目標を定めており、そのうち緑黄色野菜を120g以上摂るようにとしています[*3]。
セロリは淡色野菜に分類されるので、緑黄色野菜の分を引いた230g以上の中で摂っていきましょう。ただし、淡色野菜がセロリの1種類というのはよくありません。他の野菜も一緒に摂りたいので、セロリはだいたい1日70g程度を目安にしておくといいでしょう。野菜スティックのセロリが1本10gとして、7本くらいに該当します。
その他の野菜などの食べ過ぎはこちら!
<野菜など>
▶野菜 ▶トマト ▶玉ねぎ ▶キャベツ ▶ブロッコリー ▶人参 ▶ほうれん草 ▶きゅうり ▶大根 ▶ビーツ ▶かぼちゃ ▶ニラ ▶ゴーヤ ▶おかひじき ▶春菊 ▶もずく ▶オクラ ▶もやし ▶ルッコラ ▶枝豆 ▶たけのこ ▶アボカド
<きのこ類>
▶きのこ ▶しいたけ ▶きくらげ
<芋類>
▶じゃがいも ▶山芋 ▶さつまいも ▶ヤーコン
セロリの保存方法とおすすめ料理
セロリはどのように保存したり、調理していけばいいのでしょうか。
セロリの選び方
セロリは葉にツヤとハリがあり、緑があざやかなものが新鮮な証拠となります。そのため、葉が黄色や薄緑などに変色していないものを選ぶとよいでしょう。
保存方法
葉と茎を分けてそれぞれをラップし、冷蔵庫の野菜室に立てて保管するといいでしょう。茎がしんなりしてきたら、根元を冷水につけると復活します。
冷凍保存も可能
セロリは冷凍保存することができますが、食感が変わることもあるため、解凍後に野菜スティックで食べるのは向かないかもしれません。冷凍したセロリは、野菜スープなど煮込み料理に使うといいでしょう。
セロリの下処理
セロリの筋は硬くて食べにくいので、しっかり取り除きましょう。包丁で筋に沿ってむくといいですが、難しい場合はピーラーでもOKです。切り口にピーラーをあてて皮を剥くようになぞって筋をとるといいですよ。
セロリの野菜スープの作り方
セロリは独特の旨味があるため、スープに最適です。小口に切ることで味が出やすくなります。
■材料
セロリ(茎の部分) 2本
にんじん 1本
たまねぎ 中1個
オリーブオイル 少々
水 1カップ程度
塩・こしょう 適量
■作り方
① セロリは茎の筋をそぎ、小口に刻む
② にんじんと玉ねぎは皮をむき、粗みじんにする
③ 鍋にオリーブオイルを熱し、①と②を炒める
④ 水1カップ程度を加え、軟らかくなるまで煮込む
➄ 塩・こしょうで味をととのえる
まとめ
セロリはカロリーの摂り過ぎの心配がなく、カリウムや食物繊維を摂取できるため、積極的に取り入れるとよいでしょう。ただし、マヨネーズなどをたくさんつけて食べたりすると摂取カロリーが上がってしまうので、注意してくださいね。セロリの独特な香りが苦手な場合は、しっかり炒めてから煮込むと食べやすくなります。毎日の食卓にぜひ取り入れてみてください。
(文・監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます