妊娠 妊娠
2022年08月25日 16:03 更新

たけのこの栄養は?食べ過ぎるのはよくない?効果とリスク、1日の目安量【管理栄養士監修】

春が旬のたけのこは食感がよく、和食や中華料理などによく使われますね。カロリーも低いので特に旬の時期はたくさん食べたくなりますが、食べ過ぎにはリスクもあるので注意が必要です。また、生のたけのこから調理する場合には下処理でのアク抜きも欠かせません。たけのこを食べるときに注意したいこと、1日の目安量を解説します。

たけのこに含まれる栄養

たけのこ(タケノコ)は新鮮なものであれば穂先を生で食べることもありますが、通常は茹でたものを食べますね。茹でたたけのこに含まれる栄養をみていきましょう。

食物繊維|便秘の改善に効果

たけのこ(水煮)には100gあたり3.3gの食物繊維が含まれています[*1]。このうち不溶性食物繊維が2.9gと多いのですが、不溶性食物繊維は便のカサを増やして排便を促す働きがあるので、便秘を解消に役立つことが期待できます。

カリウム|体の塩分濃度を調節

たけのこ(水煮)には100gあたり470mgのカリウムが含まれています[*1]。カリウムは通常、水に溶けるので茹でると流出しますが、たけのこは茹でてもカリウムがあまり減らないという特徴があります。

カリウムには体内の塩分濃度を調節する働きがあり、塩分摂取量が多い日本人は積極的に摂りたい栄養素です。塩分の摂り過ぎによるむくみの解消にも役立ちます。

チロシン|白い粒はうま味成分

たけのこ チロシン

たけのこの節と節の間に白い粒がたくさんついているのを見たことがあるかもしれません。これはうまみ成分(アミノ酸の一種)のチロシンです。食べても問題ないので、安心してくださいね。

たけのこを食べ過ぎるとどうなる?

たけのこを食べ過ぎてしまった場合にはどのようなことが考えられるでしょうか。

腹痛や便秘・下痢のリスク

不溶性食物繊維は便のカサを増やす作用がありますが、多すぎると逆に便を硬くしてしまい、便秘の原因にもなりえます。たけのこや、その他の不溶性食物繊維が多い食品(きのこなど)などをたくさん食べて、不溶性食物繊維のみを多量に摂取すると、腹痛や便秘・下痢などを起こすこともあるので注意しましょう。

食物繊維は不溶性だけでなく、便をやわらかくする作用のある水溶性食物繊維[*2]も摂ることが効果的です。水溶性食物繊維は海藻類や果物などに含まれます。

ヒスタミンによりじんましんが出ることも

たけのこにはヒスタミンという物質が含まれるので、 アレルギーのような症状を起こすことがあります[*3]。これは食物アレルギーとは異なり、食べ方や食べた量、体調などによっておこったりおこらなかったりします。食物アレルギーの有無にかかわらず誰でも症状がでる可能性があるため、注意が必要です。

たけのこを食べてじんましんなど気になる症状が出た場合には、様子を見て医療機関を受診するなどしましょう。

シュウ酸には注意!アク抜きをしっかり

たけのこ アク抜き 米ぬか

たけのこにはアクがありますが、これはおもにシュウ酸によるものです。シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を抑制する働きがあるので、過剰摂取には気を付けたい成分です。また、尿路結石症などの持病がある人はシュウ酸の摂取を減らすことが必要になります[*4]。

シュウ酸を取り除くためにアク抜きをしっかり行いましょう。たっぷりの水に米ぬかを入れてたけのこを茹でます。その後、しばらく茹で水に浸しておくとアクが上手に抜けますよ。

なお、シュウ酸が口に入るとチクチクしたような刺激を感じる場合もあります。これはシュウ酸が唾液中のカルシウムと結合し、針状の結晶であるシュウ酸カルシウムになるためです。

たけのこの適量はどのくらい?

たけのこを食べ過ぎには注意が必要なのはわかりましたが、どのくらいを目安に摂取するのがよいのでしょうか。

適量の目安|1日小鉢2つくらい

たけのこ 土佐煮

たけのこを何g以上食べると食べ過ぎになる、という明確な基準はありません。そこで、食物繊維の摂取量から考えてみましょう。

日本人の食物繊維の摂取量の目標値として、成人男性の目標量が1日21g以上、成人女性で18g以上が掲げられていますが[*5]、実際には目標に対して不足しがちであり、意識的に摂っていくことが大切です。

水煮のたけのこを1日に150g食べると約5gの食物繊維が摂取でき、よい摂取源になるでしょう。たけのこの土佐煮の小鉢なら1つでだいたい70gなので、1日に小鉢で2つくらいまでが目安です。食物繊維が含まれる食品はたけのこだけではないので、いろいろな食材から摂取できるとよいですね。

たけのこを赤ちゃんに食べさせても大丈夫?

乳幼児期に便秘に悩む赤ちゃんも少なくありません。少しでも食物繊維を摂らせてあげたいと思いますが、たけのこは向いているのでしょうか。

乳幼児期は硬さに気を付けて少量から

歯が生えそろっていない赤ちゃんには、たけのこは硬くてかみ砕くことができません。薄い千切りにすれば1歳を過ぎた頃から食べられるかもしれませんが、赤ちゃんの様子を見ながら、穂先のやわらかい部分を細かく刻み、少量から与えるようにしましょう。

また、欲しがるからといってたくさん与えてしまうと、消化不良を起こして下痢や腹痛などを起こす場合もあるため、量にも気をつけましょう。

まとめ

たけのこは春の訪れを感じさせる、おいしい食材ですね。食物繊維が豊富であり、不足分を補うのに役立ってくれるでしょう。その反面、食べ過ぎのリスクもあります。適量を意識すれば健康維持の強い味方になってくれるので、他の食材とのバランスを考えながら取り入れていけるとよいですね。
 
(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-