枝豆は食べ過ぎても平気?1日の目安とダイエットで食べるときの注意【管理栄養士監修】
ビールのおつまみの代表ともいえる枝豆。冷凍のものも多く出回っていて、季節を問わずに手軽に食べることができる身近な食品ですよね。「ダイエットにも向いている?」といわれる枝豆ですが、食べ過ぎの心配はないのでしょうか。含まれる栄養や1日の適量を見ていきましょう。
ダイエットにもうれしい枝豆の栄養!
大豆の未成熟なものである枝豆は豆と野菜の両方の栄養を持っているのが特徴です。まずはダイエットにもおすすめなポイントについてお伝えします。
質の良いたんぱく質が摂れる
枝豆は100gあたり11.7gのたんぱく質が含まれています[*1]。枝豆のたんぱく質は人の体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため、良質なたんぱく質と言えます。
たんぱく質は体を構成する大切な栄養素なので、ダイエット中などでもたんぱく質、脂質、糖質はバランスよく摂りたいですね。
ビタミン・ミネラルが豊富
枝豆はビタミンAやビタミンB群、ビタミンCを多く含んでいます。また、葉酸も多いため妊娠中や妊娠を予定している方にもおすすめの食べ物といえます。
ミネラルの中ではカリウムも豊富です。カリウムは体内の塩分(ナトリウム)の排出を促すので、塩分の摂り過ぎで怒りやすいむくみを予防する効果があります。
便秘に効く食物繊維
食物繊維は善玉菌を増やして腸内環境を整え、便の形を調整する働きがあるため便通をよくする効果があります。枝豆に多く含まれるのが不溶性食物繊維なのですが、この不溶性食物繊維は便のカサを増やして腸の運動を刺激する作用があり、便秘の予防や改善が期待できます。
ダイエット中の間食にぴったり
枝豆は食べ応えがあるので満足感を得られやすいというメリットがあります。甘いものやお菓子などと比べると脂質や糖質も低いため、間食として食べるのにおすすめです。
間食のカロリーの目安とされる200kcalは、茹でた枝豆で約170g(さやを含む場合は340g程度)にあたります。ダイエットをしたい場合は多いかもしれないので、1日トータルの摂取カロリーを考慮して考えるのがよいでしょう[*2]。
また、間食以外の取り入れ方として、食事の前に摂取するのも1つです。歯ごたえのある枝豆は咀嚼回数が自然と増えるので、食べ過ぎ防止や満腹感を得るのに役立ちます。
二日酔い予防に効果も
枝豆が二日酔い防止に効果があるというのは聞いたことありますか? 実は枝豆に含まれるビタミンB1やB2が肝臓でのアルコールの分解を助ける作用があるといわれています。枝豆を食べれば二日酔いにならないというわけではありませんが、少しでもアルコールの分解のお手伝いをしてくれるのはうれしいですね。
枝豆の食べ過ぎのリスクは?目安量は?
色々な栄養が摂れるのでたくさん食べたくなりますが、食べ過ぎのリスクもあります。
リスク① 塩分の摂り過ぎ
枝豆自体には塩分は含まれませんが、塩で味付けした枝豆を大量に食べると、結果的に塩分の摂り過ぎになってしまう場合があります。塩分の摂り過ぎはむくみや高血圧の原因にもなるので注意が必要です。
リスク② カロリーの摂り過ぎ
枝豆は100gあたり125kcalと、他の野菜と比べるとカロリーが高めです。食事バランスガイド[*3]では、枝豆は野菜と同じ副菜のカテゴリーに入りますが、サラダ代わりに大量に摂取すると思わぬカロリーオーバーにつながります。
適量の目安|1日140g程度
枝豆の1日の適量について何か基準があるわけではありませんが、塩分やカロリーの摂り過ぎを考えると、さや付きで140g(約80kcal)を適量の目安とするのがよいでしょう。これは食事バランスガイドの野菜1つ分にあたります。
多く食べる場合も200gくらいにし、枝豆以外の食品からもバランスよく栄養やカロリーを摂っていきたいですね。
その他の野菜などの食べ過ぎについてはこちら
<野菜など>
▶野菜 ▶トマト ▶玉ねぎ ▶キャベツ ▶ブロッコリー ▶人参 ▶ほうれん草 ▶きゅうり ▶大根 ▶ビーツ ▶かぼちゃ ▶セロリ ▶ニラ ▶ゴーヤ ▶おかひじき ▶春菊 ▶もずく ▶オクラ ▶もやし ▶ルッコラ ▶たけのこ ▶アボカド
<きのこ類>
▶きのこ ▶しいたけ ▶きくらげ
<芋類>
▶じゃがいも ▶山芋 ▶さつまいも ▶ヤーコン
妊娠中の枝豆に注意は必要?
妊娠中に枝豆を食べるときには、特別な注意は必要なのでしょうか。
塩分の摂り過ぎに注意
葉酸を多く含む枝豆は妊娠中におすすめの食品です。しかし、お伝えしたとおり、塩茹での枝豆を食べ過ぎると塩分の摂り過ぎになる可能性があります。自分で茹でて食べる際には塩の量を調整したり、調理済みのものを食べるときは量を控えたりして、塩分の摂り過ぎにならないようにしましょう。
イソフラボンは心配しなくてOK
大豆に含まれる大豆イソフラボンは、大量に摂取すると胎児の発育に影響する可能性があるため、妊娠中は大豆由来の特定保健用食品(一部の豆乳など)やサプリメントの摂取は控えたほうがよいと考えられています[*4]。
しかし、枝豆については大豆イソフラボンの心配は必要ありません。枝豆に含まれるイソフラボンの量は大豆に比べて著しく低いため心配する必要はないでしょう[*5]。
まとめ
枝豆はたんぱく質やビタミン、ミネラルが摂取できる栄養価の優れた食べ物ですが、食べ過ぎると塩分やカロリーの摂り過ぎにつながります。枝豆だけを食べるようなダイエットは控えましょう。健康的なダイエットにはバランスの良い食事と適度な運動が大切です。枝豆も日々の食事の中で上手に取り入れられるとよいですね。
(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*2]厚生労働省:e-ヘルスネット「間食のエネルギー」
[*3]食事バランスガイド
[*4]農林水産省:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
[*5]健康・栄養フォーラム よくある質問(FAQ) 枝豆にはイソフラボンは含まれますか?
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます